引っ越し と書斎の本

 

 17年間住んだ堺市の泉北ニュータウンから大阪駅近くのマンションに引っ越した。2007年のことである。マンションの収納スペースは限られている。そこで、この際、不要なものをすべて処分することにした。昨年からずいぶん捨ててきたが、それでも何一つ不自由を感じないから、よほどガラクタを抱え込んでいたのだろう。

 最後に残ったのが、書斎の本である。昔、大学の先生の家に遊びに行ったら、書斎に天井まで届く造り付けの本棚があった。それ以来、同じような書斎を手に入れることが私の夢となった。15年前念願の書斎 (11畳)を増築し、それからはここが私の城となった。

 その後、本はたまりにたまった。1年間に100冊のペースで読むとして、30年間で3000冊。実際は読んでない本もあるから、4〜5000冊くらいは買ったかも知れない。

 新しいマンションにこれらの本を置く場所はない。一部は古本として売ったが、1000冊近く売って2万4千円にしかならなかった。たとえ買ったときは1冊5千円しようと、買い手が少なければ2〜30円にしかならない 。もっとも、本の大半は線を引いてあるので売り物にはならないのだが。下の写真は、捨てることにした本の一部である。これで300冊くらいあろう

 本には捨て方がある。まず、絶対に要らないと思われる本を捨てる。その後2〜3日すると、残った本の中から、また相対的に不必要と思われる本が目につく。そこで、 また捨てる。こうした作業を何回か繰り返す。しかし、それでも捨てられない本がある。
1.過去に強烈な影響を与えた本。
2.授業で使える写真・データ・古典・資料的価値のある本。
3.まだ読んでない本。

の3種類である。

 1冊1冊の本には、それぞれ思い出と愛着がある。しかし、未練がましく思っても仕方がない。結局、3000〜4000冊は処分しただろうか。
 

エッセーに戻る

 

トップメニューに戻る