大きな数字の扱い方 | |||||
『分数の計算ができない大学生』という本が、かつて話題になった。高校教員にとっては、何を今更という感じもする。そんな生徒
は高校生の中にわんさかいる。 嘆いてばかりでは前に進まない。小学校の算数で躓いているなら、それをきちんと教えるのも高校の役目であろう。ここでは、高校の現代社会に出てくる代表的な数値の処理について私見を述べる
2.大きな数字のかけ算 大きな数字のかけ算を、どうやって計算したらいいかわからない生徒が少なくない。たとえば、
といった計算は、たとえ、全国偏差値が50を越える生徒でもお手上げの生徒が少なくない。私はいつも、次のように計算することを推奨している。 20円 × 3000万 =60000万円 すなわち、万はそのまま万としておき、数値の部分だけを計算するのである。そうすれば、桁数間違いが少なくなる。
では次の問題。 1万×1万は ? 10,000円 × 10,000円 = 100,000,000 円 (→答 1億円) ふつうに計算すれば、上の通りである。ところが、これを実際にやらせるとゼロの数を間違えて、うまく計算できない生徒が少なくない。 そこで考えた。 したがって、 1万×1万=1億 となる。これを覚えておくと、たとえば、
といった問題もたちどころに答えることができる。(答え100億円)
3.土地の広さのイメージ ここで、1万坪という数字が出てきたが、これも数値だけではわかりにくい。 1万坪=3万3000平方メートル とやってみてもやっぱりイメージしにくい。そこで、
と覚えておくのである。そうすれば、3万3000平方メートル=約3ヘクタールは、野球場3個分くらいかな、とイメージできる。 ちなみに、皇室が栃木県に持っている専用農場の広さは25haである。
4.お金の量 われわれが実際にイメージできるお金の量は、100万円くらいのものである。新券の1万円札で、ちょうど1センチになる。それ以上の金額になると、想像するしかない。生徒には次のように説明するとよい。
これは、私が財政を語るときに使う得意ネタである。みなさんも使ってみてください。ついでに、
という問いかけもおもしろい。答えは? 計算してみてください。
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