葛川越 (大岩谷~烏谷山~荒川峠)//比良
2016.05.14


 
シロヤシオのトンネルを歩く
比良縦走路


2016.05.14  (土)  晴れ   哲、道

行き:JR京都7:00- JR志賀
帰り:JR志賀15:40 - JR京都


コース:
・JR志賀駅~高架柱No64~萬福寺~湖西道路下~荒川峠道への林道~荒川峠道登山口~葛川越古道分岐~谷筋で古道寸断~大岩谷出合~枯谷を登って大岩谷右岸の斜面の横道~古道(崩壊多し)~大岩谷~谷分岐で中尾根へ~広場奥の古道~大岩谷左俣の谷分岐へ降りる~谷分岐で左俣~葛川越の峠~△烏谷山~荒川峠~湧水~葛川越分岐出合~登山口~JR志賀駅

注意:
・荒川峠道から大岩谷出合いまでの古道は、途中の谷筋で大きく浸食された深い谷が新しくできていて寸断されています。トラロープがありますが直角に2~3m下りその谷に降りることになります(危険)。また大岩谷渡渉後の右岸の横道は崩壊が進み安心して進むことができなくなりました(危険)。よって葛川越や中ユリのコースは【初心者+中級者危険コース】となり、お勧めできません。









 葛川越、読者のNさんより「1ヶ所手こずった箇所も有りまして」と報告を受け、今日はシロヤシオ鑑賞を兼ね葛川越の調査に出かける。JR志賀駅で降り高架沿いの道を北へ歩き始める。今日は朝から暑いので途中から高架の影になる道を歩く。

 道路沿いの田の畔には、色々と野草が咲いていたのだが、毛虫が多いのか刈り取られている。高架柱No64で左にとり比良山系を見ながら荒川峠道へ向かう。今日は催しがあるのか「おはようございます!」と元気良い小学生のグル-プがやって来る。

 広い道を渡り萬福寺に突き当たり、右に回り込んで進んで行くと前方に雑木林が見えてくる。舗装が終わる手前でスパッツを付けストックを取り出す。

高架柱No64で左にとり比良山系を見ながら 民家を抜けて雑木林へ直進

 湖西道路を潜ると左へ登って行く道が見える。これが荒川峠道への林道でニセアカシアにハチが群がっている。テニスコートを過ぎると両側に植林が続き、登山口まではまだまだ遠い。林道は植林の影になっているが、今日は汗が止まらない。途中の用水路がある広場で小休止、タオルを濡らし顔を拭くことになる。

 林道の橋を渡ると段々と勾配がきつくなってくる。タニウツギやキリの花は例年より早く咲いたのだろう勢いがなくなってきている。登山口に着くと途中で追い越して行った男性が休憩している。二人はその横を抜け登山口から登り始める。

ニセアカシアにハチが群がっている 荒川峠道登山口から登り始める

 荒川峠道、最初は東へと登って行き。途中から折り返し西へ向く。この道、下りに利用する時は苦にならないが、登りだとシンドイと感じてしまう。登山口から15分で葛川越の分岐に着き左の道をとる。谷沿いのユリ道で心地よく歩くことができる古道が続く。

 荒川峠道にある湧水からの谷筋に出合い小休止していると、登山口で休憩していた男性が追いついてきて、チョットした岩場をロープも持たずにヒョイヒョイと谷筋にやって来る。身軽そうな彼に、「ここは荒川峠道ではないですよ!」と一応確認する哲郎、彼はうなずいて通り過ぎていく。

葛川越の分岐に着き左の道を 荒川峠道にある湧水からの谷筋に出合い

 小休止も終わりゆっくりと古道を歩き始める。大岩谷渡渉地点までの谷筋は最近ガレてきて、注意を要するようになってきたが、最後の谷筋に来て二人はビックリする。谷筋が巾4m深さ2~3mに、それも直角に削り取られ、立派な谷ができて古道が寸断されているではないか。

 右手にトラロープが垂れ下がっているが垂直に降りなければならず、左右に迂回する所もない。ここは道子では無理なようなので、少しバックして大岩谷へ降り先へ進むことにする。

古道は緩やかなユリ道で心地よい 立派な谷ができて古道が寸断されている

 一つ手前のガレた谷まで戻ると、急勾配だが何とか大岩谷へ降りられそうだ!」と哲郎、「ロープやロープや!」と道子。また、このロープがザックの奥にあり、なかなか取りだせない哲郎。

 大岩谷も荒れたところがあるので、谷まで降りずに谷沿いの斜面を進んで行きあの新しくできた谷口まで来る。ここから谷沿いの斜面を進み古道へ乗る。少し進むと大岩谷へ突き当たり谷へ降りる。「やれやれ!」と谷で顔を洗う哲郎、道子はすぐ先の枯れ谷へ進んでいる。

大岩谷から新しくできた谷口を見る 大岩谷へ突き当たり谷へ降りる

 すぐ左手に枯谷を見るので谷横を少し登って行、進入禁止のロ―プまで来て谷から右へ上がる。そこに古道があったのだが崩れて消えているので、大岩谷右岸の急斜面を横切ることになる。薄い横道を滑落しないよう注意して歩く。古いロープもあるが、ここは難なく進んで古道に出合う。古道は大きな石がゴロゴロ、それをぬうように進んで行く。

枯れ谷を渡って大岩谷右岸の斜面へ 大岩谷右岸の急斜面を横切る

 古道が少し登り始める頃、道は消え崩壊した斜面を見て再び急斜面を横切ることになる。ロープを固定していた木が抜け浮いてフラフラして、踏み跡も細くなり以前より危険度が増している。

 ロープ場を通り抜けると大岩谷へ降りて行くのだが、ここも斜面が崩壊していているので滑落しないよう慎重に降りて行く。やっと大岩谷へ降りたった二人は飲水休憩とするが、振り返り通って来た斜面を見て「もう、このルートはお勧めできないな~!」と。

 大岩谷から降りて来た斜面のず~と上の方を見るとトラロープが張ってあり、比良財産区の人々かある登山者が張ったのかは分からないが、いずれにせよ谷上の高いところにあり道らしきものも見えないので、危険度が高そうである。

振り返り通って来た斜面を見て
「もう、このルートはお勧めできないな~!」と
大岩谷から谷上を見上げる

 「やれやれ」と谷の中を歩き始める二人、大きな岩に手を掛けながら進んで行くと、すぐに谷分岐に着く。葛川越は左俣の延長上にあるが、ここは中央の中尾根を登って行く。少し登るとチョットした広場に出て、左俣にある中ユリ道の分岐を確認する。中ユリ道は最近小さな谷口から進入するのだが、ここは崩れていないようである。

「やれやれ」と谷の中を歩き始める二人 谷分岐から中央の中尾根を登って行く

 広場の奥にある古道を登って行く。ジグザグに登って行く古道がハッキリしなくなると、左俣沿いに歩いて行き、前方に谷分岐が見えたところで大岩谷左俣に降りる。この谷分岐から葛川越へは左俣を進む。谷と言っても枯谷で岩や石で埋まっていて、その中や左右の谷沿いを登って行く。

広場の奥にある古道を登って行く 前方に谷分岐が見えたところで
大岩谷左俣に降りる

 左手に時々古道の跡を見るが、枯谷沿いを進んで行くと途中で流水を見る。ここが最後の水場だと、顔を洗いタオルを濡らす。標高800mを過ぎたところでゴロゴロ石の谷は消え急斜面を登って行くと、古道が現れジグザグに登って行く。ここまでくれば後は新緑を楽しみながらゆっくりと登って行く。

ゴロゴロ石の谷は続く 古道が現れジグザグに登って行く

 今年はユキグニミツバツツジやイワカガミのピンクが目だたない、「不作なのだろうか?」なんて谷筋を詰めて行くと前方が明るくなり峠が近くなる。峠の手前では先行した男性が昼食休憩中だろう座り込んでいる。我々も峠を越えた木陰でいつものように昼食とする。葛川越11時40分、予定より10分遅れたようだ。

前方が明るくなり峠が近くなる 葛川越の峠に着く

 30分の昼食後は烏谷山へ向かう。我々が登って来た葛川越下山口に「危険注意」の表示板を見るが、この谷はまさしく「危険注意」となってしまった。烏谷山へ登り始めると峠に「ないない!」と言っていたイワカガミがたくさん咲いていて「な~んだ、あるやん!」と花を楽しみながら登って行く。

 ベニドウダンやサラサドウダンはまだまだのようだが、シロヤシオは満開ではないが花を見せてくれるので、「烏谷山には咲いているだろう!」と期待する。烏谷山に着くと3人の女性が昼食中、少し摺鉢山へ寄ったところで満開のシロヤシオを見る。今年は当たり年なのだろうか、たくさんの花を見る。

烏谷山
道子はメールに忙しい!
満開のシロヤシオを満喫

 葛川越の調査も終わり、シロヤシオの花も満喫した二人は早々に下山することにする。このまま摺鉢山から坊村へ向かえば1時間もバスを待つことになるので、今日は荒川峠道を下ることにし、荒川峠へ向かう。

 烏谷山から荒川峠への縦走路はシロヤシオが続き白い花を満喫するが、今年は白に混じる赤い花が少なく淋しい。出会う登山者も少なく、このシロヤシオのトンネルはもったいないような気がする。でもあまりにもシロヤシオが続き荒川峠に近づくころには見向きもしなくなる二人。

シロヤシオが続き快適な比良縦走路 荒川峠に着く
峠のシロヤシオにもう見いることはない

 荒川峠から峠道を下り始める、登山道で最後のシャクナゲをみて快適に下って行く。この道は途中から長い植林地が続き面白くはないが、結構楽に下れるのが良い。湧水まで来て小休止、顔や手を洗い涼をえる。後15分雑木道を下って林道の登山口に着く。

もういいですよとシロヤシオ 荒川峠道を快適に下って行く

 志賀駅までは後1時間、暑いだろうと道子を傘を取り出し日傘とする。湖西道路を潜り雑木林を抜けると民家が見えてきて「やれやれ」、用水路でストックやスパッツを洗い後始末をしてJR志賀駅へ向かう。









山は上がり、谷は沈みました。
あなたが定めたその場所へと。


詩篇 【104-8】
オカタツナミソウ