地蔵山 / 京都北山
(愛宕猪ヶ谷~ジープ道~△~芦見峠)2017.04.01


 
注意しながら滝横を登って行く
愛宕山猪ヶ谷の遡行を楽しむ


2017.04.01 (土) 曇り   哲郎・道子

行き:JR京都7:50 = JR保津峡8:10 - 水尾
帰り:越畑 14:16 - JR八木14:58= JR京都駅

コース:
・水尾~愛宕山猪ヶ谷~ジープ道出合~登山道分岐~地蔵山分岐~反射板(・917)~△地蔵山~西向き地蔵~スキー場跡~芦見峠~越畑隧道出口~越畑バス停

注意:
◆愛宕山猪ヶ谷道は植林地の中、谷沿いを歩きます。小さな谷ですが谷は荒れ古道は崩れ、倒木や間伐材や打ち枝が散乱していて歩きにくい。ルート選定が必要な【初心者危険コース】なので、初心者だけで進入しないようお願いします。







 今日は霊仙山西南尾根のフクジュソウ観察に出かける予定であったが、ネット情報では尾根に全く咲いていないとある。天候もすぐれないので延期する。それではと、近くの愛宕山猪ヶ谷から地蔵山へ出かけることにする。

 保津峡駅の水尾行きのバスは8:05⇒8:10に変更されているが、1本早い電車で出かけることにする。バスの登山者は少なく、今日は乗客4人で出発する。

保津川鉄橋が保津峡駅 水尾行きバス時刻は更新され

 いつものようにバス回転場まで乗せてもらい、バスを降りるとすぐに北の猪ヶ谷取付きへ向かう。水尾の桜はまだだが、今は梅が満開で柚子畑の間に咲き誇っている。今年は雪解けが遅かったのか、道端の野草の花は少ない。

 右手の山裾に水場を見ると、猪ヶ谷取付きは近い。前方にカーブミラーが見え、そこが岩ヶ谷道・猪ヶ谷道の取付きである。バスから15分歩いて取付きに着く。

今は梅が満開で柚子畑の間に 水場の向こうにカーブミラーを見る

 カーブミラーの右手に見えるのが岩ヶ谷で、猪ヶ谷は少し離れて左手に見える。準備も終わり岩ケ谷沿いの道を登って行く。左手すぐの林道は行き止まり、その先10m上に左に巻いて行く道が猪ヶ谷の古道である。巻道は谷より少し高いところにあるが、歩いて行くと左手に猪ヶ谷が近づいてきて道に沿うようになる。

岩ケ谷沿いの道を登って行き 左手に猪ヶ谷が近づいてきて
道に沿うようになる

 道はすぐに消え、植林地の中の谷沿いを歩くことになるが、早速倒木や打ち枝、間伐材が散乱し、さらに谷も荒れてきて歩きにくくなる。

 最初の古い橋に出合うが、もう朽ちているので、上流の渡れるところを探し右岸に渡る。

道も消え歩きにくくなる 渡れるところを探し右岸に渡る

 ここからしばらく右手に谷を見ながら、足元の倒木を見ながら歩いて行く。昨日、雨が降った割には谷の水は少なく安心する。現れていた古道も消え谷の中を歩く。再び古道が現れ右岸を歩くようになり、勾配がきつくなったのか谷は階段状に小さな滝が連続しているように流れる。

もう谷はグチャグチャ 勾配がきつくなったのか
谷は階段状に流れる

 しばらく右岸の古道を歩いて行くと前方に大きな滝を見る。この谷で一番高い滝だが、右岸に残る石組みの古道を注意して登って行く。

 登り切ったところで足元にアイゼンを見る。この冬この谷もアイゼンを付けるほど積もったようである。でも片方が外れて・・・気が付かなかったのだろうか。このアイゼンは年代物で、このコースを歩くということは、歩きなれた年配の登山者のようである。

右岸に残る石組みの古道を注意して 片方が外れて・・・
気が付かなかったのだろうか

 右岸が詰まったところで左岸に渡るが、橋は機能しないので2人は好きな渡渉ポイントを探し左岸へ渡る。前方遠くが明るくなってきたので、この荒れた谷と植林地はもうすぐ終わる。でもここからが大変、左岸にあった古道は浸食されなくなり、両側に植林地が迫ってきている。「どこを歩こう?」と言うことになる。

 植林地を登って迂回するのも危険だと谷の中を進んで行く。もう無理だと言うところまで来て植林地に乗る。谷横に古道の跡を見つけたところで再び谷に降り左岸を進んで行く。古道もシッカリしてきて「やれやれ」と思った頃前方に小さな滝を見る。

 ここにも橋があり右岸へ渡っていたのだが、橋が朽ちてきたので滝上にロープが張ってある。ここを渡れと言うことだろう、滝上へ注意しながら登り右岸へ渡って行く。前方は明るくなり、荒れた植林地も終わりに近づいたことが分かる。

何処を歩くか思案する道子 橋が朽ちて滝上を歩くことになる

 植林地を抜けると少し開けたところに出て、ここで小休止する。標高580m付近で、半分来たことになる。取付きから丁度1時間である。右岸に続く古道はすぐに植林地へ入り、これを進んで行き、行き止まったところで左岸に渡り植林地の裾を歩いて行く。右岸前方は雑木に変わり谷は明るくなる。

 足元に転がった石は何層にも重なっている石で、これを見て砥石の山(ガレ場)が近づいたことを感じる。前方に砥石の山が見えてきて、これが谷に広がっている。下の谷は大雨で深くえぐれて通れないので、この石の山を登ることになるが、ツルツルの平べったい石が積み重なっているので、これがまた足と一緒にズルズルと動いて行く。

止まったところで左岸に渡り 転がっている石は何層にも重なり
植林地の裾を歩いて行く ツルツルの石が積み重なっているので

 しばらくズルズル滑るガレ場を登って行き、これが過ぎると左岸の古道跡に乗り左手に勢いよく流れる細い滑滝状の谷を見ながら登って行く。前方に大岩が現れ、古道跡を探しながらこれを越えていくと、谷も道も穏やかになり猪ヶ谷の源流に着く。

 ここまで来ると、谷はいままでの勢いは何処へ行ったのかと思うほど流れも勢いもなくなってくる。古道もシッカリしてきて足元に雪を見るようになる。

左に滑滝状の谷を見ながら古道を登る 古道もシッカリしてきて足元に雪を見る

 ジープ道まではあと標高差50m、植林地に入って谷沿いを進んで行くが頭上から雪が落ちてくる。「飴さんが欲しい!」と道子、立ち止まった哲郎が飴を取り出していると爆弾の直撃を受ける。まだ柔らかい爆弾で助かるが、とにかく急いで植林地を抜けることにする。

 前方が明るくなってくるが、雪でジープ道が見えず「ここで良かったにか?」と一瞬考えてしまう。植林地を抜けると確かにそこはジープ道、周囲は白一色、「4月だというのに!」と2人はビックリしてしまう。

植林地の中谷沿いを進んで行く 雪でジープ道が見えず

 丁度11時、谷が荒れている分少し時間がかかったが、ここで猪ヶ谷の遡行は終わる。さて地蔵山へ向かうが周囲は5~10cmの積雪、左にとり雪景色を楽しみながらジープ道を歩いて行く。

 直ぐの分岐で右の登山道に入り、地蔵山分岐への道を進む。右手が開けているのでこの道の積雪も多い。今日はアイゼンは置いて来たし、地蔵山から芦見峠への急坂の道を心配する。

ジープ道は5~10cmの積雪 直ぐの分岐で右の登山道に入り

 数分歩いて、道横の木を見て「ここだろう!」と、地蔵山への分岐に着く。地蔵山へは1年振り、道が見えずトレースがないので地形図で進入方向を確認し、木々の中を歩き始める。「反射板までは15分」と道子に言うが、道を探しながら雪を被ったアセビの木を潜りながらなのでユックリと歩くことになる。歩いて行くと木々の下は積雪が少なくなり、道も時々薄っすらと見えてくるので安心する。

道横の木を見て「ここだろう!」と
地蔵山分岐
アセビの木を潜りながら

 「まだ!」と道子、反射板はなかなか現れてくれない。分岐から25分歩いて反射板に着く。「少し遅れた!」と、目の前の地蔵山山頂を一見しすぐにピークを下って行く。急ぎ足で歩いたのか、最後はチョット登って反射板から12分で山頂に着く。

 11時45分、予定より少し遅れたがまずまず、でも山頂は寒くバスの時刻も心配なので昼食は芦見峠に下ってからとすぐに下山することにする。登山道はハッキリ覚えていなく、道も見えないが「ネット沿いに歩いたことは覚えている」と、山頂から北へネット沿いに下って行く。

 ネットから離れ、今度は西向き地蔵を探す。前方にフェンスが見えてくるが、アセビの低木と雪とで道が隠れ、道を探すことになる。やっと西向き地蔵に出合い、フェンス沿いを下って行く。

分岐から25分歩いて反射板に着く 目の前の地蔵山山頂を一見し
△地蔵山に着く やっと西向き地蔵に出合い

 地蔵山からの下り、雪は心配したほど深くなく一安心、でも低木のアセビを潜りながら下って行くのでズボンもザックも濡れてしまう。標高850m付近で低木のアセビが終わると、しだいに勾配もきつくなっていく。アイゼンは持参していないが「チェーンのスベラーズがある!」と道子、効果があるかどうか分からないが2人はそれを靴に着ける。

 標高800m付近から積雪は消えてくるが、急勾配に変わる。濡れた木の葉で滑らないようゆっくりと下って行く。標高差100mも下ると緩やかになり、周囲は植林、雑木、疎林を繰り返しながら変わって行く。

標高850mから下り始める 急斜面を滑らないように

 前方に送電線の鉄塔が見えてくる。その横を下ると芦見峠に着く。12時35分、山頂から50分である。ズボンもまだ乾いていなく、身体全体が湿っぽいと昼食はバス停に下ってからにする。

 峠道を下って行き谷筋に出合うと、そこは越畑隧道の出口で激しく流れる水の音がする。その先の峠道は崩れていたが、今は真新しい舗装道を見る。「ここは過去何度も崩れているので、また崩れるだろう!」と哲郎。バスまで1時間以上あるので、水場に寄りドロンコの用具を洗い収納し、湿った服も着替える。

鉄塔を見ると芦見峠に着く 崩れていた芦見峠道は修復され

 13時15分にバス停に着く。バス停前の喫茶店はやっている気配はないし、そば屋さんへ行くには中途半端やし、と結局バス停でオニギリを食べてここでユックリバスを待つことにする。でも日射しも弱く風があるので、全身湿っぽい道子は「寒い!」とカイロを取り出し使用するが温まらず、哲郎が持参するウィスキーをなめることになる。

 目の前をスケーターに3人乗りの子供たちが、賑やかに通りすぎる。都会ではこんな遊びは出来ないが・・・、「今春休みか~!」と哲郎。






主は季節のために月を造られました。
太陽はその沈む所を知っています。


詩篇 【 104:19 】
春がやって来た!
ハクサンハタザオ