(7)自由
「アメリカは自由な社会である。大統領になる自由もあれば、乞食になる自由もある」といわれる。たかだか数日間滞在しただけだから人の内面までは分からない。しかし、外から見ている限り、自由度は日本より高いと感じた。
自分で給料を稼ぎ、家を建て、好きな服を着て、マイペースで人生を楽しむ。アメリカには「社会(=Society)」はあっても「世間」はない。一人ひとりが自立した人間の集まりとして社会が成立している。したがって、私は私、あなたはあなた。もし私が嫌いだったら近寄らないでください、という自由がある。
一方、日本人にとって一番大切なのは「世間体」である。自分が犯した罪に対してではなく、世間を騒がせたことを理由に辞職することに誰も疑問を抱かないのが日本社会である。こういう社会に本当の民主主義は育つのか? ハワイで感じた素直な疑問である。
民主主義は一人ひとりの自立した個人の集まりの上で成立する。その場の空気を読み、付和雷同で自分の態度を決定することが美徳(?)とされるような社会は、本物の民主主義国家ではない。そう考えると、日本の民主主義はまだまだ未熟なのかもしれない。

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