いっちょう、やったやろやないか
(2000年11月19日)

 

 今日は日曜日。空は晴れて、真っ青。でも、今日も家で仕事に追われる。家族には申し訳ないと思いつつ、それでも勉強。三国丘高校に赴任して15年になるが、日曜日はたいていこんな調子である。そうしなければ、進学校の生徒を相手に満足させる授業など、おぼつかない。

(それでもなお授業が面白くないとしたら、生徒の皆さん「ゴメンナサイ」!)。これも、三国丘高校という学校に赴任した宿命か。

 何が、私を勉強に駆りたてるのか。勉強が面白い。確かにそれもある。しかし、それに加えて、今から20年あまり前に読んだ渡辺洋三氏(東大法学部教授、当時)の言葉も、強力なエネルギーになっている。
 
 「私が大学で一年生の教養課程の法学の講義を受け持ってみての感じでは、極端に言うと、高校以下の社会科教育は絶望的な気がします。高校までの社会科教育の中で、法律とか政治等の社会現象をどういうふうに見てきたのだろうかといえば、まるっきり知らないと言ってもいいのではないかと思います。」(『教育学全集、第八巻』小学館)
 
 オウ、よう言うてくれた。高校の授業がどんなもんか、いっちょ、やったろやないか。そんな反発心があるのかもしれない。
仕事に明け暮れる私を見て、妻が「まるで二十日鼠みたい」と言った。本人は、ネズミではなく、泳ぎ続けていないと死んでしまう「マグロ」だと思っているのだが。

 

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