放射能と放射線

 

 

 以前、京都大学の原子力の専門家から聞いた話である。「放射能漏れ事故」「放射線漏れ事故」。深刻なのはどっち?

 答えはもちろん放射能漏れ事故である。そのとき、その教授がおもしろいたとえ話をしてくれた。放射能と放射線は

ウンコ ニオイ

 にたとえるとわかりやすいという。

 放射能はウンコ、放射線はそのニオイだというのだ。
なるほど、そう考えると放射線漏れより、放射能漏れ事故の方が遙かに深刻だということが簡単に理解できる。

 以来、生徒には必ずこのたとえを使って説明している。概して生徒はウンコの話が大好きである。ウンコがばらまかれた光景を想像するのであろうか、生徒は「ウェー」などといいながら楽しそうに聞いてくれる。これで生徒は一生忘れない。

 ついでに、「半減期」とは放射性物質の量が半分になるまでの期間と説明する。 たとえばヨウ素131の半減期は8日間である。これはヨウ素131が放射線を出すことによって、8日間で半分がキセノン131という別の物質に変わり、ヨウ素131は半分に減ることを意味する。半減期が短いものは短時間で大量の放射線を出し、早く別の物質に変わる。プルトニウムのように半減期が長い物質(2万4000年)は、放射線をあまり出さないため、放射性物質の量はほとんど変わらない。

 

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