小塩山 (名残のカタクリ鑑賞)//西山
2017.04.22


 
名残のカタクリを楽しむ


2017.04.22 (土) 晴れ   哲、道

行き:JR向日町 8:35 - 善峯
帰り:善峯 13:24 - 阪急東向日
コース:
・善峯バス停~杉谷~大原野森林公園休憩所~南ノ谷~御陵谷のカタクリ鑑賞~淳和天皇陵~P604~金蔵寺道出合~東海自然歩道~杉谷~善峯バス停






 今夕は娘夫婦がやって来ると言うことで近郊の山に出かけることにする。「名残のカタクリが咲いているかも」と小塩山に出かけてみる。

 善峯までは阪急バスを利用するが、座るためにJR向日町の始発バスに乗る。阪急東向日でどっと乗ってくるが、身動きが出来ないほどの満席ではないのでカタクリシーズンも終わっているようだ。善峯で降りトイレを借り杉谷へと登って行く。

 善峯バス停は標高250m、善峯寺は300mである。登って行く杉谷集落は標高460mなので、バス停から標高差200m登ることになる。善峰寺駐車場入り口を過ぎると斜面をジグザグに登り始めシンドイところだが、春にはシャガやスミレ、キランソウ等が続き心地よく登って行くことができる。

善峯バス停 満開のシャガが続き

 だらだらと30分登って行くと、勾配が緩くなり前方に民家が見えてくる。満開の枝垂桜の下を通り杉谷の集落を抜けていくと、山間に田畑が広がる。山々の木々は芽吹き始め、山裾に咲く色とりどりのヤマザクラと相まって、まさに春爛漫である。

 でもこの桜が満開と言うことは、過去の経験からカタクリは終わっているということになる。道端に咲くイチリンソウ・ニリンソウ・ヤマエンゴサク等の花を見ながら歩いて行くと分岐に出合う。

杉谷集落の満開の枝垂桜の下を通り この桜が満開と言うことは

 分岐を左にとり、東海自然歩道から別れ大原野森林公園案内所へ向かう。しばらく花っ気のない植林の中の歩きが続く。花っ気がないと言っても、頭上にはヤブツバキが咲き、足元にミヤマカタバミを見るが植林が育ち日があまり当たらないので、その多くは閉じている。

 バス停から約1時間で森の案内所入口に着く。駐車場に車はなく今日は登山者が少ないようである。10時15分、休憩所に入るがまだ誰もいない。でも2人はここで早い昼食とする。

 オニギリを食べ終える頃、何処からやって来たのかポツポツと登山者を見る。ユックリ休息しトイレを済まし、休憩所を後にし南ノ谷へ向かう。森の案内所入口の道を挟んだ反対側の植林地が南ノ谷コースの入口で、早速植林地に入り谷沿いを歩いて行く。

休憩所を後にし南ノ谷へ向かう 森の案内所入口の道を挟んだ
反対側の植林地が南ノ谷コースの入口

 南ノ谷のカタクリは保護区から外され、最近は少なくなってきたが、ニリンソウやフタバアオイが咲き哲郎のお気に入りである。でも最近ヤマルリソウやエンレイソウも少なくなり淋しくなってきている。

 谷沿いを進んで行くと、今年はたくさんの倒木に出合う。それを跨いだり潜ったりでよい運動になる。小さな子供連れ3人に出合う。「ここにたくさんのカタクリ、咲いていましたよね?」と、昔ここでカタクリをたくさんご覧になってやって来られたのだろうが、「最近ここの谷のカタクリは少なくなって・・・」「10株程度しか咲いていません!」と哲郎。残念そうなご婦人だが3人は頑張って奥へと進んで行く。

今年は倒木が多い フタバアオイの間を抜けて行く

 谷は枯れてきて、谷の源頭部の分岐に着き今日は真っすぐ進んで行く。足元にはスミレが咲いていて、それを見ながら谷間を登って行くと、目の前に古い車を見てユリ道の作業道に出合う。この車は上の舗装道から落ちたのか落としたのか分からないが、いい目印になっている。

 この道に乗り左にとり外畑方面へ向かい、送電線鉄塔から大きく迂回し小塩山へと登って行く。雑木が続くユリ道なので心地よく歩いて行くことができるのだが、「今日は早く帰ろう」と、迂回を止め途中の支尾根を強引に登って行くことにする。

 今日は地形図を持たずにやって来たので、この支尾根が何処に出るか分からないが、いいところに出合うことを期待しながら登って行く。

目の前に古い車を見て
ユリ道の作業道に出合う
雑木が続くユリ道なので心地よく

 急斜面も終わり緩やかになってきたところで、前方に人影を見る。そこは山頂から外畑へ下る登山道で、この道に出合ったところが、丁度我々が行くべき御陵谷への裏道への分岐点で、「ラッキー!」と。近くの雑木林のカタクリを調べるが、やはり保護区以外のカタクリは鹿の餌になっているようで激減している。

 先を急ぐ2人はツルシキミが咲く道を御陵谷の保護区へ向かい裏の入口からゲートを開けカタクリを鑑賞する。カタクリは予想以上に残ってはいるが、もう見ごろを過ぎ白くなりかけていて写真を撮る花を探すことになる。グルリと一見し山頂へ向かう。

怪しい支尾根を登って行く カタクリは予想以上に残ってはいるが

 今日はショートカットで登って来たので山頂11時50分、南春日町に御陵道で下っても早いバスに間に合いそうだが、ここは一番楽な善峯への道をとる。山頂から一段下の舗装道へ下り西へグルリと回った2番目のカーブミラーがショートカットの下山口のポイントである。

 当然道なんぞないが危険な所はない。最近ここを通る人も増えたのか、いらぬテープが赤や白とうるさい。コバノミツバツツジの花を見ながら50m余り下ると作業道に降り立つ。ここは三つ辻になっていて左にとれば御陵道へ、右にとれば朝歩いたユリ道へ、真ん中の道が目的の道で、早速真ん中の道を歩き始める。

 道はほとんど植林の中だがシッカリした作業道が続く。途中に関電の標識があり、右にとると送電線の鉄塔を通って朝進入した南の谷入口に降り立つことができる。善峯へは左にとる。道はチョット薄くなるが真っすぐ進んで行く。P604の横を通り過ぎると道もハッキリしてきて、後はこの作業道を辿って行けば良い。

カーブミラーがショートカットの下山口 降り立った分岐の
真ん中の道が目的の道で

 最後の小ピーク手前で作業道は左の谷間に下っているのでこれを辿って行くと、道は消え植林地の中を下ることになる。前方が明るくなり墓石が見えてくる。ここは墓石のお墓で、整然と並べられたたくさんの墓石を見る。

 それに突き当たると右に取り下って行くと東海自然歩道に出合う。直ぐの分岐を左にとり今朝歩いた道を杉谷へ向かう。善峯に着き、「今日は時間がある」と谷に降り用具を洗う。

ここは墓石のお墓で 杉谷のポンポン山登山口

 バス停に着くと、もうバスが待っていてほぼ満席のお客さんで埋まっている。幸いにも2人は座れ発車を待つ。今日は短時間の歩行だったが十分春を感じた2人である。







エンレイソウ フタバアオイ
ヤマエンゴサク キランソウ
イチリンソウ ニリンソウ
キケマン ムラサキケマン
クサノオウ ニッコウネコノメソウ
シャガ ツルカノコソウ
ヤブツバキ ツルシキミ







地には花が咲き乱れ、
歌の季節がやって来た。
山鳩の声が、私たちの国に聞こえる。


雅歌 【 2-12 】
春を感じる杉谷の山桜