恥をさらす (2020年1月 天王寺高校PTA新聞より)

 

 恥をさらす。私の高校3年間は暗かった。入学したときは学年上位にあった成績が、卒業する頃にはビリに近かったからだ。中学校までは学校の12番を争っていたのに、いったいどうしたことか。
結局、1年間浪人をした。しかし、予備校通いを始めた最初の3か月くらいで偏差値が20近くも伸びたのには自分でも驚いた。そして、この時の体験が高校教員になって大いに役立ったのだから人生はおもしろい。

 私は「学力=勉強時間×勉強方法×素質」だと考えている。
成績が低迷している生徒の多くは勉強方法に問題がある。
予習・授業・復習にそれぞれ目的意識を持たせるだけで、成績はグーンと伸びる。すなわち、予習では「わかる」と「わからない」の区別をし、授業で「わからない」ことを解決する。そして復習によって「わかる」から「できる」へと知識を定着させる。




 この中で一番大切なのは復習である。せっかく理解しても、忘れてしまえばやらなかったのと同じである。予習と復習の割合は、勉強が低迷している人ほど復習に時間をかける(例えば予習3、復習7)。その際「その日のうちに覚える」ということがポイントである。勉強のできる人とできない人の差は、テスト前に詰め込むか、毎日覚えるかの差であるといってよい。
ちなみに、私のおススメの復習方法は、覚えたことを「何も見ないで」「真っ白い紙に書き出してみる」という方法である。これを毎日繰り返すとみるみるうちに成績が上昇する。

 高校時代に不登校に陥った生徒を励まし続け、のちにテレビや講演活動に活躍するようになった卒業生がいる。その卒業生とは今もFBで連絡を取りあっている。そうした成長した姿を見ていると、教員になって本当に良かったと思う昨今である。

追記 学習方法については私のホームページに詳しく書いています。「南英世」で検索してください。その一部はNHKEテレでも放送されました。)




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