< 本 館 >
関東地方在住でなければ見ることの出来ない吾郎君メインの番組「稲垣芸術館」。ニフティ・レポーター ぷりんさんのご厚意により、ニフティの会議室の方でレポートされている内容を、こちらの方でも掲載させて頂くことになりました〜。吾郎君とゲストの方々とのアートなやりとりをお楽しみ下さい。
(ここにアップしている内容は @NIFTYの IDOL STATION,SMAP会議室:
http://www.pat.hi-ho.ne.jp/idol-station/smap/ , nifty:SITIDOL/MES/5
にぷりんさんがアップされていたものを分けて戴きました。ぷりんさん、ご協力感謝!)
<「稲垣芸術館」毎週金曜日25:30〜25:45(フジTV)>
(「芸術の秋み〜つけたスペシャル」は 2000/9/30 15:15〜16:00 放送)
21世紀型芸術&音楽情報発信基地「稲垣芸術館」。2000年4月に始まったこの番組は、動きの早い芸術・美術・音楽シーンにすばやく対応、「いいものはいい!」という精神でメジャー、インディーズという形式にとらわれず芸術家・アーティストを紹介すると言うのがコンセプト。毎回勢いのある若手芸術家やミュージシャン、アーティストをゲストに招き、キュレーター役の稲垣吾郎がアートを探究します。(キュレーター(curator):博物館などの管理者、館長、主事)
●基本のお約束●
稲垣芸術館開館に向け、世界中のアートを探し求めるキュレーター稲垣吾郎。その彼が新しいアートと巡り会うため訪れるのが「アートサウンドハウス」と「アートワークハウス」。
「アートサウンドハウス」では支配人内田恭子女史(フジTVアナウンー)と副支配人パンチUFO氏(スマスマ特別編「ボディラビング」にも出演)コンビが「アートを感じさせるミュージシャン」を紹介。
写真や芸術作品等美術系アートについては「アートワークハウス」支配人の奥山英志氏(フジTVレポーター)と副支配人リリー・フランキー氏コンビが紹介役を務めます。しかし、見る目の肥えた稲垣キュレーターの感性を刺激するにはちょっとやそっとのアートではダメ。彼に「欲しい!」と言わしめる、強い個性を放つアートだけが稲垣芸術館に所蔵されることになります。
2000年9月30日放送分 ホームに戻る
◆オープニング◆
「稲垣芸術館」・・・
それは稲垣吾郎が館長として独自のセンスで作品を集める理想の芸術館。
所蔵作品は、ゴッホ、ダヴィンチ、ルノアール、モアイ像は当たり前。
また最近は、ちょっと不思議な最新の芸術を紹介するアートワークハウスとこれから来そうな音楽を紹介するアートサウンドハウスで買い付けを行い、かなりの芸術作品を集めてきました。
ただ、そんな「稲垣芸術館」にはいくつかの難点が…。
1.建物の外側がない。
2.常設のレストランがない。
3.館内に明るい光を与えてくれる太陽がない。
4.芸術館へ向かうための交通手段がない。
ということで今回、アートワークハウス支配人奥山と副支配人リリーからの発案により、稲垣と共に様々な博物館を視察に向かうことになった。
(なんと初のロケ! 3人を乗せた館長の愛車真っ赤なオープンカーが本当に公道を走ります。)
★タイトル★
「稲垣芸術館〜芸術の秋み〜つけたSP〜」
◆アートなモデルハウスを求めて◆
さっそく3人がやってきたのは、東京・世田谷(住宅街に似合わない黒スーツの館長とタキシードの支配人たち…)。東京とは思えないような鬱蒼とした緑に包まれた、なんとも言えない雰囲気の洋館の前で足を止めます。
吾郎 「ここは?」
リリー「ここがアートなモデルハウス、横尾忠則邸でございます。」
突如雷雨が襲い、いっそうおどろおどろしさが増します。
吾郎 「セットみたいですね。」
さっそくインターホンで来訪を告げると、ドアを開けて下さったのは、横尾忠則氏御本人でした。
☆本日のゲスト:横尾 忠則
1936年兵庫県生まれ。独自のセンスと芸術観で日本の現代美術をリードするアーティスト。グラフィックデザイナーとして制作したポスターは幾多に渡り、世界中からも高い評価を受けている。
横尾邸は、かつて「赤とんぼ」の作曲で知られる山田耕筰氏が住んでいらしたお屋敷だそう。ノスタルジックな趣きのある邸宅。中へ入ると玄関ホールには芸術品がところ狭しと並べられています。
横尾 「自分の作品は一つもないんですけどね。」
ホールに続く階段をのぞいた吾郎氏、感嘆の声をあげます。
吾郎 「すごい!」
その階段には一段づつ大きさの異なる『お辞儀福助』(正座でお辞儀している福助人形)が飾られていたのです。
横尾 「僕に代わって『いらっしゃいませ』って挨拶してるんです。」
吾郎 「なんか気持ちいいですね。ここを歩くと。」
そして3人は芸術品に埋もれた応接間に通されます。ピアノの上に並んだたくさんの写真立てに目を留めた吾郎氏、
吾郎 「あれは御家族の写真ですか?」
横尾 「まあごちゃごちゃ。あれはジョン・レノンからもらったやつとか。」
(そんなお宝写真が無造作に並べられているのです。)
吾郎 「御家族の写真集を出されましたよね。」
(おっ、リサーチしてきましたな)
奥様の写真を見ながら、出会いについて聞いてみたりすると。
横尾 「二十歳の頃でしたね。一緒に住むようになったのは。」
吾郎 「1960年代ですよね。当時ってどういった時代だったんですか?」
当時、流行とかファッションはなく、せいぜい石原裕次郎の映画の中のファッションを皆が真似するという時代でした。スターが着ているものが流行の先端であり、それが時代の潮流になっていったのです。
吾郎 「横尾さんがベルボトムのジーンズはいて太いベルトして三島由紀夫さんと
対談してる写真を先程見ましたけど」(写真は1965年のものだそうです。)
「逆にああいうファッションって今ですよね。」
横尾 「あれはちょうどサイケデリックの時代ですよね。」
サイケデリック:幻覚剤を飲んだ時に起きる知覚状態。1968年頃からこの幻覚的な
陶酔状態を美術や音楽などで表現することが流行した。
横尾さんが初めてニューヨークへ行ったのは、アメリカがベトナム戦争真只中で反戦運動あり、人種差別問題もあり、経済もどん底で、サイケデリックのるつぼとも言うべき1967年でした。そして「ここで自分を変えないと変わる機会はない」と思ったのだそうです。病気や事件を起こすと言うような個人的なことで自分が変わることはあり得るかもしれないけれど、時代によって変わる瞬間はもう今しかないと感じたのです。
横尾 「もしあの時出会ってなければ全然違う自分になってたんじゃないかな
って気もするんですよね。」
吾郎 「時代によって変えられたと。『その時』だったんですかね。」
横尾 「時代によって自分の個と言うものを初めて見つめようとしたんでしょうね。」
ここでリリーさんから若手クリエーターのために横尾さんに質問を。横尾さんが当初手掛けていたグラフィックデザインは商業芸術である以上、クライアントから様々な制約を受けるもの。しかも数十年も前ならなおのこと制限が多かったはずなのに、横尾さんのデザインは若い頃から一目で横尾作品とわかる個性の強いものでした。どうやってそれらの制約と戦ったのでしょうか?
横尾 「自分を守れたのは、自分のしたいことしか興味がなかったって言うことで。」
多少は制限があった方が面白い場合もあるけれど、あまりにも無知な故に制約を加えてくる場合にはその仕事は断っていたそうです。しかしそれもある時期からは「何でもいいです」みたいになってきたとのこと。
吾郎 「それも逆にちょっと。『何でもいいのかい』みたいになっちゃいますね。」
そういった時期を経て自分に忠実でありたいと考えるようになり、80年代に絵を始めることになったのです。
では2000年の今、横尾先生はどんな作品を手掛けているのでしょうか?アトリエを見せてもらうことに。離れになっているのでしょうか。緑の中を進むとアトリエとして使われている一軒家が現れました。中に入って最初に見つけたものは、等身大の女性の人型。アメリカのボディビルダ−パフォーマ−のリサ・ライオン女史の実際の肉体を石膏でかたどって作ったのだそうです。
吾郎 「ずいぶんきれいな女性ですよね。」
(館長は芸術品を評するように女性を評するのです。)
リリー「子供の頃勝手に空き家に入ったみたいな、そんな雰囲気ですね。」
と言いながら階段を上がって二階へ。そこには縦横2メートル位の大きなキャンバスが数枚、置かれていました。
吾郎 「この部屋のは全て横尾さんの作品ですね?」
横尾 「ここにあるのは僕の作品ですね。」
描かれているのは平安時代の絵巻物のような感じ。和風な絵です。キャンバスの左側には侍姿の男が1人、骸骨を手にしていますが、その顔のパーツの配置や向きがぐちゃぐちゃです。
横尾 「これはお正月の福笑いみたいに目や鼻を切り抜いて貼ったんですけどね。」
吾郎 「あ、実際に福笑いされたんですか。お一人で。」(^^;)
実はこの絵は3点続きの中の一枚。この隣に趣きの異なるもう一枚が並び、続けてミトコンドリアを描いたかのような抽象的な絵が連なって完成します。横尾さんに案内され、まん中に入るはずの絵がある隣のお部屋に移ります。
リリー「これはすごい…。」
吾郎 「これはすごい!」
支配人「んほほほ。」
部屋の正面に置かれた絵を見て感嘆の声をあげる「いなげい」トリオ。
そこに描かれていたのは、地獄を思わせる黒い荒野一面に広がる大量の骸骨、そしてその上で踊る黒燕尾服の男装の麗人2人とモガ風な衣装をまとった金髪娘の姿でした。
吾郎 「どうですか、リリーさん。言葉を失ってますが。」
リリー「これは宝塚…ですか?」
ここで横尾さんのアートワークについて伺ってみます。
吾郎 「基本的にどういったものからインスパイアされて絵を描かれることが
多いんでしょうか?」
横尾 「今まで生きてきた時間の中で体験した記憶ですね。」
そしてそれはほとんどが十代の時の体験や記憶だそうです。二十歳以降の経験や事物はモチーフにはするけれど、絵に強い影響を与え滲み込んでくるのはやはり十代の時の記憶とのこと。
そしてお約束のこの質問。
吾郎 「横尾さんにとってアートとは、なんなんでしょうね?」
横尾 「ここに自分がいるんだって言う証明みたいなもんですよね。」
絵にはその時の健康状態や心の状態が正直に現れてしまうそうです。その時の気分で食べるものが瞬間に決まってしまうような、絵を描くことはそういうものだと思っているとおっしゃいます。
横尾 「結構、硬い話しましたよね、今日ね。」
吾郎 「ま、一応ちょっとタイトルが芸術館という…。」
「好きな食べ物とかいろいろと聞きたかったですけど」
横尾 「好きな食べ物はね、今セーブしてるけどおはぎが好きですね。」
吾郎 「おはぎ!?」
「好きな女性タレントとかはいるんですか?」
横尾 「宝塚ですね。」
「あれやってるじゃないですか、竹の塚。」
(ここで画面左下に小さく竹の塚の映像が。曲はもちろん『男ってなに?』)
吾郎 「すごいですね。よくご存知で。」
横尾 「いやあ、やられたと思いましたよ。僕もやりたかったんですよね。」
と、巨匠横尾忠則もスマスマを御覧になっているということが判明したところで、アートなモデルハウスを後にします。
支配人「稲垣様、いかがでしたか?」
吾郎 「いやあ、無意識と意識の間のおはぎ。なんてアートなんだ!」
◆アートなレストランを求めて◆
神奈川県新横浜。どしゃぶりの中、ビニール傘をさした「いなげいトリオ」が歩いています。
吾郎 「こんな雨の中どこに連れて行くつもりだ?」
支配人「私、提案があるんですけれども。
稲垣芸術館が開館した場合、食事するレストランはどうするんですか?」
吾郎 「まあ、全く考えてなかった。」
それではと支配人が案内したのは、「新横浜ラーメン博物館」(ラーメンの文化と歴史に触れ、全国から選び抜かれたラーメンを食べることができる博物館です。)
吾郎 「ラーメン?!」(おでこに皺3本。不服そうです。)
ともかく入場券を入れ、さっそく中へ。
吾郎 「こんなところに本当にアートがあるのかな?」
支配人「それを探すんです。」
この博物館の内部には昭和30年代の東京をイメージした町並みが再現されていて、ラーメンのアミューズメントパークと言った感じです。
吾郎 「ちょっとタイムスリップしたような感じがしますね。」
ここでの「いなげいトリオ」の使命:
「ラーメン博物館にある9店鋪の中から一番美味しかったお店に
稲垣芸術館内での出店を要請すること。」
その店鋪とは、「一風堂」「こむらさき」「支那そばや」「マメさん」「蜂屋」「新福菜館」「六角家」「勝丸」「純連(すみれ)」の9つ。
町並み中央の広場にあるテーブルについた「いなげいトリオ」。
支配人「さっそく一食づつ食してみますか?」
吾郎 「うん。食してあげよう。」(偉そう。)
と言うことで試食が始まります。一杯のラーメンをまずは吾郎氏が食べ、支配人たちにも分けると言うやり方です。
その1 <博多ラーメン 一風堂>
脂っぽくなく、むしろさっぱりした独特な濃厚さを持つトンコツスープ。
麺は歯ごたえのいい細麺。
吾郎 「あー。おいしい。」(もりもりいってます。)
支配人「相当気に入ったようですね。ただあと8杯ですから。」
吾郎 「(うなづきながら)アート、アート。アート、アート。」
リリ−「軽いなー、なんか。」
その2 <熊本ラーメン こむらさき>
トンコツに鶏ガラ、にんにくと青ねぎエキスのスープ。
こってりとあっさりが美しく同居する。
吾郎 「あっ。これも美味しいね。」
リリー「稲垣様ラーメン大好きなんですねぇ。」
やっぱりもりもりいってます(^^;)。
吾郎 「麺がね、ちょっとアルデンテ気味で、またいいですね。」
支配人「顔の表情も、非常に稲垣様アートな感じで。」
吾郎 「あ、ほんとに?」
その3 <藤沢ラーメン 支那そばや>
名古屋コーチンなど4種類もの鶏を使った醤油ラーメン。
黒小麦を使った日本初の麺を使用。
こちらの麺はまるで日本そばのように黒い色をしています。
吾郎 「おしゃれだね。」
リリー「これは今までで一番ヘルシーですね。」
吾郎 「ある意味アートかもしれない。」
その4 <函館ラーメン マメさん>
函館の味を復活させた幻の塩ラーメン。塩は中国のものを使用。
まずはスープを飲んで。
吾郎 「匂いも独特。」
リリー「横にいても匂いしますね。」
吾郎 「ちょっとね魚貝の感じが。函館の市場みたいな味がする。」
支配人「ちょっとクセありますね。」
吾郎 「栄養ありそう。」
支配人「怒りっぽい人にいいですね。煮干したっぷりで。」
吾郎 「あとカルシウム不足の人に。」
ここで麺を食べます。
吾郎 「うん、でもね、あっさりしてていいですよ。ちゃんとコクもあるし。」
その5 <旭川ラーメン 蜂屋>
アジの丸干しが効いた魚スープと余計な脂を取り除いたトンコツスープをブレンド。
焦がした自家製ラードが香る。
ドンブリに顔を近付け、香りを確かめる吾郎氏。
リリー「これもかなり匂いがありますね。」
吾郎 「匂いすごいね。なんか香ばしい匂いがする。
東武東上線のディーゼルの匂いがするね。」(ってほめてないよね?)
「魚くさいと言うよりも魚を焼いた匂いですよね、これ。」
その6 <京都ラーメン 新福菜館>
熟成された濃口醤油と、豚の肉汁の旨味が決め手のまろやかなスープ。
独特の特製中太麺との相性も絶妙。
まずはスープを一口。
吾郎 「あー。濃いね。焼肉焼いて、このスープつけて食べてもいいくらい濃い。」
「麺はねえ、まあ味がしっかりしてるから、裏切られることはないですねえ。
ほんと番組ちがくなってきた。アートかどうかっていう観点なのに、
麺はうらぎられない、って。」(支配人笑いながら隣でもりもり食べてます)
支配人「それにしても稲垣様、よく食べますね。」
吾郎 「あなたも。」(と支配人を指す手付きは古畑さん。)
その7 <横浜ラーメン 六角家>
豚のロース骨とゲンコツ、鶏ガラ、昆布からとるスープは、コクとうまみ、
甘味が同居し、スープに加える鶏の脂もあっさり。
吾郎 「ああ、麺はね、あれっぽい。イタリアのさ、ニョッキとか。」
その8 <東京ラーメン 勝丸>
じっくりと寝かせた自然醸造醤油で作るさっぱりしたコクのあるスープ。
特注の縮れ麺とあいまって独自の味を生み出す。
吾郎 「これはね、多分僕一番安心できますよ。東京生まれとしては。」
と食べようとしますが、動作が止まりため息一つ。テロップには大きく「満腹?」。支配人達が笑う中、頑張って試食します。
吾郎 「うん。いいね。」
リリー「ふるさとの味が?」
吾郎 「うん。」
その9 <札幌ラーメン 純連(すみれ)>
函館の天然水を使い、味噌くさくないコクのあるスープ。
札幌では行列のできる店として評判。
吾郎 「イタリアンの味だよ!」(なぜか力入ってます。)
リリー「うん。」
吾郎 「ピザの味もするよ!」
リリー「あれですよ、イタリアンの前菜で出てくるピーマンとかタマネギを
赤いのでぐちょぐちょに合えたやつ。」(って何よ〜?)
ここで試食は全て終了。
支配人「稲垣様、どちらの店の味がアートですか?」
ドラムロールも鳴ったりなんかして。珍しくおでこに汗を光らせた稲垣氏の答えは…。
吾郎 「お腹いっぱい。」
支配人「なんてアートなお答えなんでしょう。」
吾郎 「これはねー、あのー。なんつーの…。」
リリー「食べ過ぎて動きが鈍くなってるんですよ、さっきから。」
吾郎 「僕らお腹空いてたじゃないですか。
最初に食べたのが美味しいに決まってるんですよ。
でもほんとに最初に食べたのが美味しかったの。
今食べても一番美味しいと思う。やっぱり一風堂かな。」
そこで稲垣芸術館内への出店を依頼するため、一風堂へ交渉に出向くいなげいトリオ。店内は混み合って活気があります。さっそく店長に交渉。
吾郎 「僕の中ではここのラーメンがナンバー1だったんで、
ぜひうちの芸術館に出店していただこうかな、と。」
店長 「出店?出店はできないっすよ。」
とあっさりと出店拒否されてしまいました。
傷ついた一行はそのまま横浜に泊まったとか泊まらなかったとか。(画面には横浜みなとみらいのインターコンチネンタルホテル等の夜景が。)
◆アートな太陽を求めて◆
3人が続いてやってきたのは東京・南青山。
支配人「ここですよ、ここです。」
と、辿り着いた先は「岡本太郎記念館」。故岡本太郎氏のアトリエ兼住居をそのまま記念館にした、この世で最も岡本太郎を感じることができる場所です。
モダンな印象のガラス張りの建物の中へ入ろうとすると。
支配人「稲垣様、こちらの庭から。」
と、アートな作品があちこちに置かれた中庭へ案内されます。
まずキュレーターの目にとまったのは、お寺の鐘のようなものにたくさんの角が生えたとおぼしき作品。
吾郎 「これはなんだ?」
その下に置かれたハンマーで角の部分をたたくと、それぞれ違った音色の鐘音が楽しめると言うものでした。
吾郎 「う〜ん。ほんとだ。」
そして、太陽を発見。有名な太陽の塔についている顔の部分でしょうか。黄金色に輝いています。
吾郎 「笑ってるよ。」
記念館は岡本太郎氏が50年間住んでいらした住居を改造したもの。玄関を入ると、職員の松井さん(女性)が出迎えてくれました。
支配人「こちらが岡本太郎記念館の松井さんです。」
吾郎 「稲垣芸術館館長の稲垣吾郎です。」(きっちり。)
松井 「ようこそお越し下さいました。」
吾郎 「ええ。」(えらそうじゃ?)
館内には不思議なモノがわんさか。まずは生前岡本氏がサロンとアトリエとして使っていらしたお部屋へ。
吾郎 「素晴らしいですね。」
窓際には手のひらの形をした赤と青の椅子が一つづつ。青の椅子の上には岡本氏の写真が。
松井 「いつもそこに座っていらしたそうです。」
吾郎 「じゃあこのお硬い椅子に座られていたんですか。」
その隣には二つの椅子がくっついた形の2人がけの椅子。さっそく座ってみる吾郎氏。
松井 「これは『だだっこ』と言う名前の椅子です。
それぞれの椅子がちょっと内側を向いていて、座ると仲良くなると
言われることがありますけども。」
説明の間に隣に座っていた支配人、吾郎氏と視線を合わせ爆笑。
支配人「そんな極端にイヤな顔をせずに。」
お部屋には青山・子供の城にある「子供の樹」の原型も置いてありました。
サロンを出て廊下を進むと、
3人 「あっ!」
そこに現れたのは、等身大の岡本太郎氏の人型。髪や肌の皺などすべて忠実に再現され、きちんと洋服もつけているのでまるで生きているかのようです。両手を前に出した例のポーズです。さっそくポーズを真似する吾郎氏。
リリー「まだお元気でいらっしゃるんですねえ。」
吾郎 「ねえ。」(って違うだろう。)
これは、岡本氏が全裸で型を取るための液体にポーズを取った状態でニ分半程入って作ったものだそうです。
リリー「このポーズで二分半も液体の中にいられたってすごいですよね。」
吾郎 「ねえ、この表情も。」
松井 「目も開けていたそうです。」
次に見つけたのは、カラフルな抽象画。
吾郎 「こちらはねえ。人の顔に見えますけど、角度によっていろんなものにも。」
ここでリリー氏が生前岡本氏が「今日の芸術」と言う本に書かれた内容を紹介。花はきれいだとか富士山はきれいだと言った情報は知らない間に誰もが刷り込まれてる。見たことがないうちにきれいだと知る必要はない、花や富士山を汚いと思ってもかまわない。子供は情報がない分、太陽を青くも塗れるし、花を変な形にも描ける。そういう自由な発想が大事だと岡本氏は訴えていたのだそうです。
吾郎 「そういう感覚をずっとキープしようとしていたのでしょうね。」
リリー「情報によって美しさを決めるなって言うことですよね。」
館内を真剣なまなざしで見て廻る館長。両手を広げたポーズで写った岡本氏の写真を見て、
吾郎 「これは何を表してるんでしょうね。やっぱり爆発ですかね。」
もちろん真似してみます。
下へおり、玄関ホールに置かれた来訪者のための落書き帳を発見。
支配人「芸術館館長らしく記念に残る言葉を。」
さっそく左手でスケッチブックいっぱいに書いたのは…。
『G O R O』
吾郎 「できました。」
支配人「これで終わりですか?」
吾郎 「これで終わりです。」
支配人「…。なんてアートなんだ。」
◆アートな交通手段を求めて◆
最後に3人がやってきたのは、東京・葛西にある『地下鉄博物館』。地下鉄に関することを楽しみながら理解できるだけでなく、専門的な知識を得ることができる場所です。
吾郎 「地下鉄博物館…。なるほど。」
中に入るには自販機で切符(=入館券210円なり)を買って自動改札を通らなくてはなりません。稲垣氏とりあえず小銭を入れてみますが、はたと手がとまり、
吾郎 「ここしばらく電車のったことないから…。忘れちゃったなあ。」
なんとか切符を購入し、次は自動改札です。
リリー「これ怖いんだよなー。ちゃんと払ってても。」
と支配人達が改札を通過した後も、右手で切符を入れることに納得できない様子のキュレーター。結局無理やり左手で切符を入れて通ります。
吾郎 「意地で左手で。」
まず向かったのが、上野・浅草間を通った「日本最初の地下鉄」のコーナー。当時のままに再現された上野駅のホームと車両。車内には車掌や乗客のマネキンが乗っ
ていて、ある意味怖いです(^^;)。普段は車両の外から見るだけなのですが、今回特別にということで、中に乗せてもらいます。まず稲垣氏の目を引いたのは、当時の上野駅のホーム。「うへの」と書かれた駅名やレンガ作りの壁に感動しています。
吾郎 「柱のデザインとかレンガ作りとかパリの地下鉄みたいでいいですよね。
おしゃれですよね。」
そしてようやく車内へ。
リリー「昔の匂いがするな、なんか。」
中の座席には和服のマネキンさん御一家が座ってらっしゃいました。羽織り姿に帽子を被ったお父さん、和服にショールのお母さん。おかっぱの女の子を連れています。さっそくそのマネキンさん達に向かいあう形で座ってみます。
吾郎 「どうもどうも。どちらへ。」(ご挨拶は大切です。by慎吾ママ)
リリー「お父さんなんかもう、無理心中を切り出せないでいるみたいな顔してますよ」
当時のつり革は全てが金属製だったことに気付いた吾郎氏。
リリー「今でもこの方がいいんじゃないかなあ。ブラブラしなくて。」
次に「これすごいですよ。」と支配人案内されたのは、地下鉄赤坂見附駅の立体ジオラマ。
吾郎 「うぉー!すごい!」
※関東以外の方にご説明。
赤坂見附駅には2本の地下鉄が通り、またものすごく近距離に5つ位の駅が隣接する
場所なので地下には7本くらいの線路が通っていると言うすごいことになってます。
この巨大ジオラマは線ごとのボタンを押すとそれぞれの電車の模型が走るようになっており、稲垣氏、支配人に好きな線を押すように促されます。
吾郎 「丸の内線。動いた!」
と、少年の顔でジオラマに見入るキュレーター。
吾郎 「たまんないねぇ。」
リリー「嫌いじゃないみたいですね。」
吾郎 「千代田線だぁ。」
その無邪気な言い方に周囲は爆笑。いい笑顔です。突然全部のボタンを両手で押し始め、いっせいに模型が動くと
吾郎 「ぎょぁーすげー!!!」
(↑何度もヒアリングした結果これが一番近い音でした)
完全に子供にかえってはしゃいでます。響く支配人の笑い声。
吾郎 「胸がキュンとしますね、これ。」
そして続いてやってきたのは。
支配人「稲垣様、こちらが超目玉です。」
地下鉄を運転する気分が体験できる、地下鉄運転シュミレーションコーナー。実際の運転席が再現されたミニ車両とその前に地下鉄の線路が映るスクリーンがついて
います。(大がかりな「電車でGO!」ですな。)
支配人「実際に地下鉄を運転できるんです。」
吾郎 「これを?」(瞳がキラリ。芝居がかってます。)
で、さっそく運転席に座る吾郎氏。
支配人「運転の仕方わかります?」
吾郎 「あの、アクセ…ええ大体は。」
支配人「車と違いますからね。」
運転席の後ろにある座席には支配人たち座ります。
リリー「うまく駅に着かなかったらなんかお土産買ってくださいね。」
吾郎 「わかりました。」
支配人「いいすね〜。(拍手)」
と言うことで発車する稲垣氏。とりあえず順調に走り出します。
吾郎 「いやー、ほんとに動いてるみたい。」
嬉しそうです。
吾郎 「センスいいじゃん、オレ。」
映像と一緒に電車の走る音も聞こえ、
支配人「なんか普通に地下鉄乗ってるのと変わらないみたい。」
でも:
リリー「頼りない後姿ですね。この電車乗りたくない感じですね。」
支配人「スピード出し過ぎと言う感じもしないでもないけど。」
駅が近づいてきて減速し、
吾郎 「いいじゃん、いいじゃん。」(自画自賛。)
問題は停車位置です。
支配人「どこで停まるか…。」
吾郎 「だってそんなの教えてもらってないもん。」
(もっと大人になりましょう。)
と言ってる間にももう駅に入っています。が。
リリー「あれあれあれあれ…。」
支配人「あ、出ちゃう。で、出ちゃう!」
停止位置は通り過ぎたものの、なんとか駅の中で停まりました。
吾郎 「だいじょぶ。オッケー。」
リリー「これ、先頭車両のお客さん慌ててますよ。」
係員の方も「そうですね、ちょっと行き過ぎておりますけども」と。
支配人「じゃあ約束を。」
と言うことでお土産コーナーへ。
支配人「嬉しいなあ。」
吾郎 「何を買ってほしいのかな?」
リリー「あ、Tシャツいいなあ。」
などと選びはじめます。支配人がまず手にしたのは『地下鉄せんべい』。電車が描かれた箱に入ってます。
吾郎 「地下鉄せんべい、って…。」
次に支配人の目がいったのは、電車の形の缶に入ったメトロクッキー。3種類あり。
吾郎 「食べるもんばっか。」
支配人「お腹空いちゃって。」
まず一つ出してもらいますが、
支配人「これ二両編成にしたいんですけど。」
ともう一つつなげて電車ごっこ。
支配人「これ全部で何種類あるんですか?」
お姉さんに3種類あると聞き、「じゃあせっかくだから3種類」。でもスポンサーの懐具合が気になる様子。
支配人「だいじょぶですか?予算の方は?」
吾郎 「だいじょぶ、だいじょぶ。」
リリー「僕はじゃあこの地下鉄とは関係ないけど『モグラ消しゴム』。」
お土産も無事買えたところで。
支配人「稲垣様、いかがでした?」
吾郎 「楽しかった!(テロップハートマークつき)」周囲爆笑。
吾郎 「やっぱりこう、地下鉄をもっと深く知ってほしいという地下鉄魂。」
リリー「急に何を言い出したんですか、素直に喜んでたのに。」
吾郎 「なんてアートなんだ。」
◆エンドタイトル◆
ここでハイライトシーンと共にエンドタイトルが流れ始めます。「いなげいトリオ」ファンには嬉しい3人のコメントつき。
吾郎 「稲垣芸術館、今回は時間を拡大してスペシャル版をお送りしましたが、
お2人はどうでした?」
支配人「いやあ、ラーメン博物館最高!」
リリー「でもほんとに今回は貴重でしたね。
なんてったってあの横尾ちゃんの家に入ることができたんだから。
普通じゃ考えられないことですもん。」
吾郎 「稲垣芸術館ならでは、だな。
他にも地下鉄博物館の『運転シミュレーション』、あれも楽しかったあ。
僕もね、自分のキャラに似合わずつい夢中になっちゃった!」
リリー「吾郎ちゃん楽しそうだったもんね〜。」
支配人「ラーメン食べた〜い!」
吾郎 「奥山さんそればっかりじゃない。」
リリー「岡本太郎さんのとこで『喋るイノシシ』として展示しちゃいますよ。」
吾郎 「あっははははは〜。(芝居がかった笑い方。)
ま、そんなこんなで『稲垣芸術館・芸術の秋みーつけたスペシャル』
お送りしましたが、いかがだったでしょうか?」
支配人「ラーメーン!!」
リリー「だからもういいっつうの。」
吾郎 「僕達が見つける次のアートはあなたかもしれませんよ。それでは…。」
3人 「さようなら〜!」
ここで一瞬狭い録音ブースに固まって座っている「いなげいトリオ」の姿が映ります。(微笑ましいぞ。)
リリー「なんかこの終わり方、ものまね王座みたいじゃない?」
吾郎 「それ言わない約束でしょ。」
◆CM明け◆
稲垣キュレーターの愛車と稲垣芸術館の看板が映り、
「何かを残そうとする人々の魂。なんてアートなんだ。」
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