片波山 (倉谷林道~鍋谷峠~大布施)//北山
2016.02.19




 
谷筋の林道崩壊部分/倉谷林道
道路が数m浸食され送水管だけが残っている


2016.02.19 (金)  晴れ  哲

行き:出町柳駅前バス停7:50 - 下ノ町 (京都バス)
帰り:花背農協前14:45 - 北大路駅前バス停


コース:
・下ノ町バス停~倉谷林道入り口~倉谷林道(通行できません)~広域林道出合~鍋谷峠~△片波山(湯槽山)~南尾根~広域林道出合~大布施広域林道入り口~花背農協前バス停

注意:
◆倉谷林道は谷筋の崩壊がきつく迂回もできません。修復できるまで全く通れません。






 週末は天候がすぐれないので金曜に出かけることにする。道子は仕事なので哲郎一人で出かけることになるが、雪も少なくいい機会だと倉谷林道の崩壊個所の修復具合を調査しに出かけることにする。

 出町柳7:50発広河原行きバスは数人の客を乗せ出発する。今日は大きなザックを持って座ってみたかった見晴らしの良い一番前に座ってみる。見晴は良いがザックを抱くことになり「やはり重く、次からは止めよう」ということになる。

 下ノ町で降り、少し戻って橋を渡る。周囲の山々に白いものを見て「歩けるかな~?」と心配するが、一応6本爪のアイゼンを持参したので、「大丈夫だろう」と。

 林道入り口まで来て準備していると、ヨタヨタと近所のおばあさんがやって来る。朝の散歩だろうか、90歳と言っているおばあさんの話では、「こんなに雪が少ないのは初めてだ!」と言っている。

周囲の山々に白いものを見て 林道入り口まで来て準備していると

 コンクリートの林道を歩き始めると新雪が積もっているので柔らかくて滑ることはない。でも雪の解けたところは凍っているので氷の上を歩かないよう注意して歩く。日陰で積雪のある林道を東へ登って行き西へと変わると、林道には日が当たり積雪はない。

 谷沿いの急斜面上にある林道なので、ゲリラ豪雨で大きく谷側が崩れ林道は寸断されていた。崩壊地点に来ると網状の金属を打ち込んで土砂を埋め込み修復されている。でもこんな修復では豪雨がやって来るとまた崩壊するような気がする。

日陰で積雪のある林道を東へ登って行き 崩壊地点は修復されている

 「倉谷林道は修復されているんだ!」と思い込んだ哲郎は喜びながら進んで行く。右手に雑木の林が続き、それが終わると林道は南へ向く。日が当たらないのだろう積雪は20cmと増えてくるがアイゼンを付ける必要はない。

 南へ向いて少し進むと目の前の谷筋で林道の崩壊を見る。「まだ、修復されていないのか~」と残念がる哲郎であるが、足元に杭をたくさん見るので測量も終わって、春になると修復が始まりそうである。ここは崩壊が浅いので対岸へ渡ることができる。

右手に雑木の林が続き 目の前の谷筋で林道の崩壊を見る

 一応歩くことができるので一安心、さらに前方へ進んで行く。数分も経たないうちに、突然目の前の道が消える。右は岩肌の崖、左はV字の谷、前方は谷底まで落ち込んで全く進行ができない。そのすぐ先の谷でも林道が崩壊していて送水管が見える。「これでは無理だ!」と引き返そうとするが、引き返しても中途半端な時間、「どうにかならないか!」と周囲の様子を伺う。

 谷底から対岸の急斜面だが登れそうな気がするので、谷へ降り確認することにする。V字の谷で中々降りるところが無い。やっと薄い踏み跡を見つけ谷へ降りたつと、その上流にピンクのテープを見るので、きっと踏み跡は測量の為に降りた跡だったのだろう。

右は岩肌の崖前方は谷底まで落ち込んで すぐ先の谷でも林道が崩壊していて

 谷から対岸の斜面の様子を伺うと、急斜面で簡単に登れそうにない。谷は岩肌が出ていて小さな滝もあるので、落ちると「痛い!」では済みそうもないが、斜面にコアジサイが点々とあるので、登れそうなルートを探し登ることにする。

 登り始めるがなかなか上に進まない。足がかかるところを探しコアジサイの株を掴んで登って行く。中ほどまで登って進めなくなり進路を探していると、崩れた林道付近で「バーン!」と銃声がする。「何やねん、これ!」「哲郎をケモノと間違って狙っているのやろか?」と思うほど近い。

 再び「バーン!」と、でも近くで銃弾のパラパラと言う音がしないので哲郎を狙ったのではないようだ。取りあえず先を急ぐことにする。小さな雑木がある方へ移動し、これを掴みながら登って行くと、頭上に林道の端が見えてきて林道へ這い上がる。

 「やれやれ!」と10数mの斜面をあがるのに20分もかかってしまう。崩壊個所に近づいてみると2カ所とも本来の谷筋まで綺麗に浸食されていて、水の力、水の怖さを知る。小休止後広域林道へと歩き始めると、もう寸断されたところはなく広域林道に出合う。

修復後は、こんなんになるんや! 広域林道に出合う

 ここから支尾根に取付き、鍋谷山からの尾根に乗る予定であったが、大きく遅れたので鍋谷峠まで林道を歩いて時間を稼ぐことにする。広域林道の日の当たらないところでは20cm弱の積雪を見るが、柔らかいので難なく歩くことができる。

 後ろから車がやってきて通り過ぎていくが、先ほどの狩りの人だろう。鹿の鳴き声もしないので、こんなところにケモノがたくさんいるのやろか?と思ってしまう。

 林道はどんどん下って行き、井ノ口山の伏条台杉群を避ける為おおきく蛇行している。林道井ノ口線分岐を過ぎ、倉谷林道分岐点から50分で鍋谷峠に着く。

日の当たらないところでは積雪を見るが 倉谷林道分岐点から50分で鍋谷峠に着く

 丁度12時、とここで昼食とする。風もなく、鳥のさえずりもなく静寂の中、前方に峰床山から桑谷山への山々を眺めながら一人オニギリを食べる。

 昼食後は片波山へ向かう。峠の南の斜面に踏み跡があるのでそれを進んで行くが、その道は尾根に登ることもなく巻いて行くので、「これは植林地の作業道や!」と途中から尾根へと登って行く。そういえば峠すぐの所から尾根へ登っていたことを思い出す。

 尾根には薄い踏み跡が続き、後はこの尾根を進んで行けば片波山に着くことができる。途中に点々と台杉を見るが、その多くは枯れてきているようである。

峠から正面に峰床山を見る 尾根に踏み跡を見る

 最後は急坂を標高差70m登って、なだらかな山頂に着く。山頂は細長くて三角点は南150mの奥にある。見通しはないので三角点を確認し、すぐに大布施へと下って行く。

 山頂から南へ、すぐに尾根は2分するので、広域林道へは左(東)の支尾根をとる。広域林道まで標高差100m下ることになる。疎林の中をどんどん下って行く。支尾根の先端付近から左の林道支線へ下ると、すぐ先で広域林道に出合うのだが、標高670m付近で左下に広域林道を見たので、ここから強引に広域林道へ降りてみる。でもここはガレ場の様に足元が悪く時間がかかってしまう。13時5分、大布施までユックリ下って40分なので、14時45分のバスには十分間に合うことになる。

山頂は細長くて三角点は南150mの奥に 標高670m付近で左下の広域林道へ

 舗装された林道は足にくる。最初は大きく蛇行しているので、「ショートカットしよう!」と思う哲郎だが、適当なところがなく林道をテクテク歩くことになる。30分歩いて林道ゲートに出合うと大布施はもう近い。花背小中学校の横を川沿いに下って行くと大布施の林道入り口に着く。

冬枯れの広域林道 大布施の丹波広域林道入り口

 時間があるので横の川に降り用具を洗い後始末をする。バス停へ向かうがスタンド横にあった酒屋さんは止めたらしく、「花背農協前のお店でビールを買ったことがある」と、いそいそと向かうが、「2月20日で閉店します」と言う張り紙を見る。今日は2月19日・・・?、もう大昔の話のようでビールは諦め、バス停でユックリバスを待つことにする。







木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14-7】
4本で爪痕があるのでキツネかな