水の話

2007年01月14日

(1)味
 大阪の水道水は、すべて淀川から取水している。ところが、大阪市も堺市も同じ淀川の水のはずなのに、大阪市の水のほうがはるかにうまい。市販されている「南アルプスの天然水」よりうまい(笑)。以前テレビで、「大阪市の水」と「市販されているミネラルウォータ」を飲み比べる実験があったが、だれも区別できなかった。納得。しかし、大阪市と堺市とでは、なぜここまで味が違うのか?

 大阪市の水はすべて自前の「大阪市営水道」水である。これに対して堺市は大阪府営水道から100%購入している。しかし、両者とも「高度浄水処理」を施しているから処理方法に大差はない。それにもかかわらず、なぜ味が違うのか。よくわからない。
 いずれにしろ、淀川のウンコやオシッコの混じった水も浄水の仕方でここまでおいしくなるとはビックリである(笑)。毎日おいしい水を飲めることにあらためて感謝感謝。

 ところで、水には硬水軟水がある。カルシウムやマグネシウムをたくさん含んでいるのが硬水で、少ないのが軟水である。一般に、ヨーロッパの水は硬水が多く、日本の水は軟水である。教科書的にいうと、硬水は石けんが泡立ちにくく、飲んでもおいしくない。これに対して軟水は、おいしくてお茶や紅茶をおいしく入れるのに適している。

 では、その硬水と軟水。飲み比べて違いが分かるか? 全く自身がなかったのだが、先日、上の娘がスーパーで代表的な硬水と軟水を買ってきてくれた。なるほど、飲み比べると味は全く違う。硬水の方は、渋みというか苦みというか、独特のえぐみがあり、確かに「まずい!」。一方、軟水の方は毎日の見慣れた「普通」の味で「おいしい」。

 

(2)水戦争
 水は生命の源。地球に生命が誕生したのは、地球に水があったおかげである。人間の場合、男性の体の約60%、女性の体の約50%は水である。女性のほうが少ないのは、水分をあまり含まない脂肪が多いためである。

 私たちが日常生活を送るためには1日に約50リットルの水が必要といわれる。しかし、それだけの水を確保できない国がたくさんある。世界では約11億人が水不足で苦しんでいるとされる。大半はアフリカだ。人口増加や経済発展に伴い、ますます水に対する需要が増加している。生活用水だけではない。農業用水や工業用水も重要だ。

 中国では黄河と長江という2大河川があるが、黄河の水量は長江の19分の1(1997年)しかない。そこで、長江の水を水不足に悩む北方に運ぶ「南水北調」プロジェクトが進行している。総事業費7兆5千億円。完成予定は2050年という。

 また、中国はチベットのヤルンツァンポ川にダム建設も予定していると言われる。ヤルンツァンポ川はインドに流れ込むブラマプトラ川の上流にあたる。もしここにダムが建設されれば、インドは上流で水を支配されることになり、中国との間に深刻な「水摩擦」が起きることは必死だ。

 イスラエルとパレスチナ、シリアとヨルダン、エクアドルとペルー、ナイル川など、水紛争の厳しさは今や世界的な問題である。21世紀、人類は水を求めて戦うことになるだろうとも言われる。水資源大国日本。世界貢献できる何かいい知恵はないか。
 

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