日本建築-門の種類
       
       
       
       
文化財建造物ガイド目次
     文化財建造物ガイド
種 類 特徴等
1.形式による種類
棟門
(むなもん) 
本柱(ほんばしら)2本で控柱(ひかえばしら)がなく、切妻造、平入の門。むねもん、むなかどともいう。
四脚門
(しきゃくもん)
2本の本柱の前後に4本のそで柱を設けて、屋根を切妻造とし、檜皮葺(ひわだぶき)、本瓦葺などで葺いた形式の門。よつあしもん。
八脚門
(はっきゃくもん)
4本の本柱と前後に設けられた8本の控柱によって構成される形式の門。やつあしもん。
唐門(からもん)  唐破風造(からはふづくり)の屋根の門。
平唐門(ひらからもん)は側面両妻に唐破風が付けられた形式の唐門、向唐門(むかいからもん)は門の正・背面に唐破風が付けられた形式の唐門。
上げ土門
(あげつちもん) 
屋根の上を平らにして土をのせた門。平安・室町時代の住宅に用いた。のちには土を上げずに形式のみをとったものができた。
薬医門
(やくいもん) 
本柱の後方に控柱2本を建て、切妻屋根をかけた門。大規模なものは、本柱、控柱とも4本とする。 
平門(ひらもん)  柱を2本立てて、その上に屋根を平におおった門。ひらかど。 
木戸門(きどもん)  木戸を構えた普通の家の門。腕木門(うでぎもん)ともいう。 
塀重門
(へいじゅうもん) 
表門と庭との間にある塀に設けられた門。 
冠木門(かぶきもん)  冠木(かぶき)を2本の柱の上方に渡した屋根のない門。 
楼門(ろうもん)  2階造りの門。特に初重に屋根がなく、1重屋根のもの。 
二重門(にじゅうもん)  2階造りの門で、2層とも屋根をつけた門。
三門
さんもん) 
禅宗寺院に設けられる門。三解脱門(空門、無相門、無作門)にたとえてこのように呼ばれる。 
長屋門(ながやもん)  江戸時代の大名、旗本、家老などの屋敷に見られる門形式の一つで、家臣の居所としての長屋の一部に門が設けられているもの。
高麗門(こうらいもん)  普通の屋根以外に、左右の控柱の上にも屋根がある門。城郭の門に多い。 
土門(つちもん)  左右が築地(ついじ)で屋根のない門。 
埋み門(うずみもん)  城の石垣・築地・土塀などの下方に設けた小門。 
櫓門(やぐらもん)  渡櫓門(わたりやぐらもん)の略。城の枡形(ますがた)にあって、櫓の下に開かれた門。 
2.位置による種類 
総門・惣門(そうもん) 屋敷や境内などの正式の入口の最初に設けられている大門の総称。
大門(おおもん) 屋敷や境内などの第一の表門。だいもん。
中門(ちゅうもん) 寺院で、回廊正面に開かれた南大門の次にある門。
表門(おもてもん)  屋敷や境内などの表口にある門。正門。 
裏門(うらもん)  裏手にある門。後門(こうもん)。 
正門(せいもん)  正面の門。 
大手門(おおてもん)  城の正門。 
3.方位による種類 
東門(とうもん) 城郭・仏寺などで東方にある門。
西門 城郭・仏寺などで西方にある門。
南門 城郭・仏寺などで南方にある門。
北門 城郭・仏寺などで北方にある門。
南大門(なんだいもん) 城郭・仏寺などで南方にある正門。
朱雀門(すざくもん) 平城京・平安京大内裏の外郭十二門の一。宮城南面中央にある正門。朱雀大路から宮城に入る入口。
4.特殊な機能を持つもの 
御幸門(みゆきもん) 天皇の行幸に際して、その出入り専用の門。
御成門(おなりもん) 皇族・摂家・将軍などの御成り専用の門。
勅使門(ちょくしもん) 勅使参向の際、その出入に使用する門。
二天門(にてんもん) 仁王門。また、仁王のかわりに四天王中の二天の像を安置した門。 
仁王門(におうもん) 仁王の像を左右に安置した社寺の門。
随身門(ずいじんもん) 神社や廟で左右に門守神(かどもりのかみ)としての隋身像を置くのでこう称される。
御守殿門
(ごしゅでんもん) 
江戸時代、三位以上の大名に嫁した将軍の女(むすめ)、またはその住居を御守殿と敬称し、御守殿の格式のみに許された門の形式。全部朱塗りで、黒色の金物を用い、左右に唐破風の番所を設けた薬医門。