愛宕山(猪ケ谷〜砥石谷)//北山


猪ケ谷の古道はゴロゴロ石と打ち枝で歩きにくい



2009.12.26 (土) 晴れ  哲、道





行き:JR京都 8:09 - JR保津峡
帰り:清滝 15:38 - 阪急嵐山(周遊シャトルバス)



コース:
JR保津峡〜水尾〜猪ケ谷・岩ケ谷取付〜猪ケ谷道分岐〜(猪ケ谷古道)〜ジープ道出合〜竜ヶ岳道分岐〜芦見谷分岐〜地蔵辻〜月輪寺道分岐〜大杉谷道分岐〜砥石谷道分岐〜(砥石谷道)〜梨木大神〜月輪寺道登山口〜大杉谷道登山口〜清滝バス停


注意:
猪ケ谷道に危険な所や迷い込むようなところはありませんが、急勾配の谷沿いを歩く古道は石がゴロゴロしていて打ち落とされた枝も散乱していて歩きにくい。また谷沿いの道は数ヶ所崩壊しています。登山靴やスパッツで足元をしっかりしてお出かけください。







 毎年のように年末には、何故か愛宕山登山となる。今日は過去にHPで紹介したコースの現状調査に出かける。「猪ケ谷と砥石谷にしよう!」とJR山陰線に乗り保津峡駅を目指す。保津峡駅のホームは保津川の上にあり、まだガスっている保津川を眺め「良い感じだ」と哲郎。駅を出ると、駅前の広場には登山クラブの面々が集い挨拶を交わす。我々はすぐに水尾へと歩き始めるが、彼らは動く気配は無く「まだ仲間を待っているのか、9時45分のバスに乗るのか」と思うが、バスには1時間もあり「バスでは無いな」と言うことになる。

 水尾川に沿って歩き出し、鉄門の所で高度計(・94)を合わす。中尾根の取付を過ぎ亀岡への林道の取付で服を調節する。散策路分岐で川沿いの道へ下りて行くが、ここにも捜索願の案内版があり「またある」と言う哲郎、「駅の捜索願と違う人や!」と道子。いずれも40歳、50歳台と若く、「こんな所で」と思ってしまうが、「小さな谷でも、一人歩きの時は注意しなくては」と哲郎。比良山系でもたくさん見かけるが、もし捜索が完了していれば回収して欲しいものだ。

ガスっている保津川を眺め「良い感じだ」と 散策路を歩く/明智越分岐

 川沿いの散策路は風が冷たく、また服を調整して歩くことになる。そのうちユズ畑に出合い鈴なりのユズを見て「こんなにたくさんのユズ、ユズ風呂だけでは消費できないし、どないするのやろ!」と心配してしまう。ユズ畑を抜け水尾の集落も抜け、カーブ地点で再び高度計(・257)を再セットする。左手には再びユズ畑が広がり、その間にたくさんの赤いナンテンの実が鮮やかだ。

 ユズ畑を過ぎ植林地の中へ入って行くとすぐに水場があり、その先には猪ケ谷取付にあるカーブミラーが見える。取付に着き、準備をしながら小休止、JR保津峡駅から80分である。ここは標高325mでジープ道出合が875mだから、猪ケ谷を550m登ることになる。

ユズの間にたくさんの赤いナンテンの実 猪ケ谷/岩ケ谷取付に付く

 準備も終わり歩き始め、取付から30mも進めば分岐に出合う。岩ケ谷は直進するが猪ケ谷へは左に折れる。植林地の中左に折れ登って行くと、すぐ左手に谷が近づいて来て細い滝を見る。道はしっかりしていて、すぐに谷に沿って左岸を歩くことになる。しだいに道にゴロゴロ石が増えてきて、道子は「歩きにくい」と植林地の中を歩く。標高400mまでくると橋に出合い右岸に渡るのだが、朽ちているようなので谷の中を渡る。

道はしっかりしていて、すぐに谷に沿う 標高400mまでくると橋に出合い右岸に渡る

 右岸の道は、さらに石が増え、打ち落とされた枝がたくさん転がり歩きにくく「道とは言えないな〜」。それでも幅1mの道は谷沿いに続く。猪ケ谷は小さな滝が連続していて、滑滝のように岩盤の上を流れている。しばらく、そんな谷を右に見ながら植林地の中を登って行く。左手に大きな岩塊が続き、谷といい、岩盤といい、この付近の山は岩盤で出来ているようだ。「こんな所に植林できるなんて?不思議だな〜」。

打ち落とされた枝がたくさん転がり歩きにくい 左手に大きな岩塊が続き

 標高500m付近で7m位の滝に出合うが、その横に道があるので難なく上がることが出来るが、足元にゴロゴロ石が転がり、道子は恐いのか谷から離れて端を歩く。滝を過ぎるとすぐに橋に出合い左岸へ渡る。道子が慎重にユックリ橋を渡っているので、哲郎は谷の中を渡る。少し進むと左岸の道は谷で洗われ消失しているので、標高差40m位谷の中を歩くことになる。

道子が慎重にユックリ橋を渡っているので 左岸の道は谷で洗われ消失しているので

 右手に道が現れてきて、谷から上がって歩き始めると、前方が明るくなり朽ちたような橋を、ユックリと渡ると植林地を抜ける。ここは標高580m付近で周囲は伐採されているので明るく、赤いテープが巻かれた切り株のそばで小休止する。谷で顔を洗い歩き始めると、しばらく右岸に古道が続く。再び植林地の中に入ると道が消え谷の中を歩く。

 しばらくして河原が広がり明るくなると、左岸に古道が現れてくる。しかし、これもすぐに消え前方に雑木が広がり、瓦の欠けた砥石のような四角い石が転がる斜面を登って行く。一登りして心地よい雑木の中標高720m付近で昼食とする。「たしかこの付近だったか、オオルリソウが咲いていたのは」と周囲を探すが、この谷に野草の緑は全く無い。

四角い石が転がる斜面を登って行 心地よい雑木の中標高720m付近で昼食

 昼食後、すぐの谷分岐で左手に小さな滝を見て本流を進むと、前方が崖になっていて進めない。よく見ると右の斜面数mの所に古道があり、斜面を上がる。このちょっとした崖を越えると、再び立派な古道が現れてくる。周囲は植林地に変わり、勾配もしだいにゆるくなる。標高800mを過ぎると植林の上の方が明るくなり、稜線に近づいたことが分かる。

 所々に氷の塊を見ながら谷を詰めて行くと、谷は枯れ、東向きから北の方へ緩やかに植林地の中を登って行く。いつの間にか古道も消え、植林地の中を進んで行くと前方が開けジープ道に出合う。ここは地蔵山への取付の一つで、目の前に「←旧愛宕スキー場跡」の標識が立つ。

再び立派な古道が現れてくる 古道も消え、植林地の中を進んで行く
ジープ道に出合う

 左手に竜ヶ岳を見ながら、ジープ道を愛宕神社方面へと歩き出す。寒いので急いで歩いているとすぐに地蔵辻に着く。「砥石谷どこから下りようか?」と思案するが「月輪寺道からにしよう」と月輪寺下山口へと歩き出す。遠くの山々は霞んで今日は展望が悪い。テクテクと歩いて行くが、下山口まで予想以上にかかり「地蔵辻から下りればよかった」と思ってしまう。

 月輪寺分岐を左にとり、「歩き良い」と下って行き大杉谷道分岐を過ぎると、今日始めての登山者に出合う。大杉谷道分岐から3分で砥石谷道の下山口に着く頃、もう一人の登山者に出会う。ここは通報ポイント「月−29」を少し下った電柱「ミズオ230」の所である。早速、砥石谷道を下り始める。

ジープ道を愛宕神社方面へと歩き出す 早速砥石谷道を下り始める
心地よい雑木道の砥石谷道

 最初は斜面の細い道を下ると、すぐに広い道に変わる。前方に谷が見えて来ると右に折れ、雑木の中を下り始める。すぐにテープ群がある地蔵辻への分岐に出合うが、ここの標識に右方面が「→?」と書いてあるので「地蔵辻」と書き込む哲郎。急斜面だが心地よい雑木道を過ぎると植林地の中を下り、左手から谷の音が聞こえてくると砥石谷が見えてくる。砥石谷コースは急斜面で歩きにくいはずだが、荒れた猪ケ谷を登って来たので今日は快適だ。砥石谷に出合うと谷沿いを歩き、最後は梨木林道にある梨木大神の石碑の前に出る。

 「あ〜やれやれ」と靴やストックを洗い林道を下って行く。梨木林道では首無地蔵から下ってきた男性が「変な所を降りてきました」と言うので、哲郎がルートの説明をする。説明が終わると見る間に消えて行く彼に「速いな〜」と感心する二人。清滝でトイレに寄る道子のせいでバスに乗り遅れるが、すぐのシャトルバスとやらに乗り阪急嵐山へ向かう。「こんなバス、いつからや?」。








そのかたわらには空の鳥が住み、
枝の間でさえずっています。


詩篇 【 104−12 】
水尾のユズ「大きいな〜!」