荒川峠道東尾根を登り荒川峠へ
南比良峠から深谷を下る//比良
2018.11.03


 
比良で一番気に入っている深谷の紅葉
でも古道は荒れて来ているので、お勧めできなくて残念です


2018.11.03 (土) 晴れ   哲郎、道子

行き:JR京都 7:24 = JR志賀
帰り:JR比良 15:37 = JR京都


コース:
JR志賀駅~萬福寺~湖西道路高架下~荒川道林道~中谷荒川道登山口~葛川越分岐手前右の作業道~(植林地)~荒川峠道東尾根~P865~荒川峠道出合~荒川峠~南比良峠~深谷古道~100mロープ場~崩れた山小屋~深谷横を下る~堂満小屋跡で林道出合~南比良集落~JR比良駅

注意:
◆南比良峠から東に下って行く深谷古道は、倒木多く荒れている。深谷が浸食され古道に接する所もあり注意を要する。2010年頃に比べ一段と荒れてきているので、お勧めできません(初心者危険コース)
◆荒川峠道東尾根は中谷荒川道登山口から荒川峠への峠道の東側にある尾根です。数本の作業道がありますが、古い倒木に埋まり、作業道も薄くなったり分岐したりで歩き難い。P865付近から西に向くと細い雑木の尾根に変わり、最後は荒川峠道が谷から横道に変わるところで峠道に出合う。尾根の下部は歩き難いので、お勧めできません。







 今週も紅葉見物だと比良へ出かけてみる。ナガオ尾根や奥ノ深谷方面は皆さんの報告があったので「荒川峠方面へ出かけ堂満でも下ってみよう!」と出かけることになる。

 今日はバスで無く電車なのでユックリ出かける。JR志賀駅で降りJR高架沿いに北へ歩いて行く。高架柱No.64で左に折れ、比良の山々を見ながら歩いて行く。

 細い地道に変わり、萬福寺に突き当たると右にとり、すぐの分岐を左に萬福寺を巻くように進んで行くと田畑が見えてきて突き当たりに雑木林とカーブミラーが見えてくる。

高架柱No.64で左に折れ 比良の山々を見ながら歩いて行く

 カーブミラーから雑木道に入るので、その手前の三叉路で準備する。雑木道を歩き始めるとコウヤボウキの花が続き、今がちょうど見頃のようである。湖西道路を潜り道を渡ると左手へ登って行く道を見る。これが荒川峠への林道である。

 いつも下山で使っている荒川峠道、登山口までシンドイ登りが続くが、今日はヒンヤリと涼しく心地よく登って行くことができる。それでも途中の用水路でタオルを濡らし顔を拭く哲郎。

カーブミラーから雑木道に入る 左手へ登って行く道が荒川峠への林道

 (・269m)の橋を渡りS字カーブを登って行き、左手に大きな堰堤を見るとその先に標識が見えてくる。そこが中谷荒川道登山口である。

 早速登山道へ進入する。150m東へ登って行くと、道は西へと折り返し斜面を巻いて行く。1本大木が倒れているが難なく通ることができる。荒川峠道を緩やかに登って行くが標高400m付近ではまだ紅葉していない。

中谷荒川道登山口から登って行く 荒川峠道を緩やかに登って行く

 ■荒川峠道東尾根を登る ------------------------------

 左手は大岩谷が深く落ち込んでいるので、あまりボンヤリとは歩けない。葛川越への大岩谷コース分岐手前で、右へ登って行く作業道のようなものを見る。下山時ではこの道は気が付かないだろう。先を歩く道子に「道がある!」と呼び返す。

 「最近新しい所を歩いていない!」と道子、今日は紅葉見物以外の目的もボンヤリしているので、この作業道、何処へ向かうか分からないが探索することにする。

 先に道子が少し登ってみて「行ける!」と、哲郎も後に続く。道は落ち葉や折れ枝が積み重なっていて最近歩かれた様子はないが、何とか歩くことができるので登って行くことにする。少し登って行くと石垣を見るので古道のようである。

今日はこの作業道を探索する 古い石垣を見る

 道は折り返してからユックリ登って行くので、尾根には向かわず登山道に沿って北へ向いているようだ。道子の後ろを歩いている哲郎、一瞬目の前にマムシを見る。落ち葉の中にいたマムシを道子が踏みしめたので、飛び出してきたのだろう、哲郎はそれを追いやって登って行く。

 標高500m付近で右に巻いて行き小さな支尾根に乗る。地形図によるとこの付近には北西に下って行く小さな支尾根があるので「これだろう!」と。道は消えているが、「この支尾根を進めばいいのだろう」と進んでみる。

最初は登山道に沿っているのか
ユックリ登って行く
右に巻いて行くと小さな支尾根に乗る

 小さな支尾根に乗ると支尾根は南から東へと向きを変え、すぐに支尾根は消え斜面をジグザグに登ることになる。道は倒木で埋まり歩き難いので道を避けながら歩くことになる。「何処に向かっているのだろう」と哲郎、ここで哲郎は右のポケットに入れていた地図がないことに気づく。「今日は地図が必要だ!」と前回確認したところまで下って探すことにする。

 でも地形図は見当たらず・・・、ふと左のポケットを触ると「あった!」とヤレヤレである。周囲は植林地に変わり、登って行くと3つ並んだ大きな石を見る。もう標高が560mを過ぎているので本尾根にのったようだが尾根下を歩くようになる。

小さな支尾根を登って行く 道は倒木で埋まり歩き難い

 ここで歩いてきた作業道が分岐する。左の道は荒川峠道へ下って行く可能性があるので右の道をとる。道は緩やかに登って行くが、見えるのは疎林や植林が多く余り良い尾根とは言えない。

 周囲に雑木が増えていき、そのうち植林が消える。標高600m付近で造林公社の境界マークを見る。植林はこの尾根の西側、東側は雑木のようで、これ以後植林地の中を歩くことはあまりなかった。

 道はハッキリしなくなっても、時々足元に現れる境界マークを見て安心する。標高650mを過ぎると尾根は細くなるが、倒木等で歩けないようなところはない。

作業道分岐で右を進む そのうち植林が消える
造林公社の境界マークを見る 標高650mを過ぎると尾根は細くなる

 尾根が広がってくると作業道が現れて来て、右手に紅葉を見るようになる。尾根に紅葉を見ないので標高700m付近で出合った分岐で右の道を歩いてみる。今まで見なかった紅葉の始まった雑木が続き「いい道だ」と歩いて行くが、途中で標高が上らないことに気づき進行を止め左手の尾根へ這い上がることになる。「またいらぬことをしてしまった」と反省する哲郎。

 尾根は広がってきて雑木の黄葉も増えてきて緩やかに登って行くが、足元の影が北に伸びているのでまだ・865のピークには来ていないようだ。

心地よい道だが
標高が上らないことに気付く
足元の影が北に伸びているので
・865のピークには来ていない

 尾根は段々西に向き始め、周囲にシャクナゲを見るようになり、最後はシャクナゲの中を強引に歩くことになる。シャクナゲを抜けると美しい紅葉が始まる。緩やかな尾根、何処がP865か分からない。

シャクナゲの中を強引に歩くことになる 美しい紅葉が始まる

 紅葉を楽しみながら進んで行くと右側の崖に接する。地形図に崖の記号を見るので、もうP865は過ぎたようだ。尾根は少しずつ登り始め、紅葉よ楽しみながら登って行く。左手の谷の紅葉も綺麗なので、きっと荒川峠道の登山道も綺麗だろうと。

 素晴らしい紅葉の中を登って行くと、右側の崖に接する。ここも地形図に崖記号が記載されているので、もう荒川峠道に出合うのは近い。

右の崖に接するので
もうP865は過ぎたようだ
荒川峠道の登山道も綺麗だろう
素晴らしい紅葉の中を登って行く 再び崖に接するので
荒川峠道出合は近い

 前方から人の声が聞こえる。「えっ、峠道?」と思いきや、峠道はまだまだだ。男性2人がこの尾根で昼食でもとっているのだろう、わざわざ尾根に登って・・・、この尾根の景色のいいことを知っているのだろう。

 前方に峠道にあるシャクナゲが見えてきて、荒川峠道に降り立つ。ここは峠道が峠まで横道に変わるポイントである。丁度12時00分なので、この尾根を2時間余り楽しんだことになる。右にとり紅葉を楽しみながら荒川峠へ向かう。

荒川峠道に降り立つ 荒川峠道も紅葉が丁度見ごろ

 ■深谷古道を下る ------------------------------

 縦走路に出合い南比良峠へ向かう。「昼食にしよう!」と言うことになるが縦走路は風が通るので、風のない所まで進んで昼食とする。着替えも済まし南比良峠へ向かう。峠に近づくと、何故かたくさんの人に出会う。

 堂満岳へはここから雑木の中の直登が待っている。峠から堂満を見上げる哲郎、「赤いものがあまり見えない!」と。堂満の紅葉が期待出来ないかもしれないし、探索で疲れた哲郎は、「今日は深谷を下ろう!」と道子に言う。深谷の紅葉は比良でも1,2と哲郎は紅葉を期待する。

 12時50分、早速2人は深谷の古道を下り始める。「久し振り(7年振り)なので、荒れているだろうな~」と思いつつ下って行く。

南比良峠に着く 峠から深谷の古道を下り始める

 最初の横道のロープ場は一段下がったところが踏み固まれ歩きやすくなっている。ロープはまだきれいで、それも太くなっている。毎年行われる南比良森林組合の巡視が最近あったのだろう。そこを過ぎると古道の崩落場所、右手の斜面を登って大きく迂回する。

 迂回も終わり古道を歩き始める。道に今回の台風の影響は見られないが、倒木多く歩き難い。古道は意外に残っているが、岩や大石がゴロゴロしていて倒木を避けるのにも苦労する。

ロープが新調されている 古道の崩落地を迂回する

 紅葉は見頃を過ぎてはいるが、深谷の紅葉は色が濃くてきれいだ。でも道が悪く2人はユックリ鑑賞する余裕がない。前方にまた数本の大きな倒木を見て「迂回しよう!」と哲郎。これが失敗で、古道は大きく左へ向いているのに真っすぐ下りてしまった2人は古道を探すことになる。

 このまま東へ下って行けば古道に出合う気もするが、この下には長いロープ場があるので古道を探しながら北寄りに降りていく。

紅葉は見頃を過ぎてはいるが
後方は堂満岳
迂回するが古道を探すことになる

 やっと古道に出合い一安心、それを下って行くと「ここだ!」と最初の短いロープ場に着く。昔このロープを下っていると、傍の木でスズメバチがブンブンいっていたのを思い出す。ここのロープも新調されているが、チョット太いので女性では持ちにくい。道子はストックをしまい降りていく。

 降りたったところから、しばらく古道を下って行くと次のロープ場に着く。このロープ場は100m位あり、ロープを何度も替えて下って行く。

 足元がズルズル滑る急斜面、アイゼンでもあれば難なく下れるであろう。「あ~だ、こ~だ!」と道子は叫びながら下って行く。哲郎は途中からストックで下り始める。後もう少しと言うところで、ロープが結んである木まで谷の浸食が迫ってきているので、いずれロープのコースが変わるかも知れない。

 やっと堰堤横に降り立ち「やれやれ!」と。荒れた古道や長いロープ場、チョットしんどい古道ではあるが、なんとなく達成感を感じる。堰堤から谷沿いに下って崩れかけた山小屋に着く。ここは昔のままである。この横を下って深谷へ降りたつ。

最初の短いロープ場を下る 長いロープ場に着く
ロープ場は続く 堰堤横に降り立つ

 ここから林道までは谷横を下って行くだけで、何の楽しみもない。最初は右岸を下って行き標高430m付近にある堰堤上で左岸に渡る。この堰堤上にはL字の石組みを見るので分かる。

崩れた山小屋の横を通って
深谷へ降りる。
L字の石組みのある堰堤で左岸へ渡る

 左岸を下って行き「保健保安林」の杭を見ると右へ下って行き右岸へ渡るのだが、「保健保安林」の表示版は無くなっている。右岸へ渡り下って行き、行き止まった堰堤上を左岸へ渡る。

 これが最後の渡渉で、そこに広い道を見る。道を下って行くと、すぐに舗装された林道に出合う。ここには堂満小屋があったのだが、今ではその跡形もない。

 14時40分、少々時間のかかった下りだったので堂満へ向かった方が早く下山できたかもしれない。林道を歩き始めると心地よい雑木道が続くが、長い雑木道で変化がないので飽きてしまう。湖西道路を潜り雑木道を抜けると、南比良の集落が見えてくる。

表示板が無くなった「保健保安林」の杭 行き止まった堰堤上を左岸へ渡る

 15時25分、JR比良駅に着く。次の電車は37分発、トイレで着替えてホームにあがる頃、イン谷口からの最初のバスが駅へやって来る。今日は久し振りの深谷古道を歩き、荒川峠道東尾根の探索もでき、紅葉を十分満喫した2人は満足げにホームから堂満岳を眺める。








木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


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コウヤボウキ