寺谷峠/灰ケ谷/桑谷山//北山


寺谷上流の林道//寺谷峠取付付近



2006.10.09 (月:祝)晴れ  哲、道





行き:北大路バス停 8:03(京都バス 830円) − 大悲山口バス停
帰り:大悲山口バス停 16:16 − 北大路バス停



コース:
大悲山口バス停〜峰定寺〜三本杉分岐〜寺谷分岐〜オコ谷分岐〜灰ケ谷分岐〜寺谷峠取付〜寺谷峠〜P796〜P790手前鞍部〜灰ケ谷支流〜林道出合〜寺谷出合〜オコ谷出合〜寺谷分岐〜峰定寺〜大悲山口バス停









 「寺谷峠へ 行ってみたい」と考えていた哲郎は、桑谷山から尾根を通って寺谷峠に行こうか、寺谷から寺谷峠〜桑谷山へ行こうか迷っていた。最後は早く目的地を達した後の自由度から、寺谷峠から桑谷山を目指すことにし出かける。

 3連休の前半荒れた天気も嘘のように快晴、雲ひとつない空を見ながら、バスは花背峠を過ぎる。「花背峠で12℃」晴れていてもひんやりする気候になってくる。眩しいような花背の鉄塔を見ながら峠を下って行くと、花背の棚田には収穫前の稲が、絵になっている。花背高原前で3グループが降りて雲取山へ向かう。「久し振りだ」と外の景色を見ていると、すぐに大悲山口バス停に着いてしまう。

 二人の男性と供にバスを降り、バス停でゆっくりと準備する。一人はハイカーで、すぐに峰定寺の道に消えて行き、もう一人は付近を散策するのであろう、ぶらぶらと歩いて行く。「ちょっと ゆっくりし過ぎた」と慌てて出発する二人。すぐの山荘前で犬の散歩か?ここの若奥さんに道子がクマの情報を収集する。「8月22日に主人が そこのバス停のカーブで親グマを そして子グマも現れたし 8月25日?には 峰定寺の奥さんが 家の庭でほん目の前でクマを見た!」と聞いて道子は心配する。お礼を言い峰定寺へと進む。

樹木の中の林道に変わる 熊が出没しました 寺谷分岐 寺谷峠へ

 桑谷山の取付を過ぎると、数件の料理旅館があり、川沿いの道も手入れされている。峰定寺前の観光トイレを借り小休止する。橋を渡たり、峰定寺の住居を後にするともう家はなく、樹木の中の林道に変わる。途中の「大悲山国有林」の立看板に「今年5月2日に職員が親子グマを見た。入林禁止」と掲示してある。先程の女将の情報と、この掲示板、道子はザックからラジオを取り出すが、壊れているのか電波がキャッチできないのか音がしない。「家では ちゃんと聞こえていたのに」と道子。仕方なくカウベルやクマよけ鈴の音をたからかに二人は歩く。

 「右三本杉」の分岐にも掲示してあり、「こんなもの見たら 誰も行かないよね〜」と道子。橋を渡たり、やっと寺谷分岐に着き小休止。いつも峰床山からの帰りに横目で見ている寺谷、初めての道はワクワクするものだ。谷沿いの林道を左へ進入すると、植林地の中だが結構谷間が広く緑も多いので「きれいな 谷だ」と心地良い歩きとなる。「きれいだと クマがいそう」と道子、早速地面の足跡を分析する。「この付近は シカしか通っていないようだ」。左手に大きな堰堤が見えてきて、幅一杯に帯状に水を落としている。これを見て「この寺谷が 予想以上に大きい!」と思ってしまう。 

寺谷分岐は谷沿いの林道を
左へ進入する
結構谷間が広く緑も多い 意味不明の
石碑

 これまでノラリクラリと歩いてきたが、この先まだまだ林道は続くので道子に急ぐように言う。やっと最初の林道分岐に出合う。ここには意味不明だが石碑が建っている。左の林道はオコ谷沿いに伸び、桑谷山東峰へと向かっている。ここは橋を渡たり右手の寺谷沿いに進むと目の前に風化木があるピークが見えてくる。地形図で確認すると、これから通るであろうP796のようだ。谷間が狭くなってきたように感じる頃、次の林道分岐に出合う。灰ケ谷の分岐で車の轍は左の方へとある。

 寺谷峠へは寺谷から取り付くので、ここも右にとる。最近全く使用されていない林道、進むにつれ草が茂り、路肩は崩れ多くの倒木、とても林道とはいえない状態になってくる。ジメジメした林道、夏場ならヒルがたくさんいそうで足元を注意しながら歩く。「ここから10分過ぎで寺谷峠の取付がある」「右手の谷を過ぎすぐの左手の小さな谷に取付がある」と哲郎は頭で何度も呟きながら進んで行き取付を見落とさないよう左右を見ながら歩く。

灰ヶ谷分岐を右に取る(直進) 「ここや!」寺谷峠の取付
のリボン

 そうすると、まさしく「ここや!」と言う所に着き、道子を待たせ哲郎はちょっと先まで確認のため道を進んでみる。林道は東寄りに変わって行くので、道子が待つポイントまで引き返す。その間、道子は林道側と谷を渡った所に古いテープを見つけ「ここが 寺谷峠の取付である」と確信する。

こんな立看板もある

 小さな谷を渡たり植林の中を右にとると、北の小さな谷に出合う。地形図ではこの谷を少し登り、途中から右の尾根に取り付くように、破線が記してあるので谷の様子を伺う。谷に道らしきものはないし、この尾根の斜面は急で登りにくい。結局この谷を少し登ってみることにする。これが間違いの始まりで、谷を登って行っても右手の斜面はガレていて、とても取り付けない。

 仕方なく谷に近い斜面を登って行き、ガレ場の上部にきた所で右に振ることにする。先に行く道子、「キャー」とすぐ目の前に大きなマムシがいる。気温が低いのか枯葉の中に入って行ったので、すぐそば通って行くことになる。木や岩をつかんで登って行くと、ケモノ道が右へ導いているので、これを利用し尾根に出る。「何や あるやん」やはり尾根には登山道があり、結局何処から取り付くのか分からずじまいである。「時間がかかったなー ここまで」と予定より、かなり遅れたので急いで寺谷峠へ向かう。

新しい寺谷峠の標識 寺谷峠に着く 植林の背が低く歩きにくい

 途中で二回分岐に出合い「こっちや あっちや」とウロウロしているうちに、またまた時間が過ぎてしまう。登山道は植林の中に変わり、登って行くとやっと寺谷峠に着く。「もう12時半やけど 遅れているので 昼食は後にしよう」と左手の尾根に取り付き、桑谷山を目指す。踏跡はほとんどなく、尾根、雑木と植林地の界になっているが、植林の背が低く歩きにくい。小さなピークを過ぎ、P796の登りにとりかかる頃、哲郎は右の尾根への分岐を探しながら歩くが、見つからないままP796に着いてしまう。このまま真っすぐ進めそうだが「方向が違う」と引き返し、北側の尾根への進入口を探す。

P796に着いてしまう ブッシュをかき分け下りる 尾根を歩く

 前方のピークも確認できないので「この辺り だろう」とブッシュをかき分け下りて行くと、すぐに尾根らしくなり歩きよくなる。尾根は細くなり、再び植林の境を歩いて行くと鞍部に着く。70mも下りただろうか、次のピ−クも50〜60mの登りが待っているので、右に巻きながら歩くことにする。中程まで来ると歩きにくくなって来たので仕方なくピークへと登って行くと、尾根に古いテープを見つける。ピークを上りきると「また下りや!」と一気に下って行きP790手前の鞍部に着く。

 さすがに「おなか すいた」とここで昼食とする。休憩しながら次のコースを考えるが、道子は「足が いたい」と言っているし、明日は会社やし16時のバスで帰りたいし・・・。ここまでの所要時間と残りのコースからして、16時のバスは間に合わないと判断し、ここから前方の谷にエスケープすることにする。谷と言っても崖や滝があればエスケープにならないので、哲郎は地形図とにらめっこ。「大丈夫だろう」と判断し、二人は植林地の中を下りて谷へと向かう。

P790手前鞍部から前方の谷へ
エスケープ(灰ケ谷支流へ)
P790手前鞍部に
リボンをつける
すぐに水が流れ出した谷には
マツカゼソウが続く

 すぐに水が流れ出した谷にはマツカゼソウが続き、谷間も広くなり何とか歩くことが出来る。倒木が邪魔している以外は危険な所はなく、30分で灰ケ谷の林道に出合い、「Lucky!」と二人は喜ぶ。この林道、雨水で大きく削り取られていて林道とは言えない。こんな道だが、谷沿いの道、心地良く下って行く。寺谷に出合いあとは来た道をを下って行くだけだが、二人は先を急ぐ。オコ谷分岐を過ぎ、ナメラ谷/寺谷分岐に着き、やっと小休止。十分時間を残しているのを確認し「あ〜 やれやれ」とゆっくり歩き出す二人。

30分で灰ケ谷の林道に出合う 寺谷に出合う 「あ〜 やれやれ」と

 大悲山口バス停の食事処で「美味しい!」ビールを飲む哲郎。道子が靴にヒルが付いていたのを発見し、そそくさと席を立ちバス停前で脱いだスパッツを調べると小さいのが2匹。「10月やというのに いつまでいるんやろ?」「寺谷峠からの道 残りのコースが気にかかるな〜」。






また、岩から数々の流れを出し、
水を川のように流された。

【詩篇 78−16】
リンドウ