特徴等
法華経寺 (ほけきょうじ) は日常上人を開山とする日蓮宗の大本山で、市川市を西北から南東に通る千葉街道 (国道14号線) の北に位置し、江戸時代頃からは街道から法華経寺に入る参道が門前町として賑わったという。境内の五重塔、四足門、祖師道及び法華堂が重要文化財に指定されており、他の諸堂とともに大本山のたたずまいを今に伝えている。
祖師堂は 宗祖日蓮聖人を祀るお堂で、最初は鎌倉時代の正中2年(1325)に上棟した小規模な五間堂であった。その後、焼失などのため幾度か再建があり、現在の祖師堂は江戸時代中期の延宝6年(1678)に上棟されたものである。建物は大きな7間堂で屋根を二つ並べたような比翼入母屋造りが特徴で、このお堂の他に比翼入母屋造の屋根を持つのは全国でも岡山県にある吉備津神社本殿だけである。堂内は正面の吹き放し外陣、内部の広い内陣、両脇の脇陣及び背面の後陣からなり、内外陣境には上部に揚格子、下方に取り外し可能な結界を入れ、また内脇陣境にも同様な結界を入れ、大きな行事の際にはこれらを開け放って堂内を広く使うことができるようになっている。これは日蓮宗の仏堂に見られる特有の形式である。祖師堂は関東地方では数少ない大型日蓮宗仏堂の典型で、その規模は当時の庶民信仰の動向を知る上での一指標として位置付けられている。
参考資料:現地の説明板(市川市教育委員会)/市川の文化遺産(市川市HP)国指定文化財等DB(文化庁)
2005-10-4
法華経寺祖師堂 (撮影:2005-7)
       
       
       
       
    千葉県の重要文化財建造物       2018-1-17 現在
法華経寺祖師堂 (撮影:2005-7) 法華経寺祖師堂 (撮影:2005-7)
番号・名称 年 代   構造等
22 法華経寺祖師堂 延宝6年
(1678)
桁行七間、梁間七間、一重、比翼入母屋造、正面向拝三間、背面向拝一間、こけら葺
       
       
       
       
リストに戻る
リストに戻る