2000年6月放送分
放送日 |
ゲスト |
ゲスト解説 |
6/30放送分 |
高柳 恵里 |
日常生活にある素材を元に3次元化された作品を製作 |
6/23放送分 |
くるり |
96年に結成の3人組のバンド |
6/16放送分 |
八谷 和彦 |
「ポストペット」の開発者 |
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◆オープニング◆
真っ赤なオープンカーを運転するキュレーター稲垣吾郎。白いパイピングの施された黒エナメルのスーツに真っ白の長いスカーフを巻いたいつものスタイルで、今日も芸術館に所蔵すべきアートを探すため出かけて行きます。国会議事堂の前を走り抜けるオープンカーの映像に吾郎氏のナレーションが被る。
〜僕はどうしようもなくつまらない人間だ。
でも、そんな僕でもアートは優しく抱いてくれる。
だから、僕を感じさせてくれるアートを探すために今日も走る。〜
吾郎 「『国会議事堂、牛歩戦術』。なんてアートなんだ。」
◆アートワークハウスにて◆
吾郎 「で、あるんだろうね?僕を感じさせてくれるアートは。」
支配人「もちろんでございます。本日お薦めのアート、ご覧下さい。」
と、ショーケースに登場したのは、はりつけポーズの太ったキリスト様。そう、昔「俺たちひょうきん族」の懺悔コーナーで○や×を出していた、あの方です。(ブッチー武者さんとおっしゃいます。)本日のお裁きは○と見せかけて×ポーズ。すると上からキリスト様本人に水が掛けられてしまいます。ひとしきり上のスタッフに抗議した後、正面に向き直り、笑顔で○や×のポーズをくり返すキリスト様。見つめる吾郎氏はクスっと笑った後「感じない。」笑顔で流されていくキリスト様でした。
支配人「では、こちらのアートはいかがですか?」
次に登場したのは、白いテーブルの上に置かれたアート作品3点。吾郎氏、「かなり感じる。」とショーケースの中に入り、作品を間近で見つめます。そこにあったのは、ひからびたミカン2個、きっちりと畳まれ、重ねられた布製品(洗濯物?)十数枚、そして丸まったまま乾いた雑巾が3枚、でした。
リリー「ちなみに稲垣様は小学生の頃に『ぞうきん野球』を
なさったことがございますか?」
吾郎 「…丸めて投げて、取れないと水がバーッて顔にかかっちゃったりする?」
リリー「そこでちょっとショッキングなお知らせがあるんですが。
あの『ぞうきん野球』も実はアートだったんです。」
吾郎 「ほぅ…。」(めちゃくちゃ芝居がかってます)
リリー「最近のアートはあまりにも意味がありすぎ、
もはや思想になっているのではないでしょうか?」
吾郎 「なるほど。」
リリー「『ぞうきん野球』のように意味のないことに時間を贅沢にかけられる、
それこそがアートができる豊かな環境なのではないでしょうか?
今日は、豊かな時間をかけて意味のないアートを作ることから出てくる、
新しいものを見ていただきたいと思います。」
☆本日のゲスト:高柳 恵里
日常生活にある素材を元に3次元化された作品を製作。作品の要素に最小限の手を加えることで存在のけなげさを引き出し、日常の裂け目を浮かび上げていくことを追求している。
作品をソファの前のテーブルに移し、トークが始まります。
吾郎 「これはあの、ぞうきんですよね。触ってもいいですか?」
と、作品に触れる吾郎氏。
吾郎 「あれ?ちょっと…。」
高柳 「そう、多少空気を含んでいるので。」
吾郎 「失礼かもしれないですけど、ちょっと臭いそう…。」(^^;)
リリー「僕がよく行く雀荘の床にも似たような作品がありましたよ。
おばちゃんが掃除した後こうやって置いてあります。
それとこれの違いは何ですか?」
高柳 「その辺に落ちてひからびてるのを見た時に、なんかひっかかるんですよ。」
吾郎 「そこからこういったある種オリジナリティある作品を作るきっかけに
なっていったわけですね。」
「ちなみにこのぞうきんはご自分で使われてたものですか?」
高柳 「そうです。」
吾郎 「生活して日常の中で身近にあるものから何かを見いだすと言うことが
テーマですか?」
高柳 「テーマって言うんじゃなくて…。」
吾郎 「ひっかかっちゃうんですね?」
高柳 「そう、仕方がないって感じ。」
吾郎 「ちなみにどうやってこのぞうきんは作られたんですか?」
高柳 「ただ絞られたぞうきんを持ってくるんじゃなくて、
そこに私が一生懸命イリュージョンみたいなものを形作ると言う、
そういう時間自体がいい時間なんですよ。」
ちなみに『丸まったまま乾いた雑巾3枚』は7万円。『ひからびたミカン2個』も7万円だそうです。
吾郎 「え、7万!?」
「ちょっと待って、7万円のものって何だろう?」
支配人「電化製品のいいものが買えますね。」
リリー「それよりも、7万円で雑巾やミカンがいくつ買えるのかってことですよね。」
支配人「実はここにあるボックスもアートワークなんですよね。」
と、取り出したのは底のない箱。つまり、4枚の板を貼り合わせただけのものです。少年のような表情で箱をのぞき込んだりする吾郎氏。
吾郎 「え?え?もちろん意味ないですね。いいんですか?」
高柳 「意味を求めようというところから入ると難しいかもしれない。」
実はこのボックス、組立式になっていて、組み立てるところから体験できる作品になっています。
高柳 「『時間は食うわ、場所は取るわ』ってものなんですが、
そういう意味のないことのために時間を使えるって言うのが…。」
吾郎 「贅沢なんですね。」
高柳 「簡単な欲は絶対満たしてくれない。」
吾郎 「アートワークという中でこだわりと言ったら何ですか?」
高柳 「今は、『ぴったり合う』とか『便利そう』とか『合理的だな』とか
なんだけどそれがちょっとずれてるとかちょっと抜けてるとか、
そのへんに何かあるんじゃないかと。」
吾郎 「う〜ん、こんな高柳さんのアートワーク、僕の身体が確実に
欲しがっています。」(で、カメラ目線です)
と言うことで吾郎氏の愛車にみんなで乗り込み、高柳さんのワークスペースへと向かいます。途中ラジオつけちゃったりするとキュレーターの趣味なのかオペラが聞こえてきます。
着いた場所は、がらんとしたアトリエ。マンションの一室のようです。床にはアイロンとアイロン台。その上にはTシャツらしきものが置かれています。
吾郎 「これはどんな作品になるんですか?」
高柳 「洗濯物を畳んでみようと思ってて。
でも畳み方が普通でない変わったものにしようとしてるんですけど。」
と、一折りごとにアイロンをかけています。
もう一つ制作中なのが「ブックホルダー」。読みかけの本の間に入れる、いわゆるしおりですが、太い針金のようなもので四角形を作り、それを半分に30度ほどの角度で折り畳んで、本の間にはさむという作品です。これをはさむと本がちょうど読みかけの場所で少しだけ開いている状態を保てるわけですね。
吾郎 「また、無用な物シリーズですね。」
高柳 「使い勝手が良さそうな見かけって言うところがいい具合に出ればな、と。」
◆帰り道◆
住宅街を走る真っ赤なオープンカー。後部座席では、支配人とリリー氏があっち向いてホイをやっています。
◆稲垣芸術館にて◆
吾郎 「それではここで、我が稲垣芸術館が所蔵する
グレートミュージックをご紹介しましょう。」
今回のグレートミュージック:「ネバーエンディング・ストーリー」BY リマール
支配人「こいつはすげえ、稲垣様すげえ!」
吾郎 「どうも胡散臭いな、君は。」
リリー「この曲、日本では羽賀研二さんがカバーなさってたんですよね。
大体、日本のカバーは何の脈略もないんですけど、そういう意味では
ほんとに脈略のないカバーでしたね。」
吾郎 「ただ一つ言えるのは『誠実』だと言うことですね。
なんてグレートなんだ。」
「本日、我が稲垣芸術館に増えたアートは、無駄なことに費やす時間に
アートを見つける『高柳恵里のアートワーク』。」
「いやあ、今日もまたアートとセッ○スしちゃいました。
稲垣芸術館、開館まであと590日。」
◆エンディング◆
ラブホテル街を愛車で駆け抜ける稲垣キュレーター。
「『パートに行く時、ウィッグをつける母さん』。なんてアートなんだ。」
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◆オープニング◆
真っ赤なオープンカーを運転するキュレーター稲垣吾郎。黒エナメルのスーツに真っ白の長いスカーフを巻いたいつものスタイルで、今日も芸術館に所蔵すべきアートを探すため出かけて行きます。
都心を走るオープンカーの映像に吾郎氏のナレーションが被る。(今日はちょっと渋滞してます)
〜僕はどうしようもなくつまらない人間だ。
でも、そんな僕でもアートは優しく抱いてくれる。
だから、僕を感じさせてくれるアートを探すために今日も走る。〜
吾郎 「『ハザードランプをつけたまま、延々と走っている車』。
なんてアートなんだ。」(カメラ目線(*^o^*))
◆アートサウンドハウスにて◆
コンクリートうちっ放しの無機質な館内中央には、アート作品を陳列するための大きなショーケース。(アートワークハウスと全く同じってことね(^^;))その前に青と赤のソファが一台づつあり、赤いソファには一人足を組んで座る吾郎氏。(ソファの置き場所だけ入れ替わってます。サウンドハウスでは吾郎ちゃん、赤のソファに座るのです。)
ショーケースの隣には黒のスーツを着た支配人内田恭子女史とタキシード姿の副支配人パンチUFO氏が立っています。
吾郎 「で、あるんだろうね?僕を感じさせてくれるアートは。」
支配人「もちろんでございます。」
と隣のパンチ氏をつっつく支配人。
パンチ「あ、それじゃ、当店お薦めのアート、感じて下さい。」
で、ショーケースに登場したのは、羽織袴にタオルではちまきした立川談志師匠のそっくりさん。座布団の上に正座して語り始めます。
偽談志「んー、スマップってのはね、あたしが作ったんですよ、うん。
あたしと同じことやってんじゃないすか、あれ。
どうせあたしの亜流ですけどね。いや、立派なもんですよ。
いいメンバーでしょ。右から、こん平、歌丸、楽太郎、小遊三ね、
でこれ取り仕切るのが、今度27時間テレビやる、円楽。」
無言で吾郎氏、ソファの隣にある赤ボタンを押します。するとショーケースの内部が右に移動し、偽談志師匠は「いや、立派なもんですよ」と言いながら流されて行っちゃいました。
パンチ「続いてのアート、どうでしょう?」
次に登場したのは、コンビニでバイトしてそうなカジュアルな服装の若い男性3人です。身を乗り出す吾郎氏、「かなり感じる。」
☆本日のゲスト:くるり(バンド)
京都の大学で知り合った3人が96年に結成。「くるり」と言うバンド名もさることながら、彼らが生み出す歌詞そしてサウンドは20代前半にはない、独自の感性で構築されている。
吾郎 「皆さんは「くるり」。」
くるり「はい。」
吾郎 「かなりアートですね。」
くるり「全然意味はないんですけど、バンド名必要なんで。
横文字の名前も考えたんですけど。」
吾郎 「かっこいい名前?」
くるり「サンダーなんとか、とか。」
吾郎 「なんとかスカッシュとか?」(それかっこいいか?(^^;))
くるり「いいっすね、それ。Jスカッシュとか。」
パンチ「じゃあ、これからはJスカッシュとして。」
くるり「そうっすね。」
「くるり」は意味のない言葉なのにインパクトがあるところがいいと思い、つけた名前だそうです。もちろんメンバーが思いついたのかと思いきや、友達に考えてもらったとのこと(^^;)
彼らの曲「宿はなし」について語る吾郎氏。メロディも良いけれど、何と言っても歌詞に引きつけられたそうです。と言うことで、支配人が「宿はなし」の歌詞を一部朗読します。(って、書けないんだよ〜(T_T))子供の頃に遊んだ河原の夕方の風景をイメージさせるような、懐かしさを覚える歌詞です。
歌詞を書くときには、「これこれこうでこうなった」的なきっちりした文章を書くのではなく、「フッと降りてきた言葉」をもとにして思いつく言葉を並べていくそうです。この季節であれば、草いきれの匂いを嗅いだ時にひらめいたりすると語ります。
吾郎 「(歌詞は)どこでも書けますか?」
くるり「なんでかわからないけど、川があるといいんですよ。
川のそばに何かあって…。
その、なんだろ、横文字が出てこない。」
吾郎 「ノスタルジー?」
パンチ「リラックス?」
支配人「インスピレーション?」
どれもはずれ。
パンチ「『連想ゲーム』みたいですね。壇さん、和田さん、壇さん、みたいな。」
(^^;)。結局答えはわからないまま、話は移るのでした。
わざと生活の匂いを消しているバンドもあるけれど、「くるり」のサウンドからはちゃんと生活が匂います。もし洋食中心のメニューに切り替えたら、おしゃれな曲ができるかもしれません。
パンチ「じゃあ売れて生活が変わったら、歌詞の中に
『ダイニングキッチン』とか出てくるんですかね?」
吾郎 「やだよ〜。」
くるり「出るかも。『部屋の灯りはミラーボール』とか。」
吾郎 「こんな『くるりのサウンド』、僕の身体が欲しがっています。」
と言うことで、くるりの演奏が始まります。
くるり:「宿はなし」
(メロディは、ずいぶん前にサザンの原由子さんが歌っていた「花咲く旅路」に似ているなあと思いました。あの曲の歌詞は旅をテーマにしていたけど、「宿はなし」の歌詞の世界はもう少し近所な感じがしますが。どちらも日本人の血に訴えるような叙情的な曲という共通項があるかな。昭和っぽいです。)
◆帰り道◆
愛車の真っ赤なオープンカーで川沿いの道を走る稲垣キュレーター。「宿はなし」を口ずさみながら、「川のそば〜♪」と言う詞に合わせて川を指差してみたりします。
◆稲垣芸術館にて◆
CG画面で、壁に所蔵アートの映像が映し出されています。
吾郎 「それではここで、我が稲垣芸術館が所蔵するグレートアートを紹介しよう」
今回のグレートアート:「ミロのビーナス」
吾郎 「なんてアートな腰のくびれ。
例えるなら当時の男達の視線を釘付けにした、
そう、アグネス・ラムの腰のくびれのようだ。今やいいお母さん。
う〜ん、なんてアートなんだ。」
(くびれが好きなのは木村君だけではないようで…(^^;))
「本日、我が稲垣芸術館に増えたアートは、京都という都市から生まれた、
どこか古典的で雅やか、しかし新しい、『くるりのサウンド』。」
「今日もまたアートとセッ○スしちゃいました。
稲垣芸術館、開館まであと591日。」
(今回は10日減ったのね)
◆エンディング◆
愛車を駆る稲垣キュレーター。
「『石原裕次郎オーディションにちゃっかり応募していたお父さん』。
なんてアートなんだ。」
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◆オープニング◆
真っ赤なオープンカーを運転するキュレーター稲垣吾郎。(ちなみにアルファロメオらしい)白いパイピングの施された黒エナメルのスーツに真っ白の長いスカーフを巻いたいつものスタイルで、今日も芸術館に所蔵すべきアートを探すため出かけて行きます。
(イメージとしては少年ジェット(古!)とかそういった感じを思い浮かべて頂ければよろしいかと思います。エナメルスーツの袖には白の3本ラインも入っていてちょっぴり船長さんチックでもあります。)繁華街を走り抜けるオープンカーの映像に吾郎氏のナレーションが被る。
〜僕はどうしようもなくつまらない人間だ。
でも、そんな僕でもアートは優しく抱いてくれる。
だから、僕を感じさせてくれるアートを探すために今日も走る。〜
吾郎 「『歌舞伎町、朝のこの香り』。なんてアートなんだ。」(カメラ目線です)
◆アートワークハウスにて◆
コンクリートうちっ放しの無機質な館内中央には、アート作品を陳列するための大きなショーケース。その前に青と赤のソファが一台づつあり、青いソファには一人足を組んで座る吾郎氏。ショーケースの隣には黒のタキシードを着た支配人たちが立っています。
吾郎 「で、あるんだろうね?僕を感じさせてくれるアートは。」
支配人「もちろんでございます。当店お薦めのアート、感じて下さい。」
と、ショーケースに登場したのは、素肌に前あきベスト、七分丈のズボンを着けた一人の男性。(身元不明です)相撲の仕切の体勢から突然「はっけよ〜い、ブルった!」「ブルった、ブルった!」と叫びながら身体を震わせてます。(かなりエガちゃん味)すかさず吾郎氏「感じない。」ショーケースの内部が右に移動し、男性は流されて行っちゃいました。
「では、こちらのアートはいかがですか?」と、次に登場したのは、お揃いの白い帽子に白いワンピース姿でアイマスクのようなものを装着した若い女性二人。二人とも空中を探るように白い手袋をした両手をさまよわせています。
吾郎 「ん?かなり感じるなあ。」
興味を引かれた様子の吾郎氏に本日のアートについて説明を試みる副支配人リリー氏。
リリー「稲垣様は女性をご覧になる時、もちろん性的な視線で
見てらっしゃると思いますが。」
吾郎 「そんな…。ええ。」(動揺しながらもきっぱり認めます)
リリー「どういうところをご覧になってらっしゃいますか?」
吾郎 「う〜ん。首とか…。まあ、足だとか…。」(そうなんだ〜(^^;))
リリー「でもその性的な視線が相手に筒抜けのようにわかってるとしたら如何です?」
吾郎 「恥ずかしい…。」
リリー「ですよね。では、時速500キロのスケボーがあったら乗りたいですか?」
吾郎 「あの、安全が保証されるならば、乗りたいんですが。」
リリー「安全ではないです。
今日のアートはそのように『無くてもいいけど、あったら楽しいだろうなと言う、
ドラエもんのポケットみたいな夢』を作りだすアーティストの作品です。」
☆本日のゲスト:八谷(はちや)和彦 http://www.petworks.co.jp/~hachiya/
電子メールソフト「ポストペット」の開発者。コミュニケーションの道具と言うテーマを軸に作品に取り組み、一歩先を見据える発想で現代美術をリード。
吾郎 「(ポストペットは)僕もやってました。
でもペットをいじめ過ぎてひねくれちゃって、家出しました。」
八谷 「あんまりいないですよ、家出させる人。」
吾郎 「ポコポコ言う音が気持ち良くて。ダメですね、殴り過ぎちゃ。」(^^;)
最初に登場した二人の女性が装着していたアイマスクのようなものは、八谷さんが開発した「視聴覚交換マシン」。これを着けている二人の人間の見ているものが入れ替わってしまうというものです。さっそく稲垣氏とリリー副支配人が試着することに。
「リリー?リリー?」と言いながらあやしい手つきでリリー氏に触れる吾郎氏。(二人の視覚は入れ替わっているのでリリー氏の視界に入るものが吾郎ちゃんの目に映ります。つまりリリーさんが吾郎ちゃんの正面にいれば吾郎ちゃんは自分を正面から見ることになるのです。)握手なぞしてみて自分と握手する感覚を試した後、吾郎ちゃんは少し離れて立っている先ほどの若い女性に近づきます。(この時吾郎ちゃんは自分のアイマスクを外して両手で持ち、自分の目で女性の位置を確認して近づいています。)
吾郎 「リリーさん、何が見えます?」
リリー「あ、今吾郎ちゃん女の子を性的な目で見てるでしょ?よくわかる。」(^^;)
試着を終えて視覚を交換した感想を述べあう二人。
吾郎 「相手とコンタクトとれた時ってなんかちょっと感動しませんでした?」
リリー「『吾郎ちゃん』って言いながら自分に近づいていくのって、
ちょっとSMAPの一員になれた感じ。」
吾郎 「なれた?」
八谷 「これつけて握手するのって妙な感じしませんか?」
八谷さんがこのマシンを作った動機と言うのは実は「これを着けて『する』とどうかな」と言う不純なものだったそうです。「正直言って考えちゃいますよね〜。」と吾郎氏も気持ちが理解できる様子。「一度試したけど(天井とかイスの足とか違うものばかり
視界に入るので)結論としては×だった。」と八谷さんはおっしゃいます。(^^;)(^^;)
現在開発中の「エアボード」は「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」に出てきた空中を滑走するスケボーがモデル。スケボーから下向きにジェット噴射させることで地面から浮かせて滑ると言うコンセプトです。「ああ、あれか〜。」瞳を輝かせる吾郎氏。
八谷 「乗りたいでしょ、あったら。」
で、八谷さんが実際エアボードに試乗する模様を写したビデオが流れますが、なかなか乗れず転倒しちゃったりしてます。(この映像は上記HPにて公開されてます。)
吾郎 「結論的には失敗ですか?」
八谷 「成功と失敗の中間くらい。」
そして吾郎氏が「八谷さんにとってアートとは?」と訊ねると。
八谷「その作品を体験した人の人生観を影響を与えると言うか、
彫刻や絵に限らず、今生きている人達に強い何かを与えることができたら、
それはアートだと思う。」
支配人「稲垣様、本日のアートはいかがですか?」
吾郎 「八谷さんの『視聴覚交換マシン』、僕の身体が欲しがっています。」
と言うことで吾郎氏の愛車にみんなで乗り込み、八谷さんのワークスペースへと向かいます。
着いた場所は、会議室に使われると言う4畳半の和室にパソコンや資料が雑然と積まれた仕事場が連なるだけの普通の住宅のようです。
吾郎 「ここからポスペが生まれたんですね。」
八谷さんの作品が産み出されるお部屋を覗かせてもらい、たっぷりアートを感じて満足気な稲垣キュレーター一行、真っ赤なオープンカーで稲垣芸術館へと帰って行くのでした。
◆稲垣芸術館にて◆
CG画面で、壁に所蔵アートの映像が映し出されています。
吾郎 「それではここで、我が稲垣芸術館が所蔵する
グレートミュージックをご紹介しましょう。」
今回のグレートミュージック:「ロック・ミー・アマデウス」BY ファルコ(1986年)
支配人「すごい、この曲まで所蔵されてるとは…。」
リリー「僕はこの曲、現在はもちろん当時からすんごいダサい曲だと思ってました。」
吾郎 「(笑)そのダサさがグレートなんだよ。」
「本日、我が稲垣芸術館に増えたアートは、コミュニケーションをアートで包む
『八谷和彦のアートワーク』。」
「いやあ、今日もまたアートとセッ○スしてしまいました。
稲垣芸術館、開館まであと601日。」
(この開館までの日数計算がよくわからない。先週は開館まであと603日だった
んだけど…。そのへんがアートなのか(^^;))
◆エンディング◆
愛車を駆る稲垣キュレーター。
「『ピザのことをピッツァと言うお父さん』。なんてアートなんだ。」
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