尊經閣文庫門及び塀

特徴等

初代加賀藩主・前田利家は尾張(現愛知県)の出身で、秀吉から加賀国(現石川県)2郡を与えられたが、次第に周辺に領地を広げ、ついに加賀・能登・越中3ヵ国120万石、徳川家に次ぐ有力大名となった。歴代藩主は文化事業に深い関心を寄せ、美術骨童品や書籍の収集にも力をそそぎ、新井白石をもって「加賀は天下の書府なり」といわしめた。前田家伝来の文化財を保存し後世に伝えていくために、第16代当主前田利為は大正15年(1926)に育徳財団を設立、本邸の駒場移転に合わせて、敷地の一郭に収集品を収蔵・公開するための施設・尊經閣文庫を建設した。本邸正門の近くに別の門を開き、中央に図書閲覧所、南側に防火を考慮した鉄筋コンクリート造3階建の書庫と貴重庫が並ぶ。
門は、門柱を鉄筋コンクリート造、凝灰岩張とし、鉄扉を設け、敷地の北辺、旧前田家本邸門衛所の西に開かれている。塀は鉄筋コンクリート造、壁体はスクラッチ・タイル張で、門の左右から延びて敷地の北面と西面を護っている。
参考資料：国指定文化財等DB(文化庁)／前田育徳会HP
2018-9-30

名称		年代	構造等
尊經閣文庫門及び塀		昭和3年 (1928)	門：鉄筋コンクリート造、門柱間3.9ｍ塀：鉄筋コンクリート造、延長23.4ｍ

門	門
尊經閣文庫門及び塀 (撮影：2003-12)	尊經閣文庫門及び塀 (撮影：2003-12)

塀	塀
尊經閣文庫門及び塀 (撮影：2004-8)	尊經閣文庫門及び塀 (撮影：2004-8)