釣瓶岳(イクワタ峠~ナガオ~ダケ道)//比良
2016.10.22


 
チョット早かったと言いつつも
ナガオの紅葉を楽しむ


2016.10.22  (土)  曇り   哲、道
行き:出町柳駅前7:45- 朽木栃生 (京都バス)
帰り:イン谷口15:25 - JR比良15;37 = JR京都


コース:
・朽木栃生バス停~P449~コメカイ道分岐~ササ峠分岐~イクワタ峠北ピーク~△釣瓶岳~(ナガオの尾根)~標高980m鞍部から谷筋を下る~細川越え(広谷)出合い~広谷分岐~イブルキノコバ~八雲が原~北比良峠~(ダケ道)~カモシカ台~大山口~イン谷口バス停

注意:
・ナガオの尾根に道はありません。尾根は1本ですが支尾根に迷い込まないように注意が必要です。釣瓶岳からスゲ原を巻くように南にとり、標高1050mの石の小ピークで南東へ曲がります。標高1000mを切ったら広谷への下降ポイントは近い。標高980mの鞍部から右手の谷筋を下ると広谷分岐付近の細川越えに出合います。









 「ナガオへ紅葉見物に行こう!」と言うことになる。いつもの日程では見ごろを過ぎているので。今年は1週間早く出かけるが、今年は紅葉が遅れているので「どうだろう?」と悩みながら出かけることになる。

 雨の予報だったので、出町柳発朽木行きのバスは1台で発車する。朽木栃生で降りバス停で準備していると、一緒に降りた男性はすぐに消えていく。「シラクラだろうか?」と哲郎。

 9時10分にスタート、登山口はバス停を少し戻った谷沿いの舗装道で、ここに立派な標識がある。登山口から釣瓶岳までは、この立派な標識があるので迷うことはない(ただ、下りの場合イクワタ峠からササ峠分岐まで、2度支尾根の分岐があるので要注意)。

いつものようにバスを見送る 国道から登山口へ

 谷から離れ折り返していく道を登って行くと、登り切ったところで右手に登る道(標識あり)をとり登って行くと、1軒の民家にたどり着くが、その手前で谷沿いの細い道へ進入する。これが登山道である。

登り切ったところで右手に登る その手前で谷沿いの細い道へ進入する

 谷沿いを進んで行くと植林地に突き当たり、ここから標識に従って左の植林地を登って行く。この登山道はコメカイ道なのでシッカリした道が続く。稜線に出るまでは植林地が続き面白くはないが、大きくジグザグに登って行くので御殿山の様にはしんどくない。最初は100mも北へ巻いて行き、次々と大きくジグを切って登って行く。

標識に従って左の植林地を登って行く おおきくジグを切って登って行く

 P449の支尾根に乗り小休止、ここから雑木も現れてくるが、すぐに植林に変わる。支尾根を登って行くとアカマツが増えてきて一旦勾配は緩やかになり、これで楽になると思いきや、再び支尾根をジグザグに登り始める。

 途中でコメカイ道の分岐に出合う。上のササ峠道と同じように谷筋で崩れてきているので、最近はコメカイ道を訪れる人も少なくなったようである。コメカイ道分岐から10分も登ると、やっと尾根の南側を巻いて行く道に変わる。

一旦勾配は緩やかになり コメカイ道分岐

 緩やかに登って行く道を15分進むと、ササ峠道分岐に着き小休止。哲郎が小休止していると道子は飲水後すぐに登って行くので、哲郎もすぐに追っていく。

 ここからイクワタ峠まで登りが続くが、周囲に雑木が広がり苦にならない。この付近で標高750~800m、「やはり紅葉には早かったか!」「尾根筋ではどうだろうか?」と期待する。そのうち、やっと赤いものがチラチラと混ざるようになるが、紅葉にはまだまだである。

ササ峠道分岐から支尾根を登って行く 雑木の尾根は心地よい

 途中2度左からの支尾根に合流する。ここは北側が開け、蛇谷ヶ峰を望む。イクワタ峠北ピークに着き南への細い尾根を釣瓶岳へ向かう。シダが枯れてきて、その中を歩いて行くが「熱風が上がってくる!」と道子、余り感じない哲郎、道子は臭覚、視覚・・と五感がするどいようである。

 霞んでいるので、琵琶湖の景色を楽しむこともなく黙々と歩いて行く。前方に急斜面を見る。釣瓶岳までの最後の急斜面、ヒカゲノカズラという苔のようなシダ植物が一面に生えた滑りやすい急斜面を登って行く。鹿だろうか何度も滑った足跡を見るので、動物でもここは登り難いようである。この斜面を登りきると釣瓶岳は近い。

イクワタ峠北ピークに着き ヒカゲノカズラが生える急斜面を
登りきると釣瓶岳は近い

 「やれやれ」と山頂に向かって歩いていると、前方からトレラン風のカップルがやって来る。先日の朝日峯で出会ったカップルの女性もそうであったが、トレラン衣装をまとった女性は美しく見える。いやスタイルが良くないと、こんな恰好は出来ないのかも知れない。蛇谷ヶ峰まで行きますと言う二人であったが、「私もこんな荷物が無ければ縦走できるやろか?」と重装備の道子はつぶやく。

 色好き始めた雑木を見ながら一登りすると、△釣瓶岳に着く。11時40分なのでいつもより10分遅れている。山頂から東のナガオの尾根へ下り昼食とする。今日はヒンヤリ涼しいので風のないところを探す。木の根っこにスズメバチを見るが、もうおとなしくなったようで、そのそばをユックリ歩いて行く。今日は山頂から100m下ったところで「汗をかいた!」と着替えを済ましてからオニギリを食べる。

色好き始めた雑木を見ながら △釣瓶岳に着く

 昼食も終わり、丁度12時に広谷へと歩き始める。色付き始めたナガオの尾根、いつもの紅葉時期には尾根の木々は葉も散っているが、今日はたくさん残っているので、ナガオの紅葉は今が見ごろかも知れない。でも紅葉のピークは来週かも知れない。右手のスゲ原へ下る谷筋の斜面はまだ色付いていない。

 しばらく南にとり、右手前方に武奈ケ岳を見ながら進んで行く。ヌタ場付近で前方から一人の男性に出会う。ナガオで登山者に出会うのは初めてなので二人はビックリ。いやビックリすることではないが、この道が好きな人は要するに「比良の通・乙・粋」と言うことになる。

ナガオを楽しむ ナガオを楽しむ

 石が目立つ標高1050mの小ピークから、ナガオは左に折れ南東へ続く。ナガオは標高1000mの緩やかな尾根で、雑木が続きいつ来ても心地よい。標高1000mを切ると広谷への下降点は近い。足元に細い雑木の低木が増えてきて歩きにくくなる。広谷手前に下る下降ポイントは3箇所あるが、どれも同じ谷筋を下って行くので、下りやすい最後のポイントから下ることにする。

武奈ケ岳が見える石の小ピークから
ナガオは左に折れ南東へ続く
ナガオを楽しむ
この付近の紅葉はこれから

 雑木の低木がなくなってきて下降ポイントの鞍部に着く。一つピークを越えたP991手前の鞍部からでも、谷筋を広谷付近へ下ることが出来るが、少々荒れているのでこちらの谷筋の方が安全に下ることができる。谷は枯れているので難なく下って行き、広谷の谷に出合う手前で左手の斜面に乗り下って行くと、すぐに細川越えの登山道に出合う。

下降ポイントの鞍部に下って行く 広谷の谷に出合う手前で
左手の斜面に乗り下って行く

 降り立ったところは広谷分岐からすぐで、細川越え登山道の渡渉地点の手前なのですぐにわかる。広谷を見上げると紅葉が始まっていて「ここも来週には綺麗に染まるやろ!」と哲郎。直ぐの広谷分岐で谷を渡りイブルキノコバへ向かう。

 谷からコアジサイの道を抜けるとイブルキノコバ、さすがにメインルート、登山者が次々にやって来る。「この付近の黄葉はまだまだ」と八雲ヶ原へ急ぐ。

広谷を見上げると紅葉が始まっていて 広谷分岐の標識

 人影の少ない八雲ヶ原から、リンドウを楽しみながら、ゲレンデ跡を登り北比良峠へ向かう。今日はダケ道を下ることにする。前回武奈ケ岳に来た時、丁度ダケ道でスズメバチ襲撃事件があり沢山の被害者がでて救急車も来たという。

 チョット心配する所だが、気温も20℃を下回っていて「ハチの活動も治まって来ただろう!」とダケ道を下って行く。

八雲ヶ原からリンドウを楽しみながら 誰もいない北比良峠

 カモシカ台手前の登山道が植林地に出合うところに差し掛かると、その手前で「危険なので迂回を進める」案内を見る。二人は前進を止め、右手の急斜面でエスケープして下の登山道へ降り立つ。登山道を振り返ると赤い旗が立っているので、そのそばの木に蜂の巣があるようだ。

 道子もユックリ降りてきて、登山道を歩き始める。直ぐのカモシカ台には2人の男性が休息していて、その横を通って下って行く。

 大山口に近づくとボランティア中のWさんに出会い、ハチの様子を伺うと「活動は治まって来たが、まだハチがいるので、11月に入ったらチェーンソーで木を伐ります!」と言うことであった。ハチの巣も過ぎ、「やれやれ」と大山口へ向かうと谷の方から声がかかる。

ダケ道の紅葉もこれから 登山道を振り返ると赤い旗が立っている

 YNちゃんである。久し振りだが、彼とはここでよく出会う。谷水でストックを洗い、3人で花の話や、世間話、話が尽きることなくイン谷口のバス停に着く。

 朝のバスは7名だったとYNちゃん、それ以上の人が待っていて、やっと秋を感じることになる。JR比良駅でコーヒーで一服のYNちゃんと別れ、ふたりはお先にと電車に乗り京都へと帰路に着く。









山は上がり、谷は沈みました。
あなたが定めたその場所へと。


詩篇 【104-8】
名残のリンドウ