日米貿易摩擦

2000年2月

 

ジャイアンとスネ夫
 今のアメリカは「ドラえもん」のジャイアンみたいな存在である。ジャイアンは力が強い。力にものを言わせて、スネ夫に「金を貸せ」と要求する。
 スネ夫は日頃からジャイアンには世話になっているので断れず、渋々金を貸す。ジャイアンはそのお金で、スネ夫の家にある自動車やテレビやビデオなどを買いまくる。そうしてすっかりお金を使い果たしたジャイアンは、再びスネ夫に借金を申し込む。

 こうしたことを繰り返したあげく、ある日、スネ夫に対する借金の山(=財政赤字)と、これまでに支払った巨額の支払い代金の山(=貿易赤字)の大きさに愕然とする。 今の日米関係をたとえると、ちょうどこんな感じになるのではないだろうか。もちろんアメリカがジャイアンで、日本はスネ夫である。

 

ドルの垂れ流し
 アメリカのホワイトハウスから約1キロほど行ったところにドルの印刷所がある。現在印刷されているドル紙幣の半分以上は海外で流通しているといわれる。アメリカは輪転機を回せばいくらでもドルを手にすることができる。そのドルで、海外からいくらでも輸入できる。一方、国債を発行して借金をすることもできる。今やアメリカは世界最大の借金国で借金の総額は約一兆ドル(=約百兆円)にものぼる。

 いくら軍事力が強いとはいえ、外国から借金をして贅沢をすると言う生活がいつまでも続くはずがない。その借金をいったいどうするつもりなのか。まさか、プラザ合意のときにやったように、ドル安にして借金を目減りさせ、実質的に踏み倒そうとしているのではないでしょうね。 

 

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