京都北山 比叡山八丁谷
2019.08.17


八丁谷の遡行を楽しむ
細い谷だが、台風後なので上流にきても水量が多い


2019.08.17 (土) 晴れ   哲郎・道子

行き:四条烏丸 - ふるさと前(京都バス)
帰り:八瀬比叡山口 = 出町柳(叡電)
コース:
・ふるさとまえバス停~八瀬天満宮社~林道~八丁谷への古道~八丁谷出合~古道分岐①~古道分岐②じぞう群~古道分岐③~古道④出合~松尾坂林道出合~八丁尾根松尾坂峠~松尾坂を下る~八瀬ケーブル駅~八瀬比叡山口駅


注意:
◆八丁谷は細い小さな谷ですが、中流の地蔵群を過ぎると道が消えています。上流はV字の谷、渡渉しながら詰めていくので、水量が多いときは要注意。







 台風も去り、下に降ろしていたバルコニーの花々をラティスに乗せる。でも今日は暑いという予報なので遠出を止め比叡山へ出かけることにする。比叡山は色々なコースがあり選択に迷わない。

 「2018年の台風の影響はどうだろう?」と久し振りに八丁谷へ出かけてみる。京都バスで大原行きに乗り「ふるさとまえ」で降りる。少し戻った分岐から八瀬天満宮社へ向かう。

 神社の参道入り口にある鳥居横の老人クラブハウスに新しく観光トイレができているので、トイレを借りここで準備する。鳥居の前には大きな案内板があり、これに見入る道子。この付近では「かまぶろ」が有名である。

八瀬天満宮社へ向かう 鳥居の前には大きな案内板があり

 参道を奥に進んでいくと正面左手の斜面の色が変わっている。「台風の倒木やろか?」。参道は神社正面の階段に突き当たる。八丁谷へはここで左にとり神社の端からブッシュをかき分けると古道への細い道が・・・、もうブッシュも道もなくなり目の前に伐採後の植林と短い林道を見る。

 まっすぐ進めば深い溝を通り古道へ抜けられるが足元が悪いので、いつも通ている伐採地の上部にあった作業道を探す。右へ登って行く新しくできた林道は直ぐに終わってしまうが、その途中で左の斜面に乗り昔の作業道を探す。

 「これだろう」と斜面を水平に横切っていくと、左下から上がってくる溝に出合い、その先に古道を見て一安心する。

階段下を左へ 右へ登って行く新しくできた林道へ
途中で左の斜面に乗り昔の作業道を探す
作業道を見つけ斜面を横切る
左下から上がってくる溝に出合い

 出合った古道は幅もありしっかりした道で、斜面の横道としてほぼ水平に続く。最初は落ち葉や折れ枝に埋まり歩きにくいが、それもだんだん少なくなって昔のように歩きやすくなる。

 古道はほぼ植林の中を水平に続いているが、所々で雑木も現れてくる。植林、雑木、溝状の道、また植林と変わっていくが、シダの中を通り過ぎると八丁谷が近づいてくる。

出合った古道は幅もありしっかりした道で 古道はほぼ植林の中を水平に続いているが
所々で雑木も現れてくる

 八丁谷に沿うようになると、最初は谷上の高い所を歩くようになるので落ちないように注意する。でもこの付近はしっかりした道が続いているので、よそ見をしない限り大丈夫のようだ。台風後なので下から谷音がゴーゴーと響いてくる。

 谷に沿って南へ進んでいくと、谷は近づいてきて谷横を歩くようになる。この道や谷に台風の影響はなく、この付近では古道はハッキリと残っている。小さな滝も水量多く滝らしくなっている。

最初は谷上の高い所を歩くが
道がしっかりしているので安心だ
谷は近づいてきて谷横を歩くようになる

 この滝を過ぎると谷間は少し広がり、まずは以前確認した比叡山への古道①の取りつきを再確認する。すぐその先で東向きのじぞう群を見る。この付近、昔と変わった様子もなく一安心する。

 お地蔵さんが向いている先には谷の支流があり、そのすぐ先から支尾根を登って行く古道②がある。でも今日は古道へは進まず八丁谷遡行を続ける。

古道①の取りつきを再確認 東向きのじぞう群を見る

 じぞう群を過ぎると、昔はしっかりしていた道も消えているので、じぞう群からは左岸を歩いていく。目の前の植林地が迫ってきたところで、前方右岸が明るくなり右岸に渡ることになるが、今日は水量多く渡渉に苦労する。渡渉したポイントは石が積み重なった瀬のようで、この奥の小さな支流の谷間に古道③のとりつきがある。

 石の隙間に咲くオニルリソウ、花はオオルリソウに似るが花数が少なく花の間隔があいているので分かる。花は以前より減っていて、「いつまで残っていてくれるかな」と哲郎、先に歩きだした道子を追いかける。

谷沿いを適当に歩いていく 古道もハッキリしなくなる
目の前の植林地が迫ってきたところで
右岸に渡る
わずかに残っていたオニルリソウ

 しばらく右岸を歩いていく。右岸が行き詰まってくるころ左岸へ、ここも水量がいつもより多く渡渉地点を探すことになる。と言っても小さな谷なので適当にわたることができる。

 しばらく谷横の植林地を歩いていくが、だんだん谷間は狭くなり渡渉を繰り返していく。谷沿いを見て「咲いている!」と道子、「なんだ、イラクサか」と哲郎、谷沿いに咲いていたのはムカゴイラクサのようだが、イラクサに触れて手が数時間痛かったことを思い出す哲郎、イラクサには触れないことだ。

右岸が行き詰まってくるころ左岸へ 渡渉を繰り返していく

 右上には松尾坂からの林道も見えてくると八丁谷の遡行は終わりに近づく。左手からの谷に出合い右俣をとる。右俣の左岸を詰めていくが、道はないが歩くことができる。

 進むにつれ谷間が広がってきて谷の中を歩いていく。右上の林道も近づいてきて「登ろうか!」と思ってしまうが、ここはまっすぐ目的の古道④まで進むことにする。

谷分岐に出合い右俣をとる 広い谷間を歩き
まっすぐ目的の古道④まで進

 前方に植林の支尾根の先端が見えてきて、これを登って行くと古道④に出合う。古道を右に進み松尾坂へ向かう。すぐに林道下の送水管が見えてきて、林道へ上がる。13時丁度、八瀬天満宮社から2時間30分である。ここは松尾坂の峠から下って林道に出合ったところである。

 林道が谷を横切るところには昔キツリフネやたくさんの野草を楽しむことができたのだが、最近野草を見ることは無くなった。と思っていると「咲いている!」と道子、林道横の谷に綺麗に咲いているクサアジサイの花を見る。

古道を右に進み松尾坂へ向かう 林道下の送水管が見えてきて

 今日は松尾坂の峠からケーブル比叡駅を目指すので、林道から松尾坂を登って行き、そこで着替え遅い昼食とする。ひっそりとした峠、風が通って涼しいのが良いと、地蔵の傍で昼食とする。峠をまっすぐ進むと松尾坂を下り、右に支尾根を進むと古いお墓群を経て尾根を下っていくと八瀬天満宮社へ、左に支尾根を登って行くとケーブル比叡駅へ進むことができる。

 峠からケーブル比叡駅へのコースは久しぶりだと楽しみにしていたが、何やらしんどい哲郎、今日はケーブル比叡駅から梅谷林道を諦め、このまま松尾坂を八瀬ケーブル駅へ下ることにする。

林道から松尾坂を登って行き 30~40m登って峠に着く

 20分、ゆっくりとした昼食休憩も終わり松尾坂を下り始める。植林地の斜面を500m巻いていくと急斜面に変わる。ここで小休止しながらスパッツを外し収納するが、「えっ!」と哲郎のスパッツに4匹の大きなヒルを見る。ヒル除けで動けなかったのだろう、木の枝で落とし退治する。

 道子は・・・と、道子にも4匹いて二人はここでバタバタする。出発前に一応上着もチェック!、哲郎のTシャツはへそ近くで赤くなっている。「やられた!」と、下からのヒルは防御できたが上着のヒルは何処からやってきたのだろうか?と。

 バンドエイドを張り出発する。ここから支尾根をジグザグに下っていく。台風による倒木を見るが迂回路もあり一応歩けるように処理してある。

峠から、最初はユックリ下っていく
松尾坂
倒木を見るが迂回路等で歩ける

 通信施設を過ぎると高校のグランド、谷から引き込んだ水があふれているので、そこで靴や用具を洗う。谷を渡ると道は広くなり緩やかに下っていく。ケーブル駅に着くとトイレを借り着替え、日陰のベンチで涼をとる。

 「さあ、バスで帰ろう!」とバス停へ向かう。やってきたバスに立ち客を見るので乗るのを止め叡山電車で帰ることにする。綺麗な電車がやってきて、ユラリユラリと出町柳駅へ向かう。

新型車両には「HIEI」と書いてあるので
八瀬登山口専用のようだ





主は季節のために月を造られました。
太陽はその沈む所を知っています。


詩篇 【 104:19 】
クサアジサイ