鴨川のアベック
2006年12月20日
長年、京都の鴨川のアベックを「研究」している大学の先生がいる。それによると、アベックとアベックの距離はなぜか等間隔になるのだそうだ。その間隔は6月で1メートル28センチ、7月8月になると72センチまで縮小するという。
電車の座席に座るときも似たような現象が起きる。まず、たいていの人は、長いすの両端に座る。3人目はその真ん中。4人目5人目が来ると、少しずつ移動して、いわゆる等間隔の法則が成立する。
たまに困るのは、6人がけでゆったり座ることができる長いすに、等間隔の法則よろしく5人がゆったりかけている場合である。私なんかは、「スミマセン、つめていただけますか」という勇気がないばかりに、指をくわえてみていることが多い。偏見と誤解を恐れずに言えば、こういう場合強いのは、やはり中年のおばちゃんである。しっかりともぐりこむ。
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6人がけでちょうどいい座席に、もう一人座るとどうなるか。たった一人多くなるだけで、今度は7人全員が窮屈な思いをする。そこまでしてつめなくてもと思うのだが、世の中には、この手の現象が多い。
2006年に社会問題にまでなった高校必修科目の履修漏れ問題はその典型だ。2002年に学校完全週5日制が始まり、2003年からは「情報」と「総合学習」が新たに必修化された。
いすの長さを短くした上、さらにたくさんの人に座れと命じればどうなるか。文部科学省は思ったほど頭が良くない。
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