日本鉄鋼協会 材料の組織と特性部会,評価・分析・解析部会 シンポジウム
「鉄鋼中の軽元素 — 古典的課題への新しいアプローチ」


趣旨

2015年3月に発足した「鉄鋼のマルテンサイト/ベイナイト変態の基礎」自主フォーラムは,近年これらの相変態が特に高強度鋼板の分野で目覚ましく進展していることをふまえ,その基礎と応用に関する研究の現状を共通認識し,個々の研究シーズの紹介と討論をおこなってきました.追って2016年3月に発足した「鉄鋼中の軽元素と材料組織および特性」研究会は,組織形成と力学特性におけるB, C, Nの機能を明らかにすること目的として,先端的微細組織解析や第一原理計算などを活用して鉄中のこれら軽元素の存在状態と拡散挙動に関する重要な課題に取り組んでいます.今回は共通する部分が多い両グループで合同でシンポジウムを開催して,解決すべき問題は何かを論じ,新しいアプローチによる新しい知見を学び,今後の課題を考えます.

日時

2017年3月17日(金) 9:10 – 16:15

場所

首都大学東京 南大沢キャンパス 日本鉄鋼協会講演大会 会場16(6号館101)

プログラム

9:10開会挨拶
自主フォーラム「鉄鋼のマルテンサイト/ベイナイト変態の基礎」座長 古原 忠(東北大)
セッション1
9:15Fe-Cマルテンサイトにおける未解決問題:軸比決定メカニズムの第一原理計算によるアプローチ (25+10)
大塚秀幸,Zhufeng Hou(物材機構),津﨑兼彰(九大)
9:50低合金鋼のベイナイト変態における未解決問題:結晶学的拘束および炭素分配 (25+10)
古原 忠,金下武士,宮本吾郎(東北大)
10:25— 休憩 (10) —
セッション2
10:25鉄鋼水素脆化における未解決課題:γ相安定性の影響とマルテンサイト変態時の水素分配 (25+10)
津﨑兼彰,小山元道(九大)
11:10マルテンサイトの強度と変形を支配する諸因子:転位密度と転位分布に着目して (25+10)
土山聡宏,赤間大地,高木節雄(九大)
11:45— 昼休み (75) —
セッション3
13:00[依頼講演]顕微メスバウア分光による鉄鋼材料中の炭素原子の挙動 (25+10)
吉田 豊,藤田浩享,久保 紘(静岡理工科大),田畑進一郎,丸山直紀(新日鐵住金)
13:35ひずみ時効現象における従来知見と研究課題 (18+7)
小野義彦(JFEスチール)
14:00[依頼講演]鉄中の転位:第一原理計算による新知見 (25+10)
板倉充洋,山口正剛(原子力機構)
14:35— 休憩 (5) —
セッション4
14:40C/Nと溶質原子の相互作用:実験的アプローチ (18+7)
宮本吾郎,張 咏杰,古原 忠(東北大)
15:05C/Nと溶質原子の相互作用:理論的アプローチ (18+7)
上杉徳照(大阪府大)
15:30B–Ti原子間相互作用と組織形成:BによるTi添加極低炭素冷延鋼板の再結晶抑制機構 (25+10)
芳賀 純,澤田英明,高橋 淳,潮田浩作(新日鐵住金)
16:05総合討論・総括 (10)
16:15閉会挨拶
研究会「鉄鋼中の軽元素と材料組織および特性」主査 沼倉 宏(大阪府大)

参加者

130人
内訳:自主フォーラムメンバー16人,軽元素研究会メンバー21人(うち5人は両方のメンバー),依頼講演者3人,一般参加者95人


更新 2017年3月22日