武奈ケ岳 (御殿山~西南稜~八雲ヶ原~金糞峠)
2016.10.01


 
雨上がりで今日はスッキリ見える武奈ケ岳
紅葉が始まって来た西南稜から


2016.10.01 (土) 曇り  哲、道

行き:出町柳駅前7:45(京都バス)- 坊村
帰り:イン谷口15:25(江若バス) - JR比良15:37 = JR京都


コース:
坊村バス停~登山口~P846~見晴台~御殿山~ワサビ峠~西南稜~△武奈ケ岳~イブルキノコバ~八雲ヶ原~奥ノ深谷道~金糞峠~青ガレ~大山口~イン谷口バス停

注意:
・青ガレ~金糞峠間はガレ場となっていますので歩行注意!。









 最近は天候不順が続き、なかなか晴れてはくれない。先週末は温泉へ出かけたので「今週は山へ!」と。週末の予報は雨だが、前日より雨雲チェックしていると雨が止む予想時刻が段々早くなり、「9時には上がるだろう!」と武奈ケ岳へ出かけることにする。

 出町柳駅前バス停に着くと、雨の予報で登山客は誰もいず、結局10名程度で朽木行きのバスは出発する。坊村に着くと雨は止んでいて、トイレ前でゆっくりと準備していると、いつものように最後の出発となる、丁度9時である。

 今日は水量が多い明王谷を渡り登山口より登り始める。前方に5名の団体さんが見えるが、後を追って登って行くが一向に追いつけないので、彼女たちはどこかの山岳会で健脚なのだろう。

まだ雲が残っている御殿山へ向かう
坊村バス停から
明王谷を渡り登山口へ

 今日は涼しくて心地よいはずなのだが、「18℃-80%」と道子、二人は汗をかきながら登ることになる。途中で休憩中の先ほどの団体さんに追いつく。一応先週のダケ道でのハチ出撃情報を伝えておく。

 嫌な植林地の急斜面の登りだが雑木が増えてくると、やっと緩やかになる。支尾根を登り切ったところからP846のある次の支尾根に登って行くのだが、急斜面が続くのでいつもここで休息をとる。登り口に咲くキタヤマブシは黒くただれ、先に僅かの花を見る。「遅かったか!」と、この先の高いところに咲く花を期待する。

 急斜面を登り始めるが、今日は涼しいのか余り苦にならない。足元にはプリプリしたヤマグリの実がたくさん転がっていて、それを踏みながら登る事になり「もったいない、すぐにバケツ一杯になるだろう!」と哲郎、「小さくて面倒だからいらない!」と道子。

雑木が増えてくると緩やかになる 足元にヤマグリの実が一杯

 P846のある支尾根に登り着き、小休止の哲郎、道子は「休むとシンドイ!」と先に歩き始める。分岐から夏道の巻道をとるが「何も咲いていない!」と道子、ここにはもともと何も咲いていなかったような気がする。

 キタヤマブシの咲く谷筋まで来て、先行する3人の若者たちに追いつく。先頭の女の子は地図を持って歩いているので、彼らはここが初めてのようである。谷筋のキタヤマブシも終わっていて「残念だ!」と哲郎。谷から折り返して支尾根にのるところに数株だけ咲いていて、やっとカメラに収める哲郎。

キタヤマブシの咲く谷筋まで来て 名残のキタヤマブシ

 支尾根を登り切り見晴台に着く。ここのトリカブトも見頃を過ぎていて、今年は1~2週間、花期が早かったようだ。西方に連なる京都北山の山々は雲に覆われていたが、休憩中に雲が切れてきて雲の流れで山頂が見え隠れしている。足元を見ると大きなヒルが1匹スパッツにいて、さっき登山道を外れ写真を撮った時に着いたのだろうと、ヒル避けを噴霧し退治する。

雲が切れてきて見え隠れする京都北山
前方はカマクラ~峰床山・後方は桑谷山
名残のトリカブト

 休憩も終わり、御殿山山頂へ向かう。低木の中を登って行くと足元にセンブリの花を見る。10時50分、御殿山に着く。今日は雨上がりで武奈ケ岳がすっきり見える。「お昼は武奈ケ岳山頂にしよう!」と、すぐにワサビ峠へと降りて行く。

御殿山からすっきり見える武奈ケ岳 すぐにワサビ峠へと降りて行く

 西南稜を登って行くと、昨年たくさん咲いていたセンブリが見当たらない。急斜面のセンブリは雨水で流れて行ったのだろうか。緩やかな尾根に変わると先行する道子は立ち止まり「ここに咲いている!」と指さし、すぐに歩き始めるのでカメラに忙しい哲郎は遅れてしまう。

 センブリやアキノキリンソウは咲いているが、この天気リンドウは開いてくれない。西南稜から西方の北山を見下ろすと、まだまだ山々は見え隠れしていて、こんな光景はあまり見たことのない2人はこれを楽しむ。

西南稜の花を楽しみながら 西南稜、最後の登りは黙々と
西南稜から西方の北山を見下ろすと
まだまだ山々は見え隠れしていて

 11時30分、武奈ケ岳山頂に着く。今日の登山者は少ないが、二人は山頂から北稜入口へ向かい、北の釣瓶岳や蛇谷ヶ峰を見ながら昼食とする。雨上がりの今日は琵琶湖もすっきり見え、虫もいず、風もなく心地よいので、久しぶりに山頂でユックリする。

 昼食も終わり下山とする。12時00分、山頂に咲くアカモノを覗きながら山頂ピークを下り、分岐からイブルキノコバへの道を下り始める。

△武奈ケ岳に着く 北稜から釣瓶岳と蛇谷ヶ峰

 最初は細い溝状の急斜面が続き、いつもきまって登ってくる登山者に出会うので立ち止まることになる。溝状の道が終わると視界が開け雑木の中を少し登って行くとコヤマノ岳分岐に着く。イブルキノコバへは左にとり、しばらくブナの木の間を抜け斜面を巻きながら下って行く。

 そのうち谷に出合い顔を洗う哲郎、ここのキタヤマブシも終わっていて、昨年より花の終わりが早いようである。谷沿いを下って行きイブルキノコバに着く。ここから谷は大きく下がって行くが登山道は斜面の横道が続く。

ブナの木の間を抜け斜面を巻きながら 谷に出合い顔を洗う哲郎

 まだ色付いていないコアジサイの間を歩き、小さな谷を3回渡ると八雲ヶ原のススキの草原に出合う。八雲ヶ原を周回し野草観察を済ませると、今日はすぐ上の北比良峠ではなく奥ノ深谷源流を下って金糞峠へ向かう。先週ダケ道でハチ出撃情報があり、巣が数か所あったとのことで「まだ駆除されていないだろう!」と。

 池の傍を歩いていると、いつの間にか流れに変わりその谷沿いを緩やかに下って行く。久し振りの奥ノ深谷源流道、「道も景色もいい!」と快適に進んで行くと、次第に流れは大きくなり、道は荒れてきて歩きにくくなる。

 そのうち道子の嫌いな木橋が現れてくる。細い木を組んで作ってあり手すりもあるので難なく渡る道子。橋は何度も現れ、流された橋もある。そんなとこは渡れそうなところをジャブジャブと渡る。踏み跡が薄くなっても谷に沿って下って行けば、また登山道に出合うので安心である。谷の幅も広くなり谷らしくなってくると金糞峠は近い。

久し振りの奥ノ深谷源流道
「道も景色もいい!」と
手すりがない橋は慎重に渡る道子

 左岸に広場が見えてくると金糞峠は目の前、小さな谷に出合い左に登って行くと金糞峠である。中峠や大橋へは橋を渡ることになるが、「流れている!」と聞いていたのでそれを見に行く。橋は外れていたが、片方がロープで固定してあるので流れてはいない。修復には数人の男が必要であろう。

 直ぐの金糞峠に登って小休止、ここは久しぶりである。大きく変わったこともなく安心した二人は青ガレへと下り始める。

金糞峠直下の橋は外れている 直ぐの金糞峠に登って小休止

 最初は溝状の細い道だが、下るにつれ足元にガレが広がり歩きにくくなる。こんなガレ場が久し振りの二人は時間がかかり疲れてくるので、早く青ガレに着いてくれと思ってしまう。25分ゴロゴロ石道を歩きやっと青ガレに着く。青ガレは大きな石の間を下って行き、堰堤下の谷に出合う。

 堰堤下は水しぶきを受け涼しくて気持ちい良いのだが、石の様子が変わっていて対岸へ渡り難くなっている。でも難なく渡った二人は登山道を急いで下り始める。ダケ道下山だと余裕の15時25分発のバス、今日は金糞峠周りだから急ぐことになる。

やっと青ガレに着く 何処を渡ろうかと道子
青ガレ下

 「バス停には15時頃には着くだろう!」と道子に言うが、道子は足を止めることなく下って行く。今日は水量が多いのだろう何度も出合う堰堤はゴーと音を立て水しぶきを上げている。その水で顔を洗いたい哲郎だが、我慢して下って行く。

道子は足を止めることなく下って行く 今日は勢いがある正面谷の堰堤

 数台止まっている駐車場が見えてきて、「バスには時間があるよ!」と二人はここでトイレ休憩とする。15時にイン谷口のバス停に着くが誰もいない。「このバスは誰も利用しないの?」と思っていたら発車間際になって10名ほどやって来る。

 「今日はトリカブト鑑賞には遅かったが、色々と楽しめて良かった」と、二人は満足げにバスに乗る。







アカモノ ホツツジ
オオカニコウモリ アキノキリンソウ
ママコナ マツムシソウ
開いてくれないリンドウ センブリ







木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14-7】
サワフタギの実