特徴等
丹生都比売神社 (にうつひめじんじゃ) は今から千七百年前に創建されたと伝わる古社で、紀ノ川より紀伊山地に入った標高450mの天野の里に鎮座している。天野の里は白洲正子の「かくれ里」にも出てくる静かな山里で、当社はその境内が国の史跡に指定されるとともに、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」を構成する資産の一つにもなっている。古来、高野山との関係が深く、神仏習合の時代があったが、明治初年の神仏分離令により仏教関連施設は悉く撤去され現在の姿となった。
本殿は4棟あり、向かって右から左に、第一殿から第四殿が並んで建っている。現在の建物は第四殿が文明元年(1469)の建立で最も古く、第三殿が明治34年(1901) の建立と最も新しい。いずれも一間社春日造、檜皮葺で、朱塗りに彫刻と彩色を施した壮麗な社殿である。各社殿には、次の祭神が祀られている。
 第一殿:丹生都比売大神(にうつひめのおおかみ)(通称は丹生明神)
 第二殿:高野御子大神(こうやみこのおおかみ)(通称は狩場明神または高野明神)
 第三殿:大食都比売大神(おおげつひめのおおかみ)(通称は気比明神)
 第四殿:市杵島比売大神(いちきしまひめのおおかみ)(通称は厳島明神)
敦賀国の気比明神及び安芸国の厳島明神は、鎌倉時代に行勝上人により勧請されて合祀されるようになったという。
丹生都比売神社はその由緒書に記された創建の物語、高野山金剛峯寺との関わり、神仏習合から神仏分離への変遷、さらには近年の世界遺産への登録など、長い歴史を体現して今に伝える存在として興味が尽きない。
参考資料:国指定文化財等DB(文化庁)/丹生都比売神社HP/かつらぎ町観光協会HP
2018-6-30
丹生都比売神社本殿(第一殿)
(撮影:2010-9)
丹生都比売神社本殿(第一殿)
(撮影:2010-9)
       
       
       
       
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番号・名称 年 代   構造等
027-030 丹生都比売神社本殿第一殿~第四殿
027  第一殿 正徳5年(1715)   一間社春日造、檜皮葺 
028  第二殿  文明(1469-1486)頃  一間社春日造、檜皮葺 
029  第三殿  明治34年(1901)  一間社春日造、檜皮葺 
030  第四殿  文明元年(1469)   一間社春日造、檜皮葺  
丹生都比売神社本殿(第三殿)
(撮影:2010-9)
丹生都比売神社本殿(第四殿)
(撮影:2010-9)
丹生都比売神社本殿(第二殿)
(撮影:2010-9)
丹生都比売神社本殿(第二殿)
(撮影:2010-9)
    和歌山県の重要文化財建造物      2018-1-30 現在