特徴等
住吉大社は日本書紀』と『古事記』に創立の説話が記されている古社で、大阪市の南西部、古くは住吉の浜として親しまれてきた風光明媚な海岸の近くに位置し、古来摂津国の一之宮として人々の崇敬を集め、親しまれてきた。本殿4棟が国宝に指定されているほか、幣殿及び渡殿、南門、石舞台など14棟の社殿が重要文化財に指定されている。
住吉大社本殿は4殿あり、すべて住吉造と呼ばれる形式かつ同一規模で造られている。いずれも西面して建ち、西から第三殿、第二殿、第一殿の順に縦に並び、第三殿の南に第四殿が配されている。奈良時代以降行われてきた式年造替は戦乱により一時途絶えたが、17世紀始めに再興され、今の本殿は文化7年(1810)の造替時のものである。社殿は切妻造、妻入で、屋根に反りがなく、柱はすべて丸柱で礎石上に立ち、前後二室からなる独特の平面をもつ。正面および前後二室の中間に大きな板扉を開き、他は板壁である。仏教伝来前の上代神社建築の姿を今に伝えるものとして国宝に指定されている。
各本殿の前面には渡殿を介して幣殿を付属する。各幣殿及び渡殿は焼失後の文化7年(1810)再建にかかるものであるが、創建は、第一殿の幣殿が中世以前、他の三殿の幣殿は慶長度造替(1607)以後であると見られている。
第一殿の幣殿は、桁行五間、梁間二間、切妻造、正面千鳥破風及び軒唐破風付、檜皮葺で、甍棟を積む。平面は割拝殿形式で、正面中央間を拭板敷の馬道とし、左右に二間四方の部屋を配する。両室の三面に切目縁を廻らし、背面に脇障子をてる。 渡殿は「間ノ廊下」とも呼ばれ、桁行二間、梁間一間、両下造、檜皮葺で、幣殿の馬道を伸ばして廊下とし、中間に角柱の鳥居を建てる。第二殿・第三殿及び第四殿の幣殿は、桁行三間、梁間二間、切妻造、正面千鳥破風及び軒唐破風付、檜皮葺で、甍棟を積む。幣殿の左右室が狭くなるほかは、渡殿も含めて第一殿と同様の構成になる。
参考資料:国指定文化財等DB(文化庁)/住吉大社HP
2020-2-27
番号・名称 年 代   構造等
住吉大社本殿
(第一殿) (国宝)
文化7年
(1810)
住吉造、檜皮葺
住吉大社幣殿及び渡殿
(第一殿
文化7年
(1810)
幣殿:桁行五間、梁間二間、一重、切妻造、正面千鳥破風及び軒唐破風付、檜皮葺 渡殿:桁行二間、梁間一間、両下造、檜皮葺、鳥居付
       
       
       
       
住吉大社幣殿及び渡殿(第一殿)
(撮影:2022-11)
住吉大社幣殿及び渡殿(第一殿)
(撮影:2007-3)
住吉大社本殿(第一殿)
(撮影:2007-3)
住吉大社本殿(第一殿)
(撮影:2007-3)
       
       
       
       
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