063 通潤用水と白糸台地の棚田景観
山都町は、九州のほぼ中央部に位置し、世界最大級のカルデラ地形を呈する阿蘇南外輪山のほぼ全域を占める。町域の南側は天然性の広葉樹林が発達した九州山地が広がり、緑川が東西に貫流している。緑川以北の地質は阿蘇火砕流堆積物で、外輪山山頂を水源とする小河川の浸食が開析谷と火砕流台地を形成している。山都町中心部の浜町の南方に位置する白糸台地もこの一つであり、四方を河川が囲繞しているため、古くから河川を利用した流通・往来の中心地として栄えてきた。その一方で峡谷が深く農業用水に困窮する地形条件から、近世後期において通潤橋を伴う大規模な基盤整備事業を実施することとなった。通潤用水の建設と棚田の築造は、近世後期に実施された地域主導の開発事業の中で、技術的難易度、規模などの観点から我が国における最大級のものである。
通潤橋は安政元年 (1854) の建造になる石造単アーチ橋で、重要文化財に指定されている。
「通潤用水と白糸台地の棚田景観」は、通潤用水とこれに伴って築造された棚田が、地域の農耕活動によって現在に至るまで維持されてきた重要な文化的景観である。
参考資料:国指定文化財等DB(文化庁) 
2023-7-6
通潤橋付近 (撮影:2002-2) 通潤橋付近 (撮影:2002-2)
       
       
       
       
        重要文化的景観 ~通潤用水と白糸台地の棚田景観~
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