コウンド谷~P951~小野村割岳 //北山
2016.05.28


 
コウンド谷を詰めて行くと前方が明るくなり
大木のある谷分岐に着く


2016.05.28  (土)  晴れ   哲 単独

行き:出町柳7:45- 能見口
帰り:広河原17:30 - 北大路駅前


コース:
・能見口バス停~能見集落~光砥口橋(コウンド谷口)~林道終点~コウンド谷~谷分岐を右~標高820谷分岐から右手の斜面を登る~P951からフカンド谷口への尾根出合~~P951~△小野村割岳~P911~トチノキ鞍部~赤崎中尾根分岐~クビツリ尾根下降点~ホラノ谷林道~広河原バス停

注意:
・コウンド谷からP951~小野村割岳の周辺の山々は穏やかですが、道はありません。芦生研究林に迷い込まないよう注意してください。【初心者危険コース】です。初心者だけで出かけないようお願いします。









 最近何かと忙しい哲郎と道子、今日は哲郎一人でコウンド谷から小野村割岳へ出かけることになる。出町柳駅前バス停で広河原行きに並んでいると、どっと団体さんがやって来る。長岡山人さんのグループで廃村八丁から品谷山へ向かうそうだ。比良方面へも長い列ができ、どちらも臨時便が出て出発する。

 能見口で他の登山者と共に降り、哲郎はバス停小屋で準備する。準備と言ってもスパッツを付けるくらいだが、「あれっ!」と、スパッツのチャックが閉まらない。何処も痛んでいないようだが動いてくれない。時間がどんどん過ぎて行き、他の登山者の声はしなくなる。

 強引に閉めるが数段ずれて閉まる。時間がもったいないので「今日はこれで行くか!」と、バス停を後にし能見集落へと歩き始める。

 バス停付近にはたくさんの車が止まっていて、「何か催しでも?」いやいや釣り師たちの車であった。能見川を覗いてみると点々と釣りを楽しんでいる人を見る。マタタビの葉も白くなってきて、もうすぐ花が咲くだろう。

能見口バス停付近 能見川に沿って能見集落を抜ける

 長戸谷口まで来るが、もう桑谷山へ向かうという人たちの影は見えない。能見の集落が見えてきて川沿いに歩いて行くが、最近ここで人に出会うことはなくなってきた。集落の外れにはジキタリスの花が咲き、この花も今年は早いようだ。

ユキノシタ 今年は開花が早いジキタリス

 集落を抜けると山裾が近寄ってくる。ここにクリンソウとアカモノを見るが、アカモノの花が一つだけと淋しい。ログハウス風の家を過ぎると「光砥口橋」を渡る。ここがコウンド谷口で左へとりコウンド谷沿いの林道を歩くことになる。

 今日は曇っていて「ヒルが心配だ!」とヒル避けをする。スパッツを見ると、不良のチャックは裾が広がってきているのでゴムひもを探し出し足首に巻く。「あ~、心配だ!」と言いつつ林道を歩き始める。

山裾のクリンソウを見る 「光砥口橋」を渡り左がコウンド谷林道

 今日は曇りだが昼から晴れるという予報、でも谷間は暗く降ってきそうな気がする。そうなると心配なのが「ヒル」、足元のスパッツのチャックが少し開いてきているので、さらにゴムバンドで補強する。林道が橋を渡る時、コンクリートの上でヒルを確認するが、林道にはいないようである。林道終点に着き、ここからは谷沿いを歩くことになる。

薄暗い林道、今にも降りそう 林道終点から谷沿いを歩くことになる

 林道終点から山裾を歩いて行き、突き当たったところで左岸に渡り、しばらく左岸を歩いて行く。谷の中を適当に歩いて行くと右手に小さな谷を見る。谷を見ながら真っすぐ進んで行くと古道が現れてきて、コウンド谷の左岸の少し高いところを歩くようになる。

山裾で突き当ると左岸に渡り 右手に小さな谷を見て古道を進む

 古道にシダが増えてきて大岩を回り込んだところで右岸に渡ることになる。雨もポツポツ降ってきて、嫌な予感、谷を渡る時ストックを見るとヒルがくっついている。スパッツが壊れかけの左足の靴にもヒルを見る。慌ててヒル退治、ヒル避けを噴霧する。

 すぐに左岸に渡り返し前方が明るくなると、大木がある谷分岐に着く。雨はすぐに止むが「ヒルが心配」と靴やスパッツのヒル確認、「どうやら大丈夫だ!」と分岐を右に取り右俣を歩き始める。

大岩までシダの道が続く
(ここでヒルが付いたみたい!)
大木のある谷分岐から右俣をとる

 最初は右俣の右岸に古道が残っているのでこれを進み、谷で古道が消えたところで谷の中に降りて行く。ここから谷の遡行が始まるが、小さな谷でそんなに危険な所はない。でも斜面はガレていて滑るので谷沿いを歩く時は注意を要する。

 水の流れる谷の中にヒルはいないので、谷沿いの草木を注意して歩けば問題ないようだが、もうここは標高が高いので昼はいないだろう。

 大木のある谷分岐から35分で標高820m付近の小さな谷分岐に着く。ここで谷の遡行は終わり、丁度12時前と、ここで昼食とする。最後の水場なのでタオルを濡らして顔を拭こうとするとタオルに血を見る。「え~」と鏡を取り出し確認すると首がヒルにやられているではないか。今日は足元ばかり注意していたので上半身が無防備になったようだ。治療をしていると昼食も遅れてしまう。

谷が歩けない時は谷沿いの斜面を歩くが
ガレているので要注意
標高820m付近の谷分岐に着く

 この小さな谷分岐にはトチノキがあり、丁度今花を見る。12時30分、昼食も終わり東の斜面を登り始める。急斜面を10分登ってP951からフカンド谷口への支尾根に乗る。左にとりP951へと歩き始める。緩やかな雑木の尾根を心地よく歩いて行く。

目の前のトチノキに花を見る P951からフカンド谷口への支尾根に乗る

 北へ歩いて行くと左手に穏やかな植林地を見てP951に着く。天狗峠分岐に着くと天狗峠方面の尾根に数人の登山者を見る。先へ進むこともなく何をしているのだろう、以前もここで見かけたような気がする。

 「今日はチョット遅れた!」と、小野村割岳へ急ぎ足、植林の尾根を北西へ進む。尾根が西に向いたところで右の鞍部に下り尾根を乗り換える。再び尾根に乗り西へ歩いて行くと△小野村割岳に着く。P951から25分である。

左手に穏やかな植林地を見てP951に着く △小野村割岳に着く

 山頂付近の火事の跡は年々薄くなってきている。小休止後佐々里峠へと歩き始める。もう歩きなれている尾根だが、緑が綺麗でいつも新鮮に目に映るのが良い。前方から数名の登山者がやって来る。チョット中途半端な時間帯だが下ノ町へ下ると言っているので、車利用のようで安心する。

 南尾根分岐を過ぎるとバイケイソウの群生を見るが、最近雨が少ないので勢いがない。哲郎がエイリアンと呼ぶ木を見て元気なので安心する。尾根にはヤマボウシが続き初夏を感じる。

緑が綺麗でいつも新鮮に目に映るのが良い バイケイソウの群生を見るが
足元にギンリョウソウを見る 哲郎がエイリアンと呼ぶ木を見て

 トチノキの鞍部を登り返すと、赤崎中尾根の分岐に着く。14時20分、このまま佐々里峠へ向かっても十分バスには間に合うが、今日はクビツリ尾根をホラノ谷へ下ることにする。

 赤崎中尾根の分岐からすぐの所が下降点、最初は急斜面なので尾根の下降点を探すことになる。細いヤブの尾根だが早く広河原に着けるのがいい。熊が出そうなヤブ尾根なので一人の時はクマ鈴を鳴らして降りる哲郎。25分でホラノ谷に着き顔を洗い用具を洗っていると雨が降りだしたので、後始末を止め先へ進むことにする。

トチノキの鞍部を登り返すと 赤崎中尾根の分岐に着く

 ホラノ谷はサエ谷と合流しネジリキ谷となる。その谷沿いを傘をさしてユックリと広河原に向かう。民家が見えてきたところで軒を借り着替えて後始末をする。まだ16時前、バスまで時間があり「チョット早く降りてきてしまった!」と、庄兵衛さんに寄り広河原の初夏を感じつつビールをおいしく頂く哲郎・・・。









山は上がり、谷は沈みました。
あなたが定めたその場所へと。


詩篇 【104-8】
ホオノキの花