愛宕山(愛宕道〜馬谷〜カヤノキ峠)//北山


裏愛宕の馬谷を散策する



2009.05.16 (土) 曇りのち雨  哲、道





行き:JR京都駅バス停 7:15(JRバス/周山行)− 愛宕道バス停
帰り:山城高雄バス停 14:43 − JR京都駅バス停



コース:
愛宕道バス停〜ウジウジ谷/田尻谷分岐〜廃村田尻〜馬谷分岐〜林道終点を左へ〜林道支線出合〜カヤノキ峠〜古道取付〜谷山林道16号線手前30m〜谷山林道〜清滝川出合〜(山城)高雄バス停



注意:
馬谷の林道終点からは植林地の中を歩き、カヤノキ峠までは登山道がありません。周辺には地図にない迷路のような林道支線が多くあるので、初心者だけで行かないようにして下さい。









 「京都南部は昼から雨 滋賀は雨」という予報、「明日は法事があるし・・・」と予定していた比良行きを止め、裏愛宕を散策することにする。

 JR京都駅7:15発の周山行きのバスは雨模様なのか、いつもの立命大生も少なくガラガラで発車する。高雄を過ぎ、バスは新緑の中を快適に走る。今日は車の量も少なく定刻に愛宕道バス停に着く。バスを降り、バス停のそばにある車庫前で準備をしていると、家の人が出てきて「スミマセン」と言って車を出す。「スミマセン」はこちらのようで、朝早くからお騒がします。どんより曇った天気だが、まだまだ雨は大丈夫のようだ。

 愛宕道はバス停を少し戻って右にとり、「ペンション愛宕道」の看板の道へ入る。数軒の民家を通り過ぎると、すぐに植林地の中を歩くことになり、谷沿いの道にシャガやラショウモンカズラの花を見る。「今日は雨が 心配だから」と急ぐところだが、色々と咲いている花を見ていると足は進まない。

「ペンション愛宕道」の看板 ラショウモンカズラ 花を見ていると歩は進まない
ガマズミ シャガ フタリシズカ

 ペンションを過ぎると、谷間が広くなり明るくなると、山の斜面にもう葉の広がった、たくさんのゼンマイを見る。「ゼンマイは葉が きれいだ」と言っていると、伐採地に出合い、大量のワラビの枯葉を見る。「ここを探せば ワラビがいっぱいあるやろ!」と言うものの「今日は 急がねば!」と歩を進めるが、食べ頃のワラビを見ると、つい手が出てしまう二人。「あ〜 しゃないな〜」とポリ袋とハサミを出す。それでも深入りはせず、林道から近い所だけを探しながら歩く。

ウジウジ谷分岐 ウジウジ谷
分岐の標識
道子は足元の山菜を探しながら歩く

 タカノスの分岐を過ぎると、谷は左手に変わる。川辺には白いウツギが咲き始め、右手の斜面にはガマズミだろうか、白い小さな花が咲く。ウジウジ谷分岐が近づいてくると、谷間も広がり明るくなる。今日は田尻谷を歩くので分岐を左(真ん中の道)にとる。林道は谷に沿って、しばらく東へ向いているが、そのうち南へと変わる。左手に続く尾根は「タカノスから 朝日峰へと歩いた尾根や!」と道子に言うが、道子は足元の山菜を探しながら歩く。谷にはクリンソウが点在し、春の散策を心地よくしてくれる。

谷にはクリンソウが点在 「明るい=ワラビ」だと、時々手を伸ばすが

 伐採地なのであろう、左手の山々に新緑が広がり始めると、前方が段々明るくなり、どうやら廃村田尻に近づいてきたようだ。「明るい=ワラビ」だと、時々手を伸ばすが「今日は ほどほどにしよう」と哲郎。地形図を見てもこの付近は白っぽく、広く谷間が広がっているのが分かるが「この広さ 昔は畑も あったに違いない。」でも今は平らな空地は植林で埋め尽くされ、少々もったないような気がする。集落跡には石組が残り、当時の住居を思い浮かべようとするが、住居跡の植林を見て、それをやめる。

記念碑が建った一角は苔が 集落を抜け明るい谷間

 周山にある明智光秀の城山へ行くと、お城の中にも植林がされていてガッカリしたことを思い出す。記念碑が建った一角は苔が敷かれ手入れされているが、周囲は木で埋めつくされている。集落を抜け明るい谷間を過ぎると、再び植林の中を歩くことになり、すぐに林道分岐に出合う。松尾峠へは左へとるのだが、間違うハイカーが多いのだろう標識がある。我々は右にとり馬谷へ進入する。谷も細くなり谷間も狭くなり、奥に進むほど薄暗くなってくるようだ。

右にとり馬谷へ進入する 林道分岐にある標識 馬谷を歩く
狭い谷間は雨でさらに暗くなり/馬谷上流 谷の流れがほとんどなくなる頃、林道終点に

 それでも、ちょっとした空地に周囲を塀で囲んだ小さな畑の跡がある。近くの谷に整頓された作業小屋もあり「誰か ここで住を楽しんでいるのやろか?。」11時頃に雨がポツリポツリと降り出し、レインウエアの上着を取り出す。狭い谷間は雨でさらに暗くなりうっとうしくなる。そのうち谷の流れがほとんどなくなる頃、林道終点に出合う。ここで谷は二分しているので小休止しながら先を伺う。左右どちらも歩けそうだが、登山道はなく薄い踏跡を辿ることになる。左手に古いテープを見つけ、踏跡が続いているので分岐を左にとることにする。

植林地の中に入り、水も流れていない谷間を 「え〜と この林道は どこや?」

 植林地の中に入り、水も流れていない谷間を歩いて行くのだが、倒木がなく歩きやすいので、どうやらこれがカヤノキ峠へのルートらしい。幸いなことに雨も小降りに変わり、難なく歩くことができる。そのうちに谷間がなくなり平らな斜面を登ることになるが、先方の感じから「もうすぐ 林道に出合うだろう」と思う所で、少し右に振ると、明るくなり林道に出合う。「え〜と この林道は どこや?」とこれはカヤノキ峠から朝日峰への林道ではなく、道幅が狭いので支線のようだ。地形図を見ても分からないので、左手の下って行く方へ進むことにする。また雨が降り出したので、今度は二人とも傘を取り出し林道を歩くことにする。

チェーンの車止め 馬谷から上ってきて、そのまま
直進した所から進入

 少し進むと右下に小屋が見えてきて、前方にチェーンの車止めが見えてきて「カヤノキ峠や!」と二人は喜ぶ。どうやら我々は予定通りのコースを歩いてきたようだ。カヤノキ峠からは、パイプの車止めのある道から谷山林道へ下ることができるが、前回はこれを進み、谷山林道11号橋横の支尾根に降りてしまった。今日は地形図にある16号橋へのルートを下ることにし、古道の取付を探す。

 「あったあった これや」と前回下山した道から、少し下った右手の林の中に古道の取り付きを見つける。林道からはカヤノキ峠の鞍部で一番低い所の林へ進入すればよい。(馬谷から上ってきて、そのまま直進した所。)取付には低い石柱が道の両端にあり、はっきりと道を示してくれている。道は予想以上に緩やかでしっかりしていて、道幅も広く斜面を巻いて行く。

取付には低い石柱が道の両端にある 道が崩れたガレ場に出合う

 右手の斜面に沿って下って行くと、前方からの道に出合い「これが ダルマ峠方面からの道だろう」と哲郎。ここは三叉路になっていて、下りは左にとり再びゆっくりと斜面を巻いて行く。途中で倒木が増えてきて、雨も止まないので「傘は 危ない」と道子はザックカバーを付け傘をたたむ。「なんとか歩けるだろう」と哲郎は傘を差したまま歩くことにする。道は支尾根の斜面を巻くように、ゆっくりと下って行くが、尾根の中央あたりで分岐に出合う。右手は支尾根を直下降する道のようなので進入を止め、そのまま巻き道を進む。

 そのうち道は次の谷間に出合いUターンする。どうやらこの道は谷と谷の間の支尾根を大きくジグザグに下っているようだ。下って行くと、倒木はあるものの歩きやすい道が続き、次の谷で折り返す。「この道は 緩やかで素晴らしい」と言っていると、目の前に道が崩れたガレ場に出合う。支尾根の中央辺りだが、小さな谷が崩れている。足を進めると土砂が下に流れるので、ゆっくり慎重に渡る。難所を通り過ぎ、ジグザグの左右の振りも小さくなる頃、木々の間から下の谷山林道が見えてくる。

「あ〜やれやれ」と林道に降り立つ そこは16号橋手前30mの所

 「あ〜やれやれ」と林道に降り立つと、そこは16号橋手前30mの所(工事用の赤いカラーコーンが目印に置いてある)であり、地形図の破線の位置と同じ所である。「お昼にしよう!」と目の前の16号橋にある作業小屋を借り昼食とする。「雨が止んでくれない」と昼食後は二人とも傘を差して谷山林道を下り始める。

頭上のピンクのタニウツギを見る ゆっくりと高雄へと向かう

 「もう 咲いているんや」と頭上のピンクのタニウツギを見る。「あるある」と点々とあるワラビを摘みながら、ゆっくりと下って行く。途中何度も車に出合うが「この雨の中 何処へ行くのやろ」と車の多さにビックリする。6号橋まで来て、ストックや靴を洗い小休止とする。後「2.4Km」とある谷山林道、今日は傘を差し、ゆっくりと高雄へと向かう二人、そのそばを又車が通り過ぎる。






主よ。
あなたの道を私に知らせ、
あなたの小道を
私に教えてください。


詩篇 【25−4】
ヤブデマリ