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創刊から19年目の2026年夏、Web評論誌「コーラ」は終刊します。
評論誌「La Vue」(紙版)からWebへと変身した評論誌「コーラ」は、ヴァーチャル空間に潜在的/可能的な〈場〉を目指しました。
そのシリーズの狙いは、共-存在としての〈存在の自由〉という水平性と端的に〈ただある〉ことを肯定する垂直性の視座を交差させることでした。このシリーズは11人の寄稿者によって第1期を終えました。広坂朋信氏、野崎泰伸氏、清末愛砂氏、堀田義太郎氏、青山薫氏、ひびのまこと氏、永野潤氏、岡田有生氏、栗田隆子氏、上間愛氏、いまは亡きひるます氏、の各氏に改めて感謝申し上げます。
「精神のリレー」(埴谷雄高)として、論争的/論創的にこのシリーズが継承されることを願っていたのですが、力及ばず第2期は実現しませんでした。
それから、本誌の目論見のひとつとして〈協働編集〉というのを言挙げしていました。
<「コーラ」という〈場なき場〉に立ち会う未知の読者の編集参加を求めています。その意味で本誌の編集委員会は暫定的であって、この「コーラ」という揺籃器にコミットメントする労力を惜しまない方々に対して、編集委員会は開かれています。>と、 「創刊の辞」に書きました。
例えば、責任編集という形で本誌の特集を組むことや、リアルの〈場〉でのトークセッション、また協働レヴュー(討議)を経ての共同執筆、合評会なども志向していましたが、これは部分的には実現できたと思います。
また、 映画アンケートにご回答いただいた諸氏、PDFで復刻した「La Vue」にご寄稿いただいた諸氏にはいちいちお名前は挙げませんが、改めて感謝申し上げます。
そして、創刊号より連載 〈哥とクオリア/ペルソナと哥〉を欠かさず寄稿された中原紀生氏。彼が2025年8月に逝去される数日前に、「あとはよろしく」とメールで編集人に遺稿(草稿)が託されました。これまで、ほんとうにほんとうにありがとう。彼は類稀なる市井の〈哲学者〉でありました。
本誌59号においてその遺稿の掲載とともに連載の完結をもって、頼りない同伴者であった編集人は本誌を〈終刊〉することに決めたのでした。
最後に、創刊号から59号まで「コーラ」の表紙や本誌全体のレイアウトをデザインしていただいた、元デザイナーの いうのうえ・なおこさんには心より感謝します。
そして、ご愛読いただいた読者の方々には深甚なる感謝の意を表します。
さて、<「コーラ」は来るべき世界に向けて、方向感覚を研ぎ澄ましながら、複数の声が交響しあう言語‐身体空間の〈場〉、生成的で流動的な〈場なき場〉の出現に賭けたいと思います。賭金は、読者であり投稿者である、あなた自身です。>と 「創刊の辞」で書きましたが、果たせたでしょうか。
それでは〈終わり〉の向こうへ、僕は少しの勇気と希望を賭金に歩んでいきます。
そして僕に余力があれば、また新しい媒体でお会いしましょう。
Web評論誌「コーラ」59号(2026.08.15)
終刊の辞「〈終わり〉の向こうへ」(「コーラ」編集員会/山本繁樹)
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