文化遺産の内容 富士山は,標高3,776mの円錐成層火山で,極めて秀麗な山容を持つ日本の最高峰である。 山を遙拝する山麓に社殿が建てられ,後に富士山本宮浅間大社や北口本宮浅間神社が成立した。平安時代から中世にかけては修験の道場として繁栄したが,近世には江戸とその近郊に富士講が組織され,多くの民衆が富士禅定を目的として大規模な登拝活動を展開した。このような日本独特の山岳民衆信仰に基づく登山の様式は現在でも命脈を保っており,特に夏季を中心として訪れる多くの登山客とともに,富士登山の特徴をなしている。葛飾北斎による『富嶽三十六景』などの多くの絵画作品に描かれたほか,『万葉集』や『古今和歌集』などにも富士山を詠った多くの和歌が残されている。 このように,富士山は秀麗な山容を持つ日本の最高峰であり、信仰の対象と芸術の源泉として,また,文学の諸活動に関連する文化的景観として世界的な意義を持つことから,2013年に世界文化遺産に登録された。 富士山は20の都府県から望むことができるともいわれますが、いろんな方向から撮った写真を末尾に載せました。 天地の分れし時ゆ 神さびて 高く貴き駿河なる 不士(ふじ)の高嶺を 天の原振りさけ見れば 渡る日の影も隠らひ 照る月の光も見えず 白雲もい行きはばかり 時じくそ雪は降りける 語り継ぎ言ひ継ぎ行かむ 不尽の高嶺は 反歌 田子の浦ゆ 打ち出でて見れは ま白にぞ 不尽の高嶺に 雪は降りける 山部赤人 ー万葉集巻三317・318- 参考資料:国指定文化財等DB 2023-6-22 |
構成資産 富士山域(山頂の信仰遺跡群,大宮・村山口登山道,須山口登山道,須走口登山道,吉田口登山道,北口本宮冨士浅間神社,西湖,精進湖,本栖湖),富士山本宮浅間大社,山宮浅間神社,村山浅間神社,須山浅間神社,冨士浅間神社(須走浅間神社),河口浅間神社,冨士御室浅間神社,御師住宅(旧外川家住宅),御師住宅(小佐野家住宅),山中湖,河口湖,忍野八海(出口池),忍野八海(お釜池),忍野八海(底抜池),忍野八海(銚子池),忍野八海(湧池),忍野八海(濁池),忍野八海(鏡池),忍野八海(菖蒲池),船津胎内樹型,吉田胎内樹型,人穴富士講遺跡,白糸ノ滝,三保松原 |
世界文化遺産~富士山-信仰の対象と芸術の源泉-~ |