廃村八丁(オリ谷〜衣懸坂〜尾根筋〜ダンノ峠)//北山


八丁川上流の谷間に広がる自然林は
「okaokaclub」のお気に入り



2009年10月10日 (土)曇り時々雨  哲・道


行き:北大路駅前バス停 8:02 (京都バス:出町柳 7:50発)
   − 菅原バス停
帰り:広河原バス停 17:00 − 北大路駅前バス停



コース:
菅原バス停〜オリ谷分岐〜林道終点〜支谷分岐〜衣懸坂〜P847/ソトバ峠分岐〜P820小ピーク分岐〜尾根筋〜廃村八丁の廃屋〜神社〜八丁広場(土蔵址)〜四郎五郎峠分岐〜四郎五郎峠〜ダンノ峠〜菅原バス停











 

 okaokaclubの親睦会で小てつさんが言っていた、「廃村八丁のお宮さんが崩れているので 何とかしなくちゃ」と。今日は久しぶりに八丁へ出かけ、「お宮の様子を 伺おう」と言うことになる。

 北大路バス停前から広河原行きのバスに乗ると、満席で座れず「残念」と思っていたら、一つだけ空いていたので道子が座る。哲郎の前に座っている男性達は、小野村割岳の地図を出して「この尾根は どうなんだろう」なんて言っているので、一言説明したいところだが、「彼らの 冒険心に水を差す」と我慢することにして、すぐに降りてくれそうな人のそばに移動する。鞍馬までに座れて「やれやれ」の哲郎、バスは秋の花背の集落を抜けて行く。

 菅原バス停で2人の男性組とともに降り、彼らはすぐにダンノ峠へと歩き出す。我々は橋の上で、暖かい日差しを受けながら、ゆっくりと準備する。10分もたっただろうか、ホトケ谷に沿ってゆっくりと歩き始める。いつも「ワンワン」と元気な犬もいなく、静かな集落を歩いて行く。オリ谷とホトケ谷分岐で左にとり、今日はオリ谷の林道を歩き始める。

オリ谷とホトケ谷分岐で左にとる 林道終点からすぐの谷を渡る

 すぐのワイヤーの車止めを過ぎると植林地へ入り、谷沿いを歩く。先日の台風18号で落ちた杉の葉が路面に散らばり、いつもと違った光景を目にする。今朝まで降っていたのであろう、ぬかるんだ道は歩きにくい。先週新調した2人の靴、「どろんこ道では かわいそう」と固い所を選んで歩くことになる。

 林道終点から谷に降り顔を洗う。谷のどちらの岸を歩いたかを覚えていないので、歩き良い所を見つけて歩くことになる。以前、雨の降るオリ谷でヒルの大群に出合ったので、ヒルよけを十分に噴霧して、2人は歩き始める。林道終点からすぐの谷を渡り、まずは左岸を歩く。草の多い所は速足で進み、行き当たったら対岸へ渡渉する。小さな谷だが今日は水量が多く、簡単には渡れない。

 そのうち左から合流する支流に出合うが、水量が多いので間違って進まないよう注意が必要だ。谷間が広くなったり狭くなったりする谷を、何度も何度も渡渉しながら植林地を歩いて行くのだが、この谷では何故か「植林地の中」と言う感じがしなくて、谷を楽しむことが出来る。

小さな谷だが今日は水量が多い 「これはあかん」と2人は
急坂を急ぎ足で登って行く

 やっと左手から落ちてくる小さな谷の分岐に出合い、この谷沿いに進むことになる。少し上を見上げると谷沿いに草むらが続き、ここを少し登って、右手の斜面にある登山道に取り付くが、歩きにくいので谷の中を歩く。折り返し地点で足元を見ると、小さなヒルがスパッツに付いているので、これたを退治する。「まだまだ いるのか しつこいやつや!」と登山道を登り始め、すぐの植林地の中をジグザグに登って行く。

 途中でチェックすると、哲郎は手の甲に、道子は腕をやられ、血が流れていく。「これはあかん」と2人は急坂を急ぎ足で登って行く。最後はさらに急なヒノキの植林地を登り切り、やっと衣懸坂へ着く。下の林道に降り、消毒をしてバンドエイドを貼り、小休止とする。「あれー 雨や!」と少し降り始めたので、急いで斜面を登り尾根に取り付く。

やっと衣懸坂へ着く 下の林道に降り、小休止とする

 この尾根は衣懸坂からダンノ峠へ向かっていて、P847までは植林地の中をゆっくりと登って行く。一登りしたP847から左(西)に折れ、ソトバ峠への支尾根に入る。ピークから下って行くと、左手に雑木が続き、「ソトバ峠の紅葉は きれいやったな〜」と思い出す。今日はソトバ峠へ向かわず、八丁への尾根を楽しむので、途中の標高820mの分岐で右(北)にとる。ここに小さな標識があり、これから歩く尾根コースは【悪路】と書いてある。

「ソトバ峠の紅葉は きれいやったな〜」と 標高820mの小さな標識に
↑廃村八丁【悪路】と

 尾根は緩やかに下って行くが、左右が植林で緑は少ない。地形図によると途中に小さなピークがたくさんあり「クネクネ曲がっているので 飽きないだろう」と思うが、歩きやすい尾根に赤や黄色のテープが続き「少々 面白くない」と哲郎。哲郎は地形図を見ながら進んでいるが、分岐もなく迷うこともない尾根、先を行く道子はどんどん進んで行く。

流れるような一本の尾根 八丁に近づくとKGCの標識が

 尾根が西寄りに変わると、シャクナゲの木が増え、「八丁周辺は シャクナゲが多いな〜」と通り過ぎるが、花芽は少ないようだ。尾根は南へ変わるが、流れるような一本の尾根なので、その変化は余り感じない。標高700m付近までくると、右下に八丁の広場にある建物が見え、下から人の声が聞こえてくる。標高700mを切ると尾根は西へ向き、どんどん下り始め谷の音もしだいに大きくなる。

木立の間から建物が見えてくる どうやら屋根が崩れ下の社が
傾いているようだ

 木立の間から建物が見えてきて最後は廃屋を見下ろしながら、急坂を下って行く。小休止後、土蔵のあった広場へと歩き始める。すぐの八丁川、水量が多く渡渉地点を探すことになる。何とか渡り川沿いの植林地を抜ける頃、目の前にお宮への階段が見えてくる。くの字に登って行くと、小広場には宮があり、「こ〜なって いるのか!」と小さなお宮を一周する。どうやら屋根が崩れ下の社が傾いているようだ。お宮の調査を終え、土蔵址への広場へと川を渡る。ここも水量が多くて、登山道の渡渉ポイントでは渡れないので、少し上流に行き渡り、広場で遅い昼食とする。

広場で遅い昼食とする 四郎五郎峠コースを選択する

 先ほどまで聞こえていた人声、彼らは何処へ行ったのやら、静寂の漂う八丁でしばらく時を流す。「あれ!また降ってきた」「大降りにならないうちに」と腰を上げ菅原へと歩き出す。すぐに渡渉することになるが、ここは川幅が広く浅いので難なく渡ることが出来る。滝コースへの分岐に着くが「今日は八丁川の水量が多いから」と四郎五郎峠コースを選択する。感じの良い谷間が続き心地よい所だが、四郎五郎谷も何度も渡渉することになる。

大きなトチノキのある分岐を右に 四郎五郎峠で一休み

 大きなトチノキのある分岐を右にとり、峠の取り付きに着く。標高差100mもあるジグザグの登り、そろそろ疲れてきた二人はユックリと登って行き、峠で一休みして八丁川へと下って行く。植林地を抜け川を渡ると、そこには自然林が広がり「ここの河原は、いつ来ても心地よい!」といいつつ、ユックリとダンノ峠へ向う。ダンノ峠からの下り、別に急ぐことも無いのに、何故か速足で下りて行く。

「ここの河原は、いつ来ても心地よい!」と 菅原に着く

 菅原に着き、道の乾いた所で後始末、靴やストックを洗いバス停へ向かうと、丁度やって来た広河原行きのバスに乗り、17時のバスまでユックリと庄兵衛さんでくつろぐことにする。帰りのバスはいつまでも2人きりで「小野村割岳や廃村八丁へ向かった人々は 14時のバスで帰ったのやろか?」「忙しい山行きやな〜」と思ってしまう。

 車窓からの景色も段々暗くなっていき、秋の深まりを感じる哲郎だが、横で熟睡の道子を乗せ、バスはいつものように花背の集落を抜けて行く。








また、岩から数々の流れを出し、
水を川のように流された。

詩篇 【 78−16 】
17時のバスまでユックリと
庄兵衛さんでくつろぐことにする