私の株人生

 




 

初めて株式取引をしたのは大学1年生の時だった。 経済学を学ぶなら、株のことくらい知っておけということで、 父親がお金を貸してくれ、株式取引を始めた。

 以来40年以上がたつ。 結果は、恥ずかしくて人には言えない。 中古の小さなマンションを一つ買えるくらい損をしている。 もちろん、家内には内緒(笑)。

大体、私の性格は株には向いていないようだ。 北陸人の気質で、妙に我慢強い。 だから、値下がりしても損切りができないのだ。

私は株を買うときは、社長の器を見て買う。 そして社長にほれ込んで、一度買ったらたとえ地獄まで落ちても売らない。
ソフトバンクの時がそうだった。 まだ、ソフトバンクがちっぽけな、名もなき会社だったころ、全財産をはたいてン百万円を出して買った。 2か月ほどで2000万円まで値上がりした。 しかし、まだまだ3合目と思って売らなかった。

その後、20分の1に値下がりしてしまった。 あー、山高ければ谷深し。

それでも、一蓮托生でじっと持っていればよかったのかもしれない。 そこが小心者の悲しさ。 結局、大損をして手放してしまった。

 昔は、景気循環を利用して、買った株を3倍5倍にして、ひと財産を築こうと思っていた。 しかし、景気の局面の今どの時期にいるかは後になって初めてわかることで、当事者にはわからない。 おまけに欲がからむと、なおさら判断を誤る。

でも、退職してから、少し投資スタンスが変わってきたように思う。 5%でも、10%でも利益が出れば、小刻みに利食い売りを繰り返すようになった。 会社にほれ込まず、損切りもきっぱりとできるようになった。 また、会計学の勉強を始めたことも、企業分析のうえで役に立っている。

 おかげで、少しずつ結果が出るようになった。 2013年のアベノミクス以来、黒字が続いている。 もちろん40年の株人生からすればまだ赤字だが、少しずつ損を取り戻しつつある。 まだ、勝負は終わったわけではない。

 腹八分は健康の秘訣 腹三分は株の王道。 最近、ようやくわかってきた気がする。

 

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