市民革命のポイント
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1.市民革命の意義 絶対王政下の人の支配(=国王の支配)を倒し、国王も法に従わせる法の支配を確立し、近代市民国家が誕生した。その契機となったのが市民革命である。その意味で、市民革命は政治を語る上で非常に重要な事件である。 ところが、生徒のほとんどは市民革命の本質が全く分かっていない。 「では、市民革命の歴史的意義は?」 と聞くと答えに窮する生徒がほとんどである。 では、市民革命の意義とは何か。簡単に言えば次のようにいえよう。
このことを図示すると次の通りである。 (人の支配 ) 国王⇒法⇒人民 (法の支配) 法⇒国王⇒人民
2.革命の意味 革命を英語で言うと revolution である。この動詞は revolve である。
これが革命の意味である。 一方、クーデターは「回転しない」点で革命とは異なる。たとえば支配している兄を弟が殺し政権の座についた。これは革命ではない。支配するものと支配されるものが回転していないからクーデターである。
3.自然法と憲法 国王の発した命令が即法となっていた絶対王政に代わって、なぜ国王も法には従うべきとされたのか。 「自然界に法則があり、みんながそれに逆らえないように、人間社会にも自然法という見えない法がある。人を殺すな、他人のものを盗むな、などは代表的な自然法である。だから、国王も自然法に従わなければならない。」 ということである。
4.アメリカ独立革命が市民革命である理由 市民革命によって、「王政を倒し市民が政治権力を握る社会を作った」というのは、名誉革命やフランス革命についてはよく分かる。しかし、アメリカの独立が なぜ市民革命の一つに加えられるのか。 理由はこうである。18世紀のアメリカはイギリスの植民地であった。ところが、イギリス名誉革命の果実は植民地には及ばず、権利章典の恩恵は受けられず、議会へ議員を送ることも参政権も与えられていなかった。植民地アメリカはイギリス国王の私有地であり、実質的に絶対王政の頃とかわらない統治が行われていた。 ところが、アメリカは独立によって、英国王の政治をはねのけ、市民が権力を握り、憲法を制定し、法の支配を実現した。これは立派な市民革命である。このような理由から、アメリカ の独立も市民革命の一つといわれるのである。
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