京都西山 ポンポン山 不動谷右俣から出灰道
2019.08.07


 
イワタバコを観察しながら谷の遡行を楽しむ
ポンポン山不動谷


2019.08.07 (水) 晴れ   哲、道

行き:高槻駅北 7:53 - 出灰 (高槻市営バス)
帰り:出灰 14:32 - 高槻駅北
コース:
・出灰バス停~出灰不動尊~(不動谷)~谷分岐で右俣~(右俣を遡行)~標高500m谷分岐~支尾根へ~東海自然歩道~ポンポン山~(出灰道)~出灰道登山口~出灰バス停


注意:
◆ポンポン山不動谷に道はありません。V字の細い谷に大小の滝が点々とありエスケープルートがありません。不動谷の遡行は小さな谷ですが【初心者危険コース】なので、初心者だけで出かけないようお願いします。







 連日38℃の京都地方、山々も暑い。今日は近郊のポンポン山へ出かけイワタバコを鑑賞する。JR高槻駅北バス停7:53発二料行きのバスに乗るが、今日は平日で猛暑なので他に登山者はいない。出灰で降りるが道横の温度計はもう29℃といつもより高い。

 さっそく出灰不動尊へと歩き始めるが、道端には先月見た花々はない。蒸し暑い日だが出灰川沿いの道は、川の流れと木陰が続き少しは涼しく感じる。谷沿いの道にクサアジサイを見るが皆終わっている。

 すぐに出灰不動尊の入り口に着く。さっそく橋を渡り不動尊へ向かう。前回は不動尊の周りが荒れていたが、今日は清掃され片付いている。さっそくイワタバコを見つけカメラに収める。イワタバコはこれから進入する不動谷にたくさん咲いていると思われるが、先の様子が分からないので一応撮っておく。

川の流れと木陰が続き少しは涼しく感じる 出灰不動尊の入り口に着き不動尊へ向かう

 不動尊から谷へ下って最初の滝へと降りていく。滝手前の大岩にはたくさんのイワタバコ、例年見るより花数が多いので、今年は開花が遅れ、今が丁度見ごろなのかもしれない。

 滝手前から左(右岸)の斜面を登って行き滝上で左岸にわたり返す。簡単に渡れるので水量は少ないようだ。対岸の植林地には古い送水チューブが残っているので、これに沿って進んでいく。

滝手前から左(右岸)の斜面を登って 斜面を登って滝上へ

 植林が終わると岩や石で埋まった谷の中を歩き始める。今日は水量が少ないが石がツルツル滑り歩きにくい。谷から左岸の斜面に取付き谷横の崖を超えていく。

 「綺麗に咲いている!」と道子、対岸の崖に、イワタバコの間にウバユリが咲いている。綺麗なのだが手前の崖からでは近づけず哲郎のカメラでは無理なので諦める。

 道がない谷遡行のコース、当然谷が歩けなければ谷横の斜面や崖を超えていく。一定のコース選定が必要なので【初心者危険コース】、間違えば谷に落ちるので初心者だけで出かけないようお願いします。

 崖を超えるとなだらかな谷に変わり、奥に2条の滝が見えてくる。渡渉を済ませた道子は先に滝上へ向かうが、この滝も水量少なく立派に見えない。

イワタバコを観ながらの
不動谷の遡行が始まる
この滝も水量少なく立派に見えない

 滝上で不動谷は分岐する。左俣には大きな滑滝と大きな滝、少々危険だが滝を超えると変化に乏しい谷が続くので、いつも右俣をとる。右俣には大きな滝は1つしかないが、小さな滝が連続するので歩いていても飽きない。

 右俣をとり谷横の左岸の斜面を進んでいくと前方左手に大きな滝が見えてくる。遠くからでも「水量少ないな~!」と哲郎。

谷分岐で右俣をとる 大きな滝が見えてくるが

 先行する道子は滝下まで来ると、滝を眺めることもなく滝上へのルートを選定する。2018年の台風以後初めてなので荒れていないか心配していたが、斜面に大きな変化は見当たらず助かる。

 ここからが大変、ザレた斜面を登り高巻いて滝上へ進む。右手(左岸)の急斜面の獣道のような薄い踏み跡をたどってジグザグに登って行き、横道に変わると滝上へと巻いていく。

滝を見ることもなく
滝上へのルート選定する道子
急斜面を登り始める道子
慎重に高巻いていく 左下に滝を見ながら滝上へ
もうここまでくれば一安心

 10数mの登りだが慎重に進んでいくので時間がかかる。やっと滝上の植林地まで来て「ヤレヤレ!」と、いつものようにここで小休止する。上の方から「ギャー」と鹿の鳴き声が響く。哲郎は谷で顔を洗い、2人はジェルでエネルギーを補給する。

 もうこの先、大きな滝はないが、V字の谷に小さな滝が点々とあるので、気を緩めることなく歩くことになる。滝上から右岸に取付き、しばらく植林地の中の谷沿いを歩くとシダの中を歩いていく。シダが終わるころ植林が行き詰まるので右(左岸)へ渡り谷横の植林地を歩いていく。

滝上からしばらく右岸の植林地を歩く シダの中を歩いていく
今年のイケマは遅れていて
花はパラパラと少ない
ミゾホウズキ
北山で見るものより小ぶり

 まだまだ小さな滝は点々とあり、滝横を進んでいくが、なるべく谷の中を歩いてイワタバコを探しながら歩く。約10m間、谷に雑木が倒れ込んでいて迂回することになる。「ここにイワタバコの観察ポイントがあったような?」と思うがどうしようもない。

 まだ谷の中流だが流れが細い。岩が折り重なった滝はただの岩になっている。谷の岩の苔が増えて、そこにイワタバコが咲いている。

岩が折り重なった滝は
ただの岩になっている
流れは細いがまだまだ谷を楽しむ

 前方に小さな滝が見えてきて、哲郎のいう「最後の難所」、と言っても滝横のV字の斜面を10mほど歩くのだが、「ここは慎重に歩け!」ということである。この滝を超えても小さな滝が続き、谷に降りたり、高巻いたりと忙しい。

哲郎のいう「最後の難所」 谷に降りたり、高巻いたりと忙しい

 最後の滝も難なく右岸を巻いていく。この滝を過ぎると緩やかな谷が続き、すぐに標高500m付近の谷分岐に着く。ここまで谷の3/5歩き、10時50分なので、不動尊から2時間谷を楽しんだことになる。いつもはこの分岐の中尾根を登って行き東海自然歩道へ向かっていたが、今日はもう少し谷を詰めてみることにする。

最後の滝も難なく右岸を巻いていく 標高500m付近の谷分岐

 谷の倒木は台風で増えたように見られないので谷横を歩くことができる。標高530m付近の谷分岐で左をとる。でももう谷は倒木で歩けないようなので谷を諦め雑木の中を登って行くことにする。

 最後は標高500mの中尾根からやってくる作業道に出合いすぐに東海自然歩道に出る。結局谷を詰めて20分はロスし「あ~失敗やった!」といいつつ山頂へ向かう。

谷を諦め雑木の中を登って行く 東海自然歩道に出る

 15分歩いてポンポン山山頂に着く。丁度12時、今日は暑いので誰もいないやろと思ったら日陰にぽつぽつ先客4人、昼食中である。我々も木陰でおにぎりを食べる。下山は暑いので一番楽な出灰道にする。もう13時のバスに間に合わないので14時32分、2人は12時30分に出発する。

 下りと言えど汗をかく今日は、ゆっくり下ることにする。「あ~、風がない!」といいつつ下っていくが、結局最後まで心地よい風はなかった。

 麓に咲いていたヤマゴボウは赤く結実が始まってきてこれを観察、登山口の橋を渡って出灰バス停へ向かう。

ポンポン山山頂に着く 結実が始まったヤマゴボウ

 13時35分にバス停に着く。バスまで1時間あるので川辺で涼をとりながら後始末と着替えることにする。20分経っても一向に熱気が収まらない哲郎。着替えがあるので前の川で泳いでやろうと思ったら、急にぽつぽつと降り始める。2人は慌ててバス停へ戻る。

 ぽつぽつ降る雨は5分もたつと大雨と変わる。集中豪雨である。バス停横のプランタにどんどん水が溜まっていき、周囲は暗くなる。「早く降りてきてよかった!」と道子。山頂にいた人たち、下山中だったら身動き取れないような雨である。この豪雨の中、バス停横に2台の車がやってきて止まる。バスに間に合わない下山者を待っているのかもしれないが、「この雨ではね~」

出灰バス停は32℃
すぐに川へ降り涼をとる
ただいま集中豪雨中!

 このバス停に着いたときは32℃だった温度表示も25℃になっている。30分降り続いた雨も収まり周囲が明るくなってくるころ、丁度バスがやってくる。








地には花が咲き乱れ、
歌の季節がやって来た。
山鳩の声が、私たちの国に聞こえる。


雅歌 【 2-12 】
イワタバコが丁度見ごろ