これからの地価

(2015年4月17日)

 

関西圏の地価(住宅地)は時計回り

 地域の名前がもつブランドの力というものがある。関西は比較的それがはっきりしている。いちばん人気があるの は阪神間(大阪と神戸の間)。芦屋はその代表である。次が北摂(大阪北部)。ここには大阪大学や万博公園があり、多くの人が住みたいという羨望を持つ。その次が奈良、そして最後が大阪南部である。ちょうど時計回りに人気が高い。

 

 もちろん、それぞれの地域の中にも高級住宅街はあるし、そうでないところもある。しかし、平均的に言えば、大阪の地価はこうした人々の好みを反映し、時計回りに高いと思ってよい。

 個人的な経験で言えば、私が住んでいた泉北ニュータウン(大阪南部に位置する)の地価が一坪40万円していたとき、阪神間(西宮)では120万円が相場であった (2006年)。

 1991年にバブルが崩壊してから、地価は16年間下がり続けた。最近、ようやく下げ止まりの兆しが見られる。バブルも困るが、地価の値下がりはもっと困る。この 20年あまり、多くの家計が資産価値の下落に泣いてきた。

 かつてバブル華やかなりしころ、3000万円で売り出されていたスキー場のリゾートマンションが、いまはその10分の1の値段で売られていると聞く。極端な例では10万円でも買い手がつかないとも聞いた。安く購入しても維持管理費や固定資産税が重くのしかかり、買う人がいないのだとか。

 これから日本列島の地価は2極化していくといわれている。すなわち、都市部と地方の中核都市は値上がりし、それ以外の地域は値下がりすると予想されている。 原因は都市化である。実際、私の生まれ育った石川県では、空き家が目立つという。http://blog.goo.ne.jp/minami-h_1951/e/0db3e109d15c3
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ま た、都市部においても、都市の中心部は値上がりし、郊外は値下がりするといわれる。理由は高齢化により郊外の1戸建て住宅に対する需要 が減少し、病院や買い物に便利な都市部に人が集まるからである。

 かつて、地価が右肩上がりの上昇を続ける中で、郊外に一戸建てのマイホームを持つことは、サラリーマンのステイタスシンボルだった。しかし、子育てを終え子どもが独立していったあと、老夫婦 2人で100坪もある家に住むのは広すぎる。また、値下がりのリスクと南海沖地震のリスクという2つのリスクを考えれば、住宅を取得するのに二の足を踏むのもわかる気がする。

 

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