三舞谷(サンマイ谷)//比良
(梅の木~御殿山~坊村)
2015.05.23




 
標高700m付近で三舞谷右俣を渡る
木の根付近にある鎖を数m登ると炭焼窯跡がある


2015.05.23 (土)  曇り  哲、道

行き:出町柳7:45 - 梅ノ木
帰り:坊村15:46 - JR堅田16:38 = JR京都


コース:
・梅ノ木バス停~石楠花山荘~普済寺参道~三舞谷登山口~標高470mで左斜面を巻く~谷分岐出合~標高520三舞谷右俣渡渉渡渉~中尾根の植林を抜け急斜面を登る~支尾根出合~植林作業道~標高690m三舞谷右俣に降りる~渡渉後崖を数m登る~炭焼窯跡~三舞谷沿いに斜面を登って行く~標高850m谷から離れ御殿山を目指す~御殿山山頂~御殿山コースを下る~坊村バス停

注意:
◆三舞谷道:古道は薄くなり、崩れた所もありハッキリしなくなってきました。ほとんど道の無い急斜面を登って行き体力も必要なので【初心者危険コース】です。初心者だけで出かけないようお願いします。






 6年ぶりの三舞谷、「2013年後の豪雨でどうなっているのやら?」と、三舞谷の古道探索に出かける。

 出町柳バス停には7時過ぎからたくさんの人で賑わい、臨時便もでて2台で発車するが、それでも満員に詰め込み「3台にしてくれ!」と哲郎。バスが満員だと乗降に時間がかかり、坊村で随分と遅れている後続車を待つことになる。

 梅ノ木で降り石楠花山荘裏にある普済寺の参道を登って行く。前回訪れた時、三舞谷に出合うまでに、たくさんのヒルにであったので、明るい参道で準備しヒル対策もシッカリとする。

梅ノ木バス停から石楠花山荘へ 明るい参道で準備しヒル対策もシッカリ

 お寺の手前の植林地が三舞谷道の登山口なのだが、前回見た古い標識はない。寺の手前に道のような所をみて、そこから進入する。植林地の中の道は、余り歩かれていないようで落ち葉や土砂で埋まりハッキリしなくなってきている。

 前回と同じように右下にお寺の屋根を見ながら登って行き、道が行き止まった所で折り返し、ジグザグに登って行く。古道は分かり難く古道を辿っていては時間がかかり、適当に植林地を登った方が早く進めるのだが、ここは古道探索、前回通った道を探しながら歩いて行く。

寺手前の植林地から進入する 古道を辿っていては時間がかかり

 植林地の上部まで来ると三舞谷に寄ってくるが、ここから右へ折り返して行くと足元にゴロゴロ石が続く。辿った道の延長を進んで行くと再び植林地の中に踏み跡を見る。

 植林地を巻きながら登って行くと、植林から雑木に変わった所、標高470mで踏み跡は消える。前回もここからの進路を探したようだ。ここから三舞谷へ斜面を巻いて行く道があるので二人は分かれてこれを探す。

足元にゴロゴロ石が続く 標高470mで踏み跡は消える

 「道、あった!」と道子。道は消えたポイントから左へ数10m斜面を巻いて行った道子、その軌跡が古道跡のようだ。斜面を横切る道は消えたようだが、振り返ると木の間が空き、道があったことが分かる。

 道は三舞谷沿いを登って行き、ハッキリしてきた所で周囲は雑木から植林に変わる。標高500mを越えたあたりで、ほぼ水平に谷に沿って進んで行く。

木の間が空き道があったことが分かる 古道はハッキリしてくる

 「あった!」と道に横たわる大きな倒木を見る。この倒木は古道の目印となっている。左下に三舞谷にが見えるようになり、倒木から5分も歩くと谷分岐に出合う。谷分岐にマークを見るが、渡渉地点は三舞谷右俣を渡ったので少し先へ進み三舞谷右俣に降りる。標高520m付近である。

この倒木は古道の目印となっている 三舞谷右俣に降りる

 谷から谷分岐の中尾根へ取付く場所を確認する。ここは覚えていて分岐に近い大岩の横を登って行く。出合った植林地を詰めて行き、三舞谷右俣に接する巻道を探しながら登って行く。

 植林地上部に炭焼窯跡のような所から三舞谷右俣へ近づいて行く道を見つけ「ここだった!」と、これを進んで行く。道は細くなり植林が終わると谷沿いの崖道に変わる。「必要だろう!」と哲郎はロープを取り出して進むが、崖道は崩れとても進めそうもない。

大岩の横を登って行く 道は細くなり植林が終わると

 古道が通れないことが分かった二人は古道を諦める。この古道は三舞谷右俣に接し支尾根を登っているので、ここから直接支尾根へ登ることにする。斜面の途中にいる二人は慎重に引き返し、今度は植林地の上の急斜面を登って行く。

 古道探索でなければ、最初からこの斜面を登って行けば安全である。と言っても急斜面、古道探索で疲れた二人は緩やかな所で小休止する。

 支尾根に近くなると緩やかに登って行き、リョウブだろうか見覚えのある木を見る。支尾根に着き、植林地にある作業道を探す。「あった!」と哲郎、薄くはなっているがそこに古道を見る。「やれやれ」と小休止していると、哲郎はロープが無いことに気付く。「この先の三舞谷で必要かも知れない!」とまた斜面を下り探すことになる。

古道が通れず急斜面を登ることになる リョウブだろうか見覚えのある木を見る

 幸い近くで見つけた哲郎は「やれやれ」と再び斜面を登って行く。「遅れた!」と早速植林地の中の道を進んで行く。最後は道は荒れ細くなるが続いていて、三舞谷右俣に接する。「渡渉地点はここだろう!」と谷へ降りていく。

植林地の中の道を進んで行く 谷へ降りていく

 高度計は695mで渡渉地点はここのようだが、確認するため古い標識と鎖を探す。対岸に鎖を見つけ、「ここだ」と言うことになるが、古い標識は見当たらない。早速崖を登るポイントを探す。前回鎖で苦労した道子、もっと楽な所があるだろうと探す哲郎。少し下流部分が登りやすそうに見えた哲郎はいろいろと登ってみる。

 道子には危険かも知れないと次々に探していく。「ここなら」と道子も登り始めるが途中でロープを出すことになる。これが大失敗、崖を登った所から急斜面が続き、鎖のポイントへ行くまで時間がかかってしまう。

 何だかんだと20分かかってしまい、結局「鎖周辺を登れば良かった!」と言うことになる。炭焼窯跡まで来て谷沿いの踏み跡を登り始める。

対岸に鎖を見つけ 炭焼窯跡まで来て

 植林地の中しばらく谷沿いを登って行く。数分も歩くと左手に細い溝を見て、溝に沿って登って行く。標高760mを過ぎ炭焼窯跡のような所を過ぎた所で溝を渡るポイントを探す。

 このままでは三舞谷から離れてしまうので、標高810mで浅くなった溝を渡り三舞谷へ近づいていると、標高830mで再び細い溝に出合いこれを渡る。どうやら谷から離れすぎたようだ。

左手に細い溝を見て 標高760mを過ぎ炭焼窯跡のようなところ

 周囲は目標物もなく綺麗な雑木が広がる斜面が続くが、もう12時を回っていて、予定ではワサビ峠に着いている時間である。雑木の斜面を巻くように三舞谷へ近づいて行くと、谷近くで斜面が大きくえぐられた所に出合う。

心地よい雑木が続くが 斜面が大きくえぐられて

 もうここまで来ると以前の記憶が全くない哲郎、このガレ場を抜けたのか、迂回したのか。でも迂回したような気がするので斜面を右へ登って行く。登り切った斜面を直ぐ左へ谷へと進めば良かったのだが、ここから三舞谷から離れてしまうことになる。

 足元に杉の幼木が茂り「こんな植生は記憶にない!」と哲郎、進路も南に変わりどうやらコースアウトしたようだ。「慌てることはない」と急斜面に立っての昼食とする。谷の対岸のガレ場が左手に見えるが、もうすでに谷から離れ谷上の高い所を歩いているようだ。標高900m、ワサビ峠へ近づこうと左へ進んでみるが、雑木が地を這うようになってきたので歩きにくい。

足元に杉の幼木が茂り
「こんな植生は記憶にない!」
雑木が地を這うようになってきて
歩きにくい

 このままではワサビ峠に着くのは何時になるか分からないので、今日はワサビ峠を諦め、目の前の御殿山へ向かうことにする。

 ここに来てやっと地形図を取り出し確認する哲郎、この周辺ではここから御殿山への登りが一番きついようだ。でも地を這う木は縦方向には邪魔にならず登って行けるようだ。

 登山道も近づいてきて人の声も聞こえてくる。チョット左右に振ると登山道に出合うことができるようだが、ここは御殿山山頂を目指してみる。「あっ!着いた」と御殿山、今日はスッキリ見える武奈ケ岳を望む。

コアジサイは開花準備中 御殿山から武奈ケ岳を望む

 13時50分、「遅~い!」と。1時間以上雑木の中をさ迷っていたようだ。坊村の堅田行きのバスに間に合いそうなので武奈ケ岳へも行かず、金糞峠も諦め坊村へ下ることにする。小休止後、もう新緑の雑木を十分楽しんだ二人はJOEさんのごとく快足で下って行く。次から次へと団体に出会い「スミマセン!」と避けてもらう。

 50人抜いたところで坊村の登山口に着く。14時45分、御殿山から50分で下ったようだが、こんなに急ぐことはなかったようだ。

御殿山コースは大渋滞 御殿山登山口に着く

 バス停でユックリ待っていると、団体さんがどっとやってきて、すぐの所で待っていた臨時便のバスがやってくる。おかげでユックリ座れ早く帰ることができ、新快速電車に乗ることができる。

 途中からコースアウトした三舞谷コース、「もう一度行きたい!」と哲郎、「当分いいの!」と道子。今日はきつかったようである。








木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14-7】
ヒメハギ