釣瓶岳 (金山谷北方尾根~ナガオ~ダケ道)//奥比良
2017.10.26


 
台風の影響で今年の紅葉はアキマセン!
釣瓶岳からナガオを下る


2017.10.26 (木) 晴れ   哲、道

行き:JR京都 6:31 = 7:23JR近江高島7:27 - 黒谷バス停
帰り:JR比良16:52 = JR京都
コース:
・黒谷バス停~林道分岐を右~林道終点~(金山谷北方尾根)~標高900m小ピーク~イクワタ峠~▲釣瓶岳~(ナガオ)~広谷~イブルキノコバ~八雲ヶ原~北比良峠~(ダケ道)~大山口~イン谷口~JR比良駅

注意:
◆金山谷北方尾根は所々古道跡が残っていますが歩きにくい。釣瓶岳からのナガオの尾根に道はありません。初心者だけで出かけないようお願いします。







 ここしばらく雨が降り続き台風も吹き荒れ、今後も雨模様と言う天気予報で週末に山に出かけられない。来週も台風がやって来そうだ。10月26日は平日だが晴れると言う予報なので、予定をすべてキャンセルし山へ出かけることにする。

 「ナガオへ紅葉見物!」と計画するが、湖西線の電柱が台風で折れしばらく運休すると言う。ナガオを諦め城丹国境尾根へと思っていたら湖西線が復旧したのでナガオに出かけることになる。でも京都バスは平日運休なので、近江高島から畑行きのバスを利用しイクワタ峠へ向かうことにする。

 JR京都駅、湖西線の電車に乗るが、発車時刻を過ぎても動かない。「信号待ちです!」とアナウンスあるが、そんなことはないだろうと哲郎。5分遅れで出発するが「畑行きのバスに間に合うかいな~」とイライラ!。

 近江高島には2分遅れで到着しバス停へ急ぐ。4名がバスに駆け込むとすぐに発車する。一人の登山者が同乗していて、彼は何処へ向かうのやら?。黒谷で降り、早速南へ黒谷の集落を抜けていく道を歩き始める。

バスは黒谷バス停から畑へ 黒谷の集落を抜けていく道を歩き

 集落の道端でアキノキリンソウを見る。まだ朝早いので出歩いている人はいず、車だけが通り過ぎて行く。集落の外れにあるゲートに着き、通り抜けて準備していると、いつの間にかお婆さんがゲートの反対側に立っている。

 道子が話しかけると「気を付けて行って下さい!」と声を掛けてくれる。このお婆さん、準備が終わり我々が歩き始めてもゲートに立ち、見送ってくれる。彼女は一人で淋しく暮らしているのかも知れない。

 「10分休んでしもた!」と、林道を歩き始めるが、緩やかなので心地よく歩いて行く。林道のアキノキリンソウは終わっていて、他の花も、もう見当たらない。

ゲートを通過する 緩やかな林道を登って行く

 ゲートから10分足らずで林道分岐に着く。分岐から右に登って行く道をとる。左は八池谷沿いに進み八淵の滝方面へ向かっているが、大雨後の今日は水量が多く、滝の遡行は危険であろう。

 しばらく歩いていると橋を渡たり林道が分岐する。「こんなところに林道分岐あった?」と先日の下りでの記憶はない。渡った谷は少し小さく栗木田谷ではないので左にとる。

林道分岐で右をとる 橋を渡たると林道が分岐すが
栗木田谷ではないので左をとる

 すると左手に広い谷を見て一安心する。林道が谷から離れてくると、足元は大量の杉の落ち葉で埋まり歩きにくくなる。この付近から林道は荒れてきているので、この奥の植林地は最近余り手入れされていないようだ。

左手に広い谷を見て一安心する 足元は杉の落ち葉で埋まり歩きにくい

 栗木田谷にかかる立派な橋を右岸へ渡ると、道は谷の様に荒れていて歩きにくい。もうここは車が進入できないだろう。200m進み左岸へ渡り返すと、谷から少し離れ植林地の中の林道を歩くが、ここもゴロゴロ石と落ち葉で歩きにくい。

立派な橋を右岸へ渡ると 右岸の林道は谷の様に荒れ

 この付近の林道は車用の簡易舗装なのか左右2ヶ所にコンクリートが続いている。そのコンクリートは古くゴツゴツしているが、2人はそこが歩きよいとその上を歩いて行く。

 前方が明るくなり広場に出合う。昔はここが林道終点だったのか?作業用の小屋があったのか分からないが、林道は先へと続いている。目の前に大きな堰堤が見えてきて林道終点に着く。ここが金山谷の分岐で、右の植林地がこれからイクワタ峠へ登って行く金山谷北方尾根の起点である。

コンクリートの上が歩きよいと 大きな堰堤が見えてきて林道終点に着く

 黒谷から75分歩いたので予定より15分遅れている。でも今日は始発のバスで来たので、2人は余裕を持って目の前の尾根を登って行く。ジグザグに登って行く古道はハッキリしている。標高620mで「造林公社」の看板をみて、直ぐその先標高630mで炭焼窯跡に出合う。

林道終点から右の植林地の尾根を登る 最初、古道はハッキリしている
標高620mで「造林公社」の看板 標高630mで炭焼窯跡に出合う

 標高670m付近から古道は右(北)へ折れ、ハッキリしなくなるが、古道の跡を見つけてはそれに沿って行く。溝状になった古道は標高690m付近で左へカーブし支尾根を登って行く。

 古道は尾根の北側を登って行くが途中でハッキリしなくなる。でも尾根は狭くなってきているので、何処を登っても問題ない。

標高670m付近から古道は右(北)へ折れ
ハッキリしなくなるが
溝状になった古道は標高690m付近で
左へカーブし支尾根を登って行く

 標高800m付近から雑木に変わり、勾配もゆるくなり、やっと心地よく登ることになる。上りなので緩やかになった分、雑木の中を長く歩いたような気がする。前方の雑木が切れると、標高900mの小ピークに着く。10時30分、林道終点から75分かかっているので予定より10分遅れ、ここもユックリ登ってきたようである。

雑木に変わり心地よく登る 標高900mの小ピークに着く

 目の前にある比良縦走路に白いテープを見る。「FAIRY TRAIL」と書いてあるテープは縦走路に点々と続いていて、「競技後外してくれればいいが!」と。帰ってネットで調べると、「競技終了後に外します!」とあった。

 登山道を左にとりイクワタ峠北ピークへ向かう。峠に近づくとそこに1人の男性を見る。バスで同乗した男性である。彼は畑から同じ時間でやってきているので、畑方面からイクワタ峠へ向かうのに金山谷北方尾根を苦労して登らなくても良いようである。

 ここにはリンドウが数株咲いていたので、彼はこの花を見ていたようである。我々も彼を追うように釣瓶岳へ向かう。

イクワタ峠北ピークに着く 白いテープは峠北ピークから朽木栃生へ

 シダの登山道を登り、苔の急坂を登りきると山頂は近い。山頂に近づくと雑木の黄葉が進んでいて、これを見ながら登って行く。

 11時20分、釣瓶岳に着くが予定より50分も遅れている。でも早いバスで畑から登ってもこの時間に着くことが分かった。山頂には先行の男性が食事中で哲郎が尋ねると、彼は横谷峠から登ってきて我々と同じナガオを下って行くと言う。彼は地味な服装だが、この付近は歩きなれているようで、静かに山を楽しんでいるようである。

黄葉を見ながら山頂へ向かう 釣瓶岳山頂に着く

 2人は山頂からナガオへの尾根を少し下ったところで昼食とする。食べ終わった頃に山頂の彼は通り過ぎていく。今日はユックリ25分の昼食休憩、我々もナガオの尾根を下って行く。

 「これはアカン!」と哲郎、台風がきつかったのだろう見頃の紅葉は散り、これら楽しむ葉も縁が痛んで茶色く変色しチリヂリ状態である。「残念だ!」と今年は紅葉を楽しむことなくサッサ下ることになる。

 尾根が南東に向きを変える小ピークで、先行の男性が武奈ケ岳を暫し眺めている。哲郎も一見すると、今年は木の葉が散っていて武奈ケ岳が良く見える。

台風で散ってしまい「残念だ!」 木の葉が散っていて武奈ケ岳が良く見える

 2人は小ピークを下って行くが、何処を見ても素敵な黄葉はなく残念と言うことになる。標高1000mを切ると広谷へ下る谷は近い。標高980mの鞍部からユックリ下って行くと、彼の鈴音が聞こえるので、手前の鞍部から先に降りて行ったようである。

 細い谷に降りると、今日は水が流れている。谷は溝状に深くなってくるが、大木を過ぎて広谷へそそぐ手前で左手の斜面に取付き斜面を下って登山道に降り立つ。

 登山道にカップルがいて対岸の男性と話をしているが話が通じないようなので哲郎が声を掛ける。「ガリバーへ戻りたいので、八雲へ行きたい!」と。今日は大水の中大摺鉢手前の渡渉ポイントをロープを使ってやっと渡って来たので、帰りは楽な道から帰りたいようだ。

左手の斜面に取付き 登山道に降り立つ

 哲郎は地形図を見せ、八雲からは貴船の滝の梯子を下ることになり、水量も多いので女性には無理なので、引き返すように言う。もう一つ理解できないようなので登山地図を取り出し説明すると、やっと理解され引きかえすといい、広谷へと歩き始める。

 連れの女性は、彼は50年来のベテランですとのことだが、地形図やコンパスも持たず、大雨後にガリバーから女性を連れて登って来るとは、哲郎には考えられないことである。昔、雨の日に道子と二人で貴船の滝の梯子を登った、苦い経験を思い出す。

 広谷に着き右の谷を渡って谷筋をイブルキノコバへ向かう。広谷には立派な標識があり「八雲ヶ原→とあるのに!」と思うが、彼らはこれに気付かなくてよかったのかも知れない。いつも綺麗な谷筋の紅葉も見られず残念である。「紅葉はまだなのだろうか?」と哲郎。

広谷に着き右の谷を渡って
イブルキノコバへ向かう
イブルキノコバへの谷筋に
紅葉は見られず、ここも残念

 イブルキノコバから八雲ヶ原へ向かいゲレンデ跡を登って北比良峠へ向かう。途中で振り返る道子「綺麗だ!」と、今日初めて綺麗な紅葉を見る。

 北比良峠からダケ道を下って行く。溝状の道には落ち葉や折れ枝が埋まり、ゴロゴロ石が見えにくく慎重に歩く道子、時間がかかってしまう。

今日初めて綺麗な紅葉を見る
八雲ヶ原
溝状の道には落ち葉や折れ枝が埋まり

 トレランの人が追い越していく。彼らの足は丈夫なのだろうか。道の両側が切り落ちた細い尾根、ここも紅葉はなく残念、さらに足元に地割れを見る。大雨が来ると崩れそうだ。ここが崩れると、しばらくダケ道は通れなくなるだろう。

 途中に落石や倒木を見て、今回の台風の強さが分かる。こんな状態が大山口まで続き、いつもは50分でくだるところ90分もかかってしまい「かかり過ぎや!」と哲郎。

あちこちに地割れを見る 地割れで崩れたところもある

 トイレ休憩後イン谷口へ向かう。今日は平日なのでバスはなく、イン谷口から橋を渡っていつもの雑木道、でもここも落葉激しく歩きにくそう。「猿が出そう!」と道子、仕方なくアスファルトのバス道を歩くことにする。

 今日は長時間歩いたのでアスファルト道では足の裏が痛くなる。湖西道路下を右に取り、いつもの道からJR比良駅へ向かう。16時30分に比良駅に着き次の電車は諦め、ユックリとトイレで着替えてホームにあがる。

 「今日は紅葉、残念だったな~」と2人は目の前の比良の山々を眺めながら電車を待つ。








主は季節のために月を造られました。
太陽はその沈む所を知っています。


詩篇 【 104:19 】
リンドウ
チョット花が多すぎる!