特徴等
東大寺は天平17年(745)、聖武天皇によって創建された寺院で、古代より多くの参詣客を集めてきた名刹である。中世以降、2度の兵火により多くの建物を焼失したが、草創当初の法華堂、転害門、本坊経庫及び正倉院正倉が現存し、その他の諸堂とともに、天平のたたずまいを今に伝えている。
二月堂閼伽井屋 (あかいや) は桁行3間・梁間2間、1重、切妻造、本瓦葺の建物で、二月堂の西に建っている。屋内に井戸があり、修二会に際し毎年3月12日(13日午前1時過ぎ)に井戸より本尊11面観世音菩薩にお供えする御香水 (おこうずい) を汲む儀式を行う所である。天平勝宝4年(752)、実忠和尚が十一面悔過法要中に、全国の神名を唱えて勧請したが、若狭の国の遠敷 (おにう) 明神だけが遠敷川で魚を取っていたために勧請に遅れ、そのわびとして、明神が「遠敷川から水を送る」と言い、霊水・閼伽井水が湧き出たという伝説が残るところから、「若狭井 (わかさい)」とも呼ばれる。また、この御香水を汲み上げる儀式から、「お水取り」が修二会の代名詞にもなっている。
参考資料:現地の説明板(東大寺)/2010年奈良の実景 (奈良県website)/国指定文化財等DB(文化庁)
2019-8-8
番号-名称 年 代   構造等
054 東大寺二月堂閼伽井屋
(若狭井屋)
鎌倉後期(1275-1332) 桁行三間、梁間二間、一重、切妻造、本瓦葺
     
     
       
       
東大寺二月堂閼伽井屋 (若狭井屋)
(撮影:2006-12)
       
       
       
       
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    奈良県の重要文化財建造物      2018-2-9 現在
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東大寺二月堂閼伽井屋 (若狭井屋)
(撮影:2009-2)
東大寺二月堂閼伽井屋 (若狭井屋)
(撮影:2006-12)