04.献花の如く、それは

宇宙に、無数に煌く、閃光。

それはまるで、花火のよう。

この宇宙に散った魂に捧げる、鎮魂の花。

馬鹿げた妄想だ。

これが、そんなものになりはしない。

あえて言うなら、生きた人間が呼んだ、妄執だ。

ただ、無理やりに、引き金をひく理由をこじつけている。

どれほどの血が流れようと、死んだ人間は戻らない。

彼らが望んだのは、敵の血か? それとも平和か

多くの人間は、心安らかに、悲しみなどない平和な世界を望んでいる。

圧倒的多数の人間がそれを望んでいるのに、一握りの策略に踊らされる。

声を限りに叫んでも、誰一人として、振り返ってはくれない。

何と言う世の中なのだろう。

だから、正義はその形を歪める。

「悪、だとは言わない」

彼の望みが、歪んだ平和だとしても。

「ただ、僕は、賛同できない。その声に、ほんの少しでも耳を傾けて欲しいだけ」

悲しげなキラの声が、ドック内に響く。

アスランはただ、それを静かに聴いていた。

「見た目だけでも平和になればいいの? その為に、誰かを利用して、多くの血を流して、犠牲がつきものだなんて、軽く言ってほしくない」

「絶望が、妄執を呼ぶ」

アスランが静かに口を開いた。

「妄執に囚われた人間は、そう簡単に抜け出せない」

キラは瞼を閉じた。

切なげに、表情を歪める。

アスランが言った言葉が、何を意味するのか、知っているから。

彼が、考え直して欲しいと切に願った人間は、最悪の結末を迎えた。

ただ願ったのは、息子として、ほんの少しでもその声に耳を傾けて欲しいだけだったのに。

「キラ。たとえそれが悪だと言われても、お前だけは必ず守る」

「アスラン……」

「だから、説得しようなんて、考えるな」

最後の戦いは、近い。

この世界では、自分の願いを叶えるためには、力しか、ないんだね……

宇宙に、無数に煌く、閃光。

それはまるで、花火のよう。

この宇宙に散った魂に捧げる、鎮魂の花。

ただ、圧倒的な力で人の命を奪う光。

けれど、今という狂った世界では、それは献花の如く、煌く。

お題配布サイトさまよりお題を頂戴して、

拍手お礼小話とさせて頂いております。

分かり辛くてごめんなさいっ(><)パート4

種D、共闘編の最終に近し?←おいおい

議長の思惑を知ったあとの、二人の感想っぽく。

いやもう、記憶が曖昧に……(滝汗)

種は何かと確認できるものがあるんですが、種Dは……。

どこでどんな状況で二人が話しをしているのかは、ご想像にお任せということで。

少しでも楽しんで頂けたなら、幸いです。

種は更新停止中ですいません。

それでも応援くださる皆様に、感謝を込めて。

本当に、ありがとうございます。

  2006.12.28 UP