因果な商売

2007年03月03日

 世の中には因果な商売というものがある。英語の先生もその一つだ。英検とかTOEFLとかTOEICなどによって、 自分の英語の実力が客観的に簡単に測定されてしまうからだ。

 その点、私のような社会科の教師は気楽なものだ。そうした目安はほとんどない。せいぜいが、センター試験の問題をさらさらっと20分ほどで解いて、
「あー、1問間違えた」
「しまったー、ひっかかったあー」

などと言うのが関の山である。(それも、同僚の前ではなるべく満点を取ったなどと自慢しないに限る)。それに比べれば英語の先生はやっぱり気の毒 だ。

 英検の場合、1級、準1級、2級、準2級、3級などに等級分けされる。社会的に通用するのは準1級以上で、2級以下はたとえ持っていても履歴書にすら書かれない。

 今朝の日経新聞(2007年3月3日)によると、文部科学省が英語の先生に最低限要求しているのは、英検準1級(またはTOEFL550点以上、TOEIC730点以上)である。ところが、そうした 資格を取得しているのは、中学校で24.8%高校で48.4%であるという。

 この数値を見て、あまりの低さに唖然とした。しかし、考えてみれば、準1級の力もない人が英語の採用試験を通るとは思われない。だから、本当は実力がありながら単に受けていないだけだろうと思 う。まさか、自分の本当の英語力を知ることが怖くて受験しないわけではあるまい。

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