1.経済のサービス化
「経済のソフト化・サービス化」などとひとくくりにされて呼ばれることも多いが、経済のサービス化はイメージできても、経済のソフト化はなかなかイメージしにくい。
経済のサービス化は一般に
(経済のサービス化)
国内総生産において、第三次産業を中心に、サービスの占める割合が高まること
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をいう。
3次産業は1次産業や2次産業と違って直接「モノ」そのものを作るのではなく、銀行員、公務員、医師、教員、放送、新聞業界 出版社、デパートの販売員、小売店、外食産業などのように、いわゆる「サービス財」を生産する。現在日本のGDPの約7割は第3次産業から生み出される。
経済のサービス化は、家計消費の中では交通、通信、教育、教養娯楽(旅行)といった費目の増加となってあらわれている。
ただし、経済のサービス化は第3次産業においてのみ見られるものではない。農業や製造業においても、研究開発部門の重要性は増加しており、1次産業や2次産業でも経済のサービス化は進行している。
2.経済のソフト化
一方、経済のソフト化とは一般に、「経済の中で知識
、情報,、技術、企画、デザイン等のソフトな業務が重要な役割を占めるようになった社会」と説明されることが多い。
とくに近年はあらゆるところにコンピュータが使われ、コンピュータを動かすためのソフトが重要になってきている。パソコンだって、Exel や Word といったソフトがなければただの箱だし、任天堂のゲーム機も動かすソフトがなければ全く役に立たない。こうしたコンピュータソフトの事例は「ソフト」の重要性をイメージするには分かりやすいかもしれない。
しかし、経済のソフト化とはそうした狭い意味ではなく、ちょっとしたノウハウや、企画、技術、研究開発など、社会のあらゆるところに観察される。次に
経済のソフト化の具体例を挙げる。
・知識産業
公的研究所、民間研究所、コンサルタント会社、情報・ソフト会社、設計事務所など
・2次産業におけるソフト化
トヨタの看板方式に見られる生産に必要な工程管理、労務管理、デザイン、流通過程のノウハウ、50階建てのタワーマンションを建てる技術、高層タワーを解体する技術(竹中工務店のグリップダウン工法など)
・外食産業のサービスマニュアルやレシピ
・コンビニにおけるレイアウトの仕方やPOSシステム
・ホテル業、セールスマンなどの接客ノウハウ
等々 |
こういった知識・情報・アイディアは企業にとって非常に重要であるにもかかわらず、簡単に模倣できるので、企業はその秘密保持に神経をとがらせている。
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