京都北山 魚谷山から細が谷を下る
2019.03.16


 
倒木が多い細が谷
これでは当分心地よい歩きは無理なようだ


2019.03.16 (土) 雨のち曇り   哲、道

行き:北大路駅前 8:40 - 岩屋橋 (もくもく号))
帰り:叡電貴船口 15:23 = 出町柳 = 祇園四条
コース:
・岩屋橋バス停~祖父谷林道~小梅谷林道~惣谷林道出合~魚谷峠~魚谷山~柳谷峠~細が谷~今西錦司レリーフ~アズキ坂への林道/直谷コース分岐~林道倒木群を抜ける~林道から滝谷峠への古道~滝谷峠~二ノ瀬ユリ~叡電貴船口


注意:
◆2019.03現在、細が谷コースは倒木等で歩きにくいので「初心者危険コース」です。







 昨夜は遅くなったので今日は近郊の山、「もくもく号」でゆっくり出かけられる魚谷山へ向かう。今日は工事中で運休中の広河原行きや比良行きのバスが運行していて、ちょっともったいないような気がするが・・・。

 今日は朝から雨、もくもく号に乗るのは我々2人、哲郎の計算では「岩屋橋につく頃には雨は上がり、昼間は時々しぐれるが霧雨程度だろう」なのだが、果たしてどうだろうか。

 岩屋橋への道は市街地を抜けると山間の細い道が続く。昨年の豪雨や台風で崩れた道をあちこちで工事しているが、もともとクネクネした細い道、慣れている人でないと怖いところである。

 岩屋橋につくと予想通り雨は上がり、「準備は小梅谷口で」とすぐに歩き始める。左手に流れる祖父谷は、珍しくゴーゴーと流れている。この付近は梅雨ごろから虫やヒルに悩まされるところではあるが、今日は心地よく歩くことができる。でも足元の花はまだまだである。

岩屋橋バス停前の洛雲荘から出発 祖父谷はゴーゴーと流れている

 足谷口には立派な山小屋ができ、広い駐車場もでき、今日も朝早くから数代の車が止まっている。ベニバナヤマシャクヤク保護区と京都府の立派な案内板もあり、足谷の活動も根付いてきたようである。

 祖父谷林道が橋を渡り右岸を歩くようになると小梅谷口は近い。前方に小梅谷林道の橋が見えてきて、10時05分、今日はバス停から50分かかったようだ。さっそく橋を渡り準備に入る。ここから急な登りが続くので、雨具や上着を脱ぎ出発、小梅谷林道を歩き始める。

足谷口には立派な山小屋ができ 橋を渡り準備して
小梅谷林道を歩き始める

 小梅谷は意外に倒木が少ない。東向きの狭い谷だからかもしれない。まっすぐ東へ上っていく林道、特に見るべきものはないが、珍しいといえば北山杉で造った堰堤が続く。まっすぐ登っていく林道は疲れてしまう。そのうち左へ逃げていく林道分岐に出合うと。「あともう少しや!」と頑張ることができる。

 そこから100mも上ると、林道は東に折れ斜面を巻いていく。谷を渡ったところで折り返しまた斜面を巻いていくが、これらの斜面はいつ見ても崩れやすい。10時55分、小梅谷口から50分登ってきて惣谷林道に出合う。

北山杉で造った堰堤が続く 惣谷林道に出合う

 出合った林道を左にとり魚谷峠へ向かうが、車の跡があるのでこの林道も歩くことができるようだ。林道出合いから5分で魚谷峠につく。さっそく目の前の斜面を登っていき山頂へ向かう。

 この付近のアセビの花はまだつぼみ、その緑の中を歩いていくが倒木少なく難なく山頂につく。

魚谷峠につく 倒木少なく難なく歩ける

 魚谷山到着11時15分、岩屋橋バス停から丁度2時間である。さっそく昼食にしようと思うが山頂は風が冷たく「昼食は柳谷峠にしよう!」と、すぐに斜面を下っていく。柳谷峠付近も倒木は目立たずいつものいい感じ、風の当たらないところで昼食とする。

魚谷山到着 柳谷峠で昼食とする

 20分の昼食後、今日は久しぶりに細が谷を下ってみる。峠から溝状の谷の源頭に降りていく。早速の倒木、先が思いやられる。倒木を抜けしばらく倒木もなくいつもの谷のように下っていくが、雨上がりなので足元が緩く歩きにくい。

 数分歩くと1~2mの崖、登りでは問題ないが今日は足元が濡れていて右下に谷があり、崖を降りるのをやめる。崖横は急斜面だが、そこに垂れている根と細い木をもって谷へ降りていく。「やれやれ」と下っていくと谷上の道に倒木を見る。谷は滝状になっていて歩けないので、倒木の間を注意して抜けていく。

細が谷を下っていく 谷上の倒木の間を注意して抜けていく

 倒木を抜けるといつもの谷、心地よく下っていく。2018年の豪雨や台風で荒れた谷、今年はだめだろうと思っていたクリンソウ、足元に芽吹いた株を見てほっとする。北山荘分岐の広場に近づいてくると、目の前にたくさんの倒木を見る。

 もう崖のようなところはないので、「あ~だこーだ」と難なく抜けていくことができる。でも倒木が多いので、いつもの細が谷に戻るには時間が必要であろう。今西錦司のレリーフも下の石が年々少なくなってきているので、このままでは崩れてしまいそうだ。

倒木を抜けるといつもの谷
心地よく下っていく
足元に芽吹いた株を見てほっとする
倒木多く進路を探す道子 今西錦司レリーフ

 やっと直谷への谷コースとアズキ坂の林道コース分岐(いずれも滝谷峠下の直谷出合に向かう)に来る。石がゴロゴロした谷を上って滝谷峠へ向かうのが嫌なので、最近は分岐から谷を渡って林道にとりついている。目の前に「あれ~!」と叫びたいような大量の倒木を見る。

 谷コースの様子が分からないので、林道に上って進行できるか様子を見ることにする。取りつき部分は倒木で近づけないので、少し谷を下ったところから林道へ這い上がる。「これはダメだ!」と言いつつ、少しずつ倒木を抜け進んでいく。

林道とりつき部分は倒木で進めない 少しずつ倒木を抜け進んでいく

 やっと谷へ下る道へ着くが、ここも倒木が邪魔をしているので、斜面の獣道を下っていく。谷へ降りると目の前に登っていく林道を見るので、これを登っていく。左手に折れ斜面を巻くようになるころ、左の斜面に古道のとりつきがあるのでこれを上っていくが、斜面が崩れて古道が分かりにくくなっている。道はすぐに広くしっかりしてきて溝状の道に代わる。

谷に降り、目の前の林道を乗っていく 古道のとりつきが崩れて
分からなくなっている

 溝状の道は倒木で遮られているので、溝上の緩やかな斜面を歩いていく。溝が消えると谷上の斜面を巻いていく。この付近は雑木がきれいなところで、心地よく滝谷峠へ向かう。

 そのうち前方に広場のように斜面が広がってきて、それを過ぎると谷へと下っていく。

溝状の道は倒木で遮られているので 溝が消えると谷上の斜面を巻いていく

 谷へ降りると、すぐ目の前に右へ上っていく踏み跡を見る。これが滝谷峠への道で、途中から峠道と合流する。前を歩く道子が戻ってくる。前方から一人の男性がやってきて細い道なので引き返してきたようだ。

 彼は出合橋へ向かうということなので、我々が歩いた道は分かりにくいので滝谷を下るポイントを説明する。「谷が倒木で荒れていなければよいが!」と思うが、中津川林道は大丈夫そうなので15時過ぎのバスには間に合いそうである。我々は峠道を上り滝谷峠につく、13時15分なのでほぼ予定通り歩いてきたようだ。

谷へ降りると右へ上っていく踏み跡を見る 滝谷峠につく

 滝谷峠から奥貴船橋へ向かう予定だったが、峠の倒木を見てあきらめることにする。先ほど出会った彼が二ノ瀬からやってきたということなので、我々も二ノ瀬ユリを歩いて叡電貴船口へ向かうことにする。

 叡電貴船口まで歩くのは10年ぶりである。「あ~、いい道や!」と道子、なだらかな道、倒木から解放された2人はのんびりと歩いていく。

 いつもの標識を見ると「(2)番 滝谷峠から200m」と書いてある。貴船口へ下る標識は(42)番なので、「あと4Km歩くのか~」と思ってしまう。

「あと4Km歩くのか~」と思ってしまう 2人はのんびりと二ノ瀬ユリを歩いていく

 貴船山を過ぎるころ尾根道とユリ道分岐に出合う。「二ノ瀬ユリだから右のユリ道を」と思うが、踏み跡が全くなく「倒木でもあると困るので」と尾根道をとる。昔は展望が良かった尾根道も木々が伸びてきてあまり展望が良いとは言えない。

 尾根道を下ると再び分岐に出合う。再びテープが尾根道へ導き皆さん尾根道を歩いているようだ。尾根道ばかりでは二ノ瀬ユリとは言えないようである。どこかの山クラブが面白いと歩き始め、やたらとテープをつけているのだろうか。

 ユリ道の作業道に出合うが、尾根道にテープが続くので進んでみるが、ここも展望がなくユリ道のほうが良かったようである。ユリ道に出合うと昔の見晴らしポイント、木々が成長し全く展望はない。この先でやっと大岩分岐に出合い、二ノ瀬ユリ道が長いと感じてしまう。

最初の尾根コースは昔からあり
歩いたことはあるが
やっと大岩分岐に出合い

 大岩分岐を過ぎると(34)番の標識を見る。今までユリ道を歩いていなかったので、標識を見るのは久しぶりである。だけど(34)とは貴船口へ下る分岐まではあと800mもある。大岩分岐から道は広くなり次第に下り始める。

 (42)番の標識に出合い左の道をとり貴船口へ下っていく。急坂が続き、ズルズル滑るので道子はゆっくり歩いていく。あまりにもゆっくり歩くので「もっと早く!」と哲郎、と言っていると滑って尻餅をつく哲郎。

 下るにつれ道もよくなり、下に車道が見えてきて叡電貴船口前に降り立つ。「えっ!」と、トイレで着替えようとしていた道子、「駅がない!」と。駅の階段やお店が崩れたようで工事中のようだ。2人は貴船川へ降り後始末をするが、「簡易トイレがあった」と道子はトイレへ向かう。哲郎は河原で泥んこの用具を洗い着替える。

(42)番の標識に出合い
左の道をとり貴船口へ下っていく
「駅がない!」と道子

 帰ってきた道子「簡易トイレやけど水洗やった!」と。後始末の終わった2人はホームへ向かうが、「水洗?」と哲郎はトイレを覗くことになる。やってきた電車はキララ号、2人は座れ「ラッキー!」と・・、帰路につく。








地には花が咲き乱れ、
歌の季節がやって来た。
山鳩の声が、私たちの国に聞こえる。


雅歌 【 2-12 】
ヤマネコノメソウ