小野村割岳(ワサ谷~佐々里峠)//北山
2017.07.01




 
ヘソ周り3箇所、ヒルの餌食となる
小野村割岳/ワサ谷


2017.07.01 (土)  晴れ  哲郎、道子

行き:出町柳駅前バス停7:50 - 下ノ町 (京都バス)
帰り:広河原17:22 - 北大路駅前


コース:
・下ノ町バス停~ワサ谷林道~ゲート(・594)~林道終点~△~P911~南尾根分岐~トチノキ鞍部~赤崎中尾根分岐~P832~P840~灰野道出合~佐々里峠~広河原バス停

注意:
◆ワサ谷林道:夏場はゲート付近から林道終点付近までヒル多し。







 梅雨の合間、この日曜日にオオヤマレンゲ鑑賞へと洛西オヤジさんからお誘いがあったが、用事で諦めることになる。土曜日はと言うと雨の予報、でも出かけたい哲郎、雨情報が刻々変わるので好転することを期待し、床に就く。

 朝起きると外は雨、早速天気予報を確認すると、昼ごろから上がりそうだと広河原方面へ出かけることにする。出町柳駅前バス停に着くと、登山者は我々2人、今日の天候ではこんなものだろうと思っていると、発車間際に大きなザックの学生さんたちが朽木行きに乗り込む。

 我々は広河原行きに乗り込む。止んでいた雨も降り始め、そのうち大雨となりワイパーの音が忙しない。雨を見て哲郎は雨具のズボンをはき始める。花背の集落に入ると小雨に変わり、集落を抜ける頃には雨は上がるので、哲郎は雨具を脱ぐことになる。

 下ノ町で降り、コンクリートの橋の上で準備する。雨雲レーダーを確認する道子、もう雨は降らないだろうと、雨具をザックの奥にしまいこんで出発する。

下ノ町バス停からバスを見送る 川辺に咲くウツボグサ

 バス停付近では、この時期ウツボグサやヤマアジサイが咲く。これらの花を見ながらワサ谷林道を歩き始めるが、道端にあるはずのウバユリが見当たらない。民家の畑に咲くジキタリスを見ながら車止めを跨ぐと、林道は登り始める。

 雨上がりで林道の下草は濡れているので、ヒルが心配な2人は足元を確認して歩いて行くが、この付近にはいないようだ。雨後の木々は蒼々として美しく見える。この時期に野草の花は見当たらず、2人ははただ黙々と歩くことになる。

バス停付近に咲くヤマアジサイ 車止めを跨ぐと、林道は登り始める

 40分歩いて林道ゲートに着く。コンクリートの橋の上で小休止、目の前に咲くジキタリスを楽しむ。この先の林道は荒れているので足元にヒル避けを噴霧して出発する。林道は濡れた低木が群生し歩きにくい。

 「ヒルや!」と先を歩く道子、足元に踊るヒルを見る。「ヒルを見る=周囲にたくさんいる」なので2人は急ぎ足で歩くことになる。急ぎ足でもスパッツにたくさん付いてくるので、時々立ち止まってヒルを退治するが、立ち止まると、さらにたくさんのヒルがやって来るので「急げ、急げ!」と谷分岐にあるコンクリートの橋まで急ぎ足で歩いて行く。

 谷分岐に着きスパッツを外しヒルチェック、数匹見つけこれを退治する。この林道でヒルに出合ったことはなかったが、ヒルの大群を見た2人は、この先の登りを心配する。

雨後の木々は蒼々として美しく見える 林道ゲートに着き
コンクリートの橋の上で小休止
目の前に咲くジキタリスを楽しむが
林道は荒れてくる
低木が群生しているワサ谷林道

 ヒル退治で時間を使ってしまった2人、ヒル避けを十分噴霧して出発する。谷分岐からは、勾配がきつくなりジグザグの登りが続きシンドイところである。「ヒルや!」と再び踊っているヒルを見て、2人はピッチを上げ歩くことになる。

 林道分岐を過ぎた標高800m付近でもヒルを見るので、哲郎の「ヒルは標高700~750mまで」と言う認識を変えることになる。やっと林道終点に着き岩を越えた小さな谷で顔を洗う哲郎。「お昼は山頂で!」と、2人は急な支尾根を登り山頂へ向かう

 まだ山火事の跡が残る支尾根を登って行き、数分で小野村割岳の山頂に着く。「昼食の前にヒルチェックや!」と、スパッツを外す。「あっ!いるいる」と道子、哲郎もザックを降ろしスパッツを外そうとすると、なんとTシャツが赤く染まっているのに気付く。

林道終点の岩を越えた小さな谷で顔を洗う 山火事の跡が残る支尾根を登って行き

 「ヒェ~!」と哲郎、おへその中や周り3箇所から血が流れている。ガーゼを当てテープで固定使用とするが、最近メタボの哲郎、おへそ周りのふくらみが邪魔になる。治療が終わりスパッツのヒルチェック、3匹退治する。今日の雨上がりのワサ谷は 「ヒル避け効果<ヒルの数」だったようで、こんなヒル地獄は昔雨の中を歩いた石仏峠以来である。

 ふと道子の顔を見るとあごに大きな大豆のような塊を見る。「こんなところに、こんなに大きなホクロあったかいな~」と、よく見るとヒルがぶら下がっているではないか。道子に動かないようにいい、ヒル避けを噴霧するとヒルは落ちていく。哲郎はおへそ3箇所、道子は首筋やあごに3箇所ヒルの餌食になり、2人は足元ばかり注意して、上半身は無防備だったようである。

 ヒル退治に時間を費やしたので、オニギリを1個だけ食べ出発することにする。ヒル退治に疲れた2人は足取りも重く、佐々里峠へと歩いて行く。尾根には白く染まったヤマボウシの花が鮮やかで美しく見える。

小野村割岳の山頂に着く ヤマボウシの花が鮮やかで美しく

 「もう着いた!」とP911、花観察等ないのでスイスイと歩いてきたようだ。ピークを下って南尾根分岐に着き、バイケイソウの花を探すが、今年は見当たらなかった。鞍部から再び尾根に乗り佐々里峠へ向かう。

「もう着いた!」とP911 南尾根分岐のピンクのヤマボウシ

 予想外にも日が射してきて湿度も高く、「帽子では暑い!」とタオルをかぶって歩く2人。トチノキの鞍部を登り返し、赤坂中尾根分岐に着く。「今日はヒルがうるさいだろう!」とクビツリ尾根を下るのを止め、佐々里峠へ下ることにする。

 赤崎中尾根分岐から佐々里峠の尾根を歩くのは久し振りで、小ピークを登ったり下ったり、これが結構しんどくて「峠はまだか、まだ!」と、言うことになる。

トチノキの鞍部を登り返し 赤坂中尾根分岐に着く

 P840を下ると灰野道に出合う。もうここまで来ると登りがないので一安心、灰野道を佐々里峠へむかう。峠に降り立つと登山者の車はなく、「今日、出かける人はいないよな~」と。

 今日はヒルの心配がない舗装道を広河原へと下ることにする。ノリウツギが咲き始めた道をダラダラと下っていると前方から登って来た軽トラが停まり、久し振りだとOさんと話を交わす。

この大きな倒木も久し振り 佐々里峠に降り立つと登山者の車はなく

 バスまで時間があるので、オバナ谷でユックリ後始末し着替えてサッパリする。庄兵衛さんに寄り、哲郎はビール、道子はミルクとお喋りで時を過ごしバスを待つ。







木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14-7】
ミゾホウズキ