タワーマンションでの暮らし        

2008年1月6日

 
 金沢から大阪に出てきたのが31歳の時。その後、子どもの誕生・成長にあわせて、寝屋川、桃谷、千林大宮、泉北ニュータウンと住むところを変えてきた。一昨年、大阪駅近くにタワーマンションを購入したが、仮住まいを含めれば、今回で5回目の引っ越しになる。孟母三遷の南家版(笑)である。
 

眺め
 新しいマンションからは、大阪駅、北ヤード、ヘップの観覧車、スカイビル、ハービス、リッツカールトンなどが一望できる。夜になってカーテンを開け放つと、これらの建物がライトアップされ、一大パノラマを楽しむことができる。都心であるにもかかわらず防音は 非常にしっかりしており、地上を走る車の騒音や隣家の生活音は全く聞こえない。都心にいることを忘れるほど静かである。これで地震の心配がなければ申し分ないのだが・・・。

             

   タワーマンションに住んでみて初めて分かったことがある。それは、建物というものは、そのほとんどが下から見たときに見栄えがするように作られており、上から見られたときの景観はまったく考慮されていないということだ。正直言って、上から見た梅田周辺のビルの屋上は猥雑である。ほとんどの屋上は、エアコンの屋外機がむき出しに据え付けられ、時には不要物の物置になっていたりする。お世辞にも美しいとは言えない。

 ところが、夜になるとそうした猥雑さは闇に隠れ、代わって美しいイルミネーションで飾られた夜の梅田の顔に変わる。しかも、どういうわけか、けばけばしいネオンサインは皆無である。

 きれいなイルミネーションの中でも、ひときわ映えるのがハービストとリッツカールトンの屋上の照明である。まるでマンタのような形をした屋上が一つのオブジェとして夜空にくっきりと照らし出され、他のビル群を圧倒する。明らかに、他の高層ビルから見られることを意識した作りだ。下からは見えないところにも心を配る建築家のこだわりが小憎らしい。リッツカールトンの格付けが高く、宿泊料金が高いのも当然だと一人納得する。

      
          (左端に見える一番高い建物がリッツカールトン)

 

欲を言えば
 大阪駅の近くで非常に便利な場所であるが、しかし、住んでみるといくつか不満な点も出てくる。
 一つは近くに銀行がないことである。全部梅田に吸い取られてしまって、家の近くには銀行がほとんど無い。梅田までは歩いて15分だが、その15分が面倒くさい。
 もう一つは手頃なスーパーが無いことだ。歩いて5分ほどのところに昔の公設市場をスーパーにした店があるが、品数、品質ともに今ひとつである。自転車で5〜10分くらいのところに大きなスーパーが二つあるが、自動車は処分してしまったし、ちょっと遠い。日常的な買い物には、仕事の帰りにすぐ立ち寄ることができるスーパーが欲しい。

 そう思っていたところへ、先日、近くに大丸ピーコックがオープンした。しかも、駅から帰る途中にある。これで買い物がすごく便利になった。あと、銀行が来るとありがたいのだが・・・


デパ地下
 夕食の材料を買うのに、たまにデパ地下を利用するもある。先日も急にお寿司が食べたくなって、大阪駅まで出て阪急のデパ地下に寄った。夕方7時半頃である。これにしようか、あれにしようか。サイフ(ワイフではない)とも相談しながら、一回りして品定めをする。
 いいのが見つかった。値段は1050円。おいしそうだしボリュームもたっぷりある。しかし、ちょっと予算オーバーである。デパ地下は夕方になるとドンドン値下げする。そこで、もう一回りしておれば100円引きくらいにはなるのではないか、などとせこいことを思いながらまた店内をうろうろ。そうして戻ってきたが、まだもとのままの値段だ。仕方ない、買おうか・・・。いや、もう一周(笑)。
 そうしているうちに、別の店でもっと安い609円のお寿司を見つけたので買ってしまった。
「デパ地下は、うちの巨大な 冷蔵庫」と思うことにしよう。

 

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