天狗杉から芹生峠 /京都北山
2020.06.15


雑木が続き心地よい 芹生峠東尾根


2020.06.15 (土) 晴れ   哲郎、道子

行き:出町柳 7:50 - 花背峠(京都バス)
帰り:貴船 14:38 - 貴船口14:51 = 出町柳


コース:
・花背峠~天狗杉~旧花背峠~芹生峠東尾根取付き(林道分岐)~・742鞍部~P766~芹生峠下~貴船峠~奥貴船橋~貴船

注意:
・芹生峠東尾根に道はありません。薄い踏み跡はありますが、ところどころルート上に倒木があるのでルートロスに気を付けてください。







 久し振りに広河原行きの京都バスに乗り花背峠へ向かう。北大路駅前からバスに乗るが乗客はさほど多くなく座れる。むしろ平日なので通勤電車のほうが混んでいたようだ。

 倒木で埋まっていた花背峠へ登っていく道も、倒木が処理されすっきりしてきたようだ。ジグザグに登っていく細い道の斜面に、コアジサイが続き車窓からこれを楽しむ。

 花背峠で降り準備する。雨上がりでヒルが心配だが「どうだろう?」と。花背峠で標高759m、天狗杉で837m、芹生峠で700mと高低差は少なく、芹生峠東尾根は標高750m以上なのでヒルの心配は少ない。

 バス停には、もう終わりかけているエゴノキやサワフタギの花を見るが「上にたくさん咲いているよ!」と哲郎・・・(しかし最後まで満開の花を見ることはなく、花背峠が一番咲いていたことになる)。バス停すぐ北の登山道を登っていく。尾根に乗るまでは急斜面が続くが、良く歩かれているので足元はスッキリしている。

エゴノキの花が散り始めた花背峠 良く歩かれているので足元はスッキリ

 尾根に乗り少し登ると広いピークに出る。広場は倒木で埋まっているので倒木を右に巻いていき通り過ぎる。少し下るとサワフタギが咲いている。昨年山頂からの下りで満開のエゴノキやサワフタギを見たので、ここも鑑賞することもなく通り過ぎる。すぐに登り始め、峠から25分で天狗杉の山頂に着く。

サワフタギを見るが 天狗杉山頂で飲水休憩

 旧花背峠へは山頂から南の斜面を下っていく。踏み跡がはっきりしているので迷うことはない。心地よい雑木の間を満開のサワフタギやエゴノキの花を探しながら緩やかに下っていくが白いものは見当たらない。「なんで?」、そのうちクマザサ保護区を通りすぎ、植林地が見えて来ても白い花に出合わなかったので、今年はもう終わっていて「残念!」と言うことになる。

山頂から雑木の中を心地よく下る クマザサ保護区を通りすぎ

 植林地を少し下ると下に林道が見えてきて、その先に旧花背峠の地蔵小屋が見えてくる。林道に降り立ち、旧花背峠の分岐から左にとり芹生への道をとる。今日は平日だが植林地に人影はなく、すぐに標高750m付近の林道分岐に着く。

 林道分岐から少し入ったところに1台の車が止めてある。車輪に車止めがしてあるので林業関係者ではないようだ。(散策途中、鉄塔付近遠くで声が聞こえたので、関電の巡視員のようだ。)

旧花背峠の林道分岐に降り立つ 芹生峠東尾根への林道分岐に着く

 前回は芹生峠東尾根に沿う林道がどこまで伸びているか調査し林道終点まで歩いたが、今日は林道分岐の尾根先端から取付いてみる。最初は急斜面のハッキリしない踏み跡を登っていく。登りきると目の前に低木の雑木が続き歩きにくい。

林道分岐の尾根先端から取り付く しばらく低木の雑木をかき分けて

 でも細い尾根なので迷うことはなく南へ進んで行くと、だんだん心地よい雑木帯に変わる。尾根に従って快適に歩いていると踏み跡はしっかりしてきて、・742への鞍部への下りにプラスチック階段を見る。どうやら関電巡視路のようで、もっと簡単に尾根に乗れるとりつきがあるのかもしれない。

 鞍部が見えてくると、そこに北から鞍部に来て折り返していく林道を見る。この林道、鞍部を南へ通り過ぎると尾根南すぐの林道に出合うのだが、折り返している。

 折り返しているのは、この尾根が昔京都市と京北町の境界線で地主が違うからか??いやきっと前回歩いたしっかりした林道は関電が鉄塔を立てた時の道かもしれない。我々が「林道だ」と歩いている道は意外に鉄塔建設や堰堤建造用の道が多い。林道の折り返し地点に降りたち、すぐに目の前のピークへと登っていく。

低木を抜けると心地よい歩きが 北からの林道がある・742鞍部

 次のピークは鉄塔ピーク、ユックリ登っていくと鉄塔が見えてくる。前回は尾根南に沿う林道終点からこの鉄塔ピークへ登ってきた。広い鉄塔ピークから次のピークへの下降点を探す。

 送電線は東へ伸びていて、その方向から声が聞こえる、関電巡視員だろう。送電線に沿って進めそうな感じがしたが、地形図では谷へ降りていく。前回鉄塔の南方面から次のピークへ進んだ気がするので、そちらを探していると、なんと一升瓶が!横たえてある。ここだろうと二人は下っていく。

広い鉄塔広場に着く 鉄塔から次のピークへの下降点

 鞍部には白いウツギの花を見る。エゴノキやサワフタギは終わり、今はウツギの白が目立つ。ピークに立つとすぐ次の鞍部へ、鞍部と言い雑木が続く尾根の感じと言い、何やら小野村割岳の稜線を歩いているようだ。小ピークのアップダウンが続くが尾根の雑木や鞍部の緑が綺麗で苦にならない。

アップダウンも小さく苦にならない 鞍部の緑が綺麗

 芹生峠までこの尾根には少ピークが11ある。いくら心地よいといえど少々飽きてくる。飽きてくると足も重く感じ感覚も鈍ってくる。そんな時登り切ったピークにたくさんの倒木を見る。本来その倒木の横を下って次のピークへ進むのだが、右へ白いテープが続くので、つい足が進んでしまう。

 白いテープはこの支尾根を楽しんだ人がつけたものだろうか?。左手に次のピークが見えているのでコースアウトに気づきすぐに引き返す。前回難なく進んだコースもルートの後半には注意力が落ちロスすることもあるが、「これくらいが丁度良い」と哲郎。

 左手遠くに植林が見えてくると芹生峠は近い。と言っても後20~30分かかる。次第に植林の横を歩きはじめると、どこでも下っていけそうだが、早く下ってしまうと芹生峠から貴船への道へたどり着くのに荒れた植林地を長く歩くことになるので止める。

同じ光景が続くと少々飽きてくる 左手に植林地が見えてくると芹生峠は近い

 踏み跡もしっかりしてきて植林沿いの尾根を歩いていく。一旦雑木に代わり再び植林地が現れてくると、右に植林を見ながら支尾根を下っていく踏み跡を見る。これが芹生峠へ下る道である。

 下り始めて2分も歩くと、足元にたくさん転がっている一升瓶を見る。こんなところで宴会はないだろう、昔は肥料か水を瓶に詰めていたのかもしれない。

 南から西へ下った支尾根も最後は北へ向き急坂を下っていき、芹生峠北150m付近の車道に降り立つ。

尾根から芹生峠への支尾根を下る 芹生峠北150m付近の車道に降り立つ

 今日は雨後なので小さな谷にも流れを見る。ここで顔や用具を洗う。「今日はもう貴船へ下ろう!」と、道路に出てスパッツを外すと哲郎のスパッツだけに3匹のヒルを見る。手で弾いていると1匹が指先に喰らいついて外れない。慌てて道子を呼びヒル避けを噴霧してもらう。尾根で着いたのではなく峠下の谷で着いたのだろう、被害なくヤレヤレの哲郎。

 芹生峠も危ないと昼食を諦め貴船へと下っていく。谷は白いウツギで埋まり、岩に群生していたユキノシタも、いつの間にか谷沿いに大繁殖している。台風による倒木で明るくなった影響か?

 峠道の途中で「お腹空いた!」と道子、二人は足を止め昼食とする。車はやってこないが、バイクが3台通り抜けていく。アソガ谷分岐を過ぎ奥貴船橋を過ぎると、長い峠道は終わり「貴船はもうすぐ」と一安心する。

谷沿いにユキノシタが続く ヤマゴボウ
トチバニンジン キツリフネ
サワギク 谷はウツギの白で埋まる

 貴船の町には以前のような賑わいはないが予想以上に人出があり、出合う車は滋賀県、三重県、大阪府のNO.が多い。幸いにも貴船口へのバスがあり、疲れた二人はバスを待つことにする。






主は季節のために月を造られました。
太陽はその沈む所を知っています。


詩篇 【 104:19 】
ミヤマタゴボウ(京都府 準絶滅危惧種)