武奈ケ岳 //比良
(御殿山~西南稜~細川道) 2017.03.04


 
動物の足跡を追ってシラクラの山々を見ながら
武奈ケ岳山頂より細川道を下る


2017.03.04 (土) 晴れ   哲単独

行き:JR京都7:57 = JR堅田8:50- 坊村(江若バス)
帰り:細川16:24 - JR安曇川17:15 = JR京都


コース:
・坊村バス停~P846~御殿山~ワサビ峠~西南稜~△~細川道~P706~細川バス停

注意:
・武奈ケ岳から細川へ下る尾根に道はありません。下りの場合は標高1070mと1000m付近で尾根分岐があり、ずれも右の尾根をとります。地形図やコンパス等で確認しながら下ります。積雪時は初心者危険コースですので初心者だけで進入しないようお願いします。









 先週用事で行けなかった武奈ケ岳へ出かけることになるが、道子が風邪気味なので哲郎一人で出かける。哲郎も風邪気味で、花粉の影響かもとマスクをして家を出る。

 JR堅田駅から細川行きのバスは満員にはならず「もう冬山シーズンは終わったのか?」と思ってしまう。平で半分の乗客が降り蓬莱山への縦走を楽しむようである。坊村で降りると、トイレ前では車でやって来た団体さんも混じって、賑わっている。

 準備と言っても今日はオーバーズボンはなしで、スパッツだけで歩き始める。明王院への橋を渡ると先行の団体さんがアイゼンを装着中、これを見て哲郎もアイゼンをつけることにする。

団体さんで賑わう坊村バス停 明王院への橋を渡ると

 植林地の積雪はそれほど多くはないが、登山道は踏み固められた雪道が続き、やはりアイゼンが必要のようである。哲郎は前の団体さんと後ろの団体さんの間を歩いていて前後に登山者がいなくなるので、写真を撮るために前の団体さんへ追いついて行く。

 この植林地の登りは標高差400mありシンドイところなので、いつもは150m毎に1~2分飲水休憩することにしているが、今日は足が進まず100m毎に休むことになる。前の団体さんから少し遅れて標高700mの小ピークに立つ。

植林地の登りは標高差400mあり 植林地を登り小ピークに着く

 ここで皆さん小休止し、P846の尾根への急登に備えている。哲郎は飲水後すぐに登り始める。もう3月だが雪が多いのだろうトレースは直登の冬道にあり、これを辿って登って行く。前方にカップルさんがいて、その前は団体さん、じわじわと詰まってくるが、これ幸いにと小休止する哲郎。

 尾根まで登って小休止する。ここは夏道下山口の手前50mの所である。ここからP846へと登っていうが、哲郎は夏道を歩いて迂回してみるが、これが要らぬこと、トレースもなく時間がかかってしまう。

直登の冬道を登って行く P846の尾根に着く

 尾根を進んで行き夏道の巻道分岐を過ぎると、尾根は登り始める。急な登りではないのに最近数Kg太った哲郎にはキツイ登りである。道子でも入れば話しながら進むと気がまぎれるものだが、雪道の一人はキツイ。

 小ピークを超えると雪庇地帯に入る。久し振りにここの立派な雪庇を見る。もう硬くなったのだろうトレースは雪庇の上にあり、そこを歩く。これを登りきると見晴台に着く。今日は天候も良くクッキリ見える京都北山を楽しみながら小休止する。

トレースのある雪庇の上を歩く 京都北山を楽しみながら小休止する

 御殿山に登り始めと右手遠くに蓬莱山を見ながら、今度は左手の雪庇の下を歩きながら御殿山へ向かう。12時15分、御殿山に着く。「予定より遅れた!」といつつ、皆さん昼食中の間を通り武奈ケ岳を一望してワサビ峠へと下って行く。

今度は左手の雪庇の下を歩き 御殿山から武奈ケ岳を望む

 峠に着き振り返ると、ここの雪庇も十分残っていて、まだまだ雪を楽しめそうである。でもワサビ峠の標識の頭が少し見えてきているので、雪解けは速いかも知れない。「昼食は?」と場所を探すが、峠は風が通っているので少し登ってからにする。

ワサビ峠の雪庇も十分残っていて ワサビ峠の標識の頭が少し見えてきている

 西南稜へ半分登った大木の横で風を避けながら昼食とする。目の前に御殿山を見ながらオニギリを食べる。もうこの時間でワサビ峠からやって来る人は少ないので、御殿山で折り返す人も多いようである。

 余りにエネルギーを使ったのか、3個のオニギリでは足りず、帰りにと思っていたどら焼きも食べることにする。哲郎はザックから魔法の薬を取り出しお湯割りで頂く。これが美味しく、2杯も頂き、この後大丈夫かいな~。

 暖かいので20分ユックリと休み西南稜を登り始める。でも足が動かないので何度も立ち止まることになる。正月からの酒の飲み過ぎか運動不足か、洛西オヤジさんごとくメタボになってしまった哲郎、今日からお酒を控えようと思うがこれがなかなか。

オニギリの後は魔法の薬 西南稜を登り始める

 このメタボのせいか、さっき飲んだお湯割りの影響か、とにかく足が進まない。もう前方から降りてくるたくさんの人に出会うことになる。13時30分にやっと山頂に着き、道子にメールすると「遅いな~!」と返ってくる。

 山頂にはたくさんの人が休憩しているが、こんな時間にここでユックリくつろいでいるのは車登山の人たちであろう。哲郎はバスの時刻に合わせ、すぐに下山することになる。

西南稜の雪庇の上を歩く やっと山頂に着き

 北稜へ進み細川道の下山口へ向かう。細川道の尾根にトレースはなく、動物の足跡だけが続いている。アイゼンのまま歩き始めると、雪は締まっていて丁度いい具合、ワカンは不要のようである。

 最初は細い尾根、雪庇もできているので左右に落ちないように注意して下って行く。しばらく細い尾根が続くが、意外に早く下ることができ、細川15:37堅田行きのバスには間に合うだろうと。標高1100mになると尾根は少しずつ広くなる。

最初は細い尾根、動物の足跡だけが続く 尾根は少しずつ広くなる

 下山時注意することは、標高1070mと1000m付近で出合う尾根分岐、いずれも右にとることである。分岐に近づくと地形図やコンパス等で確認しながら下って行く。不思議にも動物の足跡も哲郎が下る方に続いている。

 前方に見えていたシラクラの山並みも木々にかくれてくる。快適な下りが続いていたが、標高800m付近から雪が柔らかくなってきたので踏み抜きに注意しながら歩き、頭の中では「いつワカンにしようか」と考えながら下って行く。

標高1000mの尾根分岐では
右手の細い急な尾根をとる
快適な下りが続く

 P706を過ぎると踏み抜きが増えてきて何度もこけてしまう。「だけど後もう少しだ!」と、我慢しながら進んで行く。ここに来てシューかワカンの古いトレースが現れてくる。この上を歩けば踏み抜きも少ないだろうと、これを辿って下って行く。でも時々はまって倒れてしまう。

 標高600m付近で尾根は植林に変わる。ここもトレースに沿って下って行くが、植林地は雪の下に空間ができていて、たびたび踏み抜くことになる。ここでワカンをすれば良かったが「面倒だ!」と、アイゼンのまま我慢して下って行ったので、時間がかかってしまう。

P706付近 尾根は植林に変わる

 植林地の中で巻道分岐に着く。トレースを追っていくと、すぐに巻道から直登コースへ向かっていく。巻道はトレースなくワカンをして歩こうか・・・、結局トレースを追って直登コースをとる。これが大失敗で、踏み抜きの連続で時間がかかってしまう。やっと前方が明るくなると送電線に出合い細川はもうすぐ。細川の地道までたどり着いた時には、バスの時間にギリギリとなってしまう。

 さらにこの地道にも積雪があり「バスはもう間に合わない!」と思いながら下って行く。お墓から簡易舗装に変わり、ここでアイゼンを外す。細川バス停に着いた時にはバス時刻丁度で、少し待ってもバスはやって来なく「あ~残念!」と言うことになる。ワカンを付けず我慢したのが失敗で堅田行きのバスに乗り遅れたようである。

 「仕方ない!」と、谷へ降り用具を洗おうと階段を下り始めると、哲郎の目の前を遅れたバスが通り過ぎていく。「ここが始発なのに!!」とがっかりの哲郎。用具を洗い収納し、着替えを済ましサッパリする。

前方が明るくなり送電線下へ 歩道には60cmの雪が残り

 朽木方面のバス停(注意:細川バス停は堅田方面と朽木方面別々にある)へ向かう。歩道には60cmの雪が残りとても歩けなく、今年は雪が多かったことが分かる。バス停に着くころ丁度安曇川行きのバスがやって着て、発車までバスの中で待たせてもらう。

 朽木学校前で数人の登山者を乗せ、右手に蛇谷ヶ峰を望みながらバスはJR安曇川駅へと向かう。







木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14-7】
フキノトウを少し頂く