小野村割岳山頂付近の山火事調査//北山
2013.06.29


 
山頂付近の山火事の傷痕は痛ましい


2013 .06 .29 (火)  曇り後晴れ   哲、道

行き:北大路駅前バス停 8:02 − 下ノ町バス停
帰り:広河原 17:30 − 北大路駅前バス停
コース:
下ノ町バス停〜ワサ谷林道〜ゲート〜林道分岐を左〜林道終点〜△小野村割岳〜P911〜南尾根分岐〜トチノキの鞍部〜赤崎中尾根分岐〜灰野道出合〜佐々里峠〜広河原バス停

注意:
◆2013.06.13発生した小野村割岳山頂付近の山火事は、山頂から東西に延びる尾根の南斜面や南支尾根だけ延焼しているので小野村割岳〜佐々里峠の尾根道には影響ありません。また山頂からワサ谷林道終点へ下る南尾根は延焼しているが倒木もなく通れます。







 今週は野草観察に出かける予定であったが、「おばさん山歩き隊」からの「小野村割岳山頂付近で山火事発生!」との報告を受け、二人はその山火事の状況調査に出かける。

 梅雨の合間、まずまずの天気、花背高原前で降りる「おばさん山歩き隊」のTさんを見送り、大悲山口を過ぎると登山者は我々二人だけになる。京都バスが広河原16:00発の便を運休してから、広河原方面の登山者は大きく減少してきたようだ。

 下ノ町で降りバス停横の橋の上で準備する(コンクリートの上ではヒルの心配がないのだ)。ワサ谷林道を歩き始めるが山裾の斜面に花はなく、足元にウツボグサを見る。

バス停横の橋の上で準備する 足元にウツボグサを見る

 民家を過ぎると名残のオオマツヨイグサを見て車止めを過ぎる。谷のウツギは終わり、今は斜面に静かに咲くヤマアジサイが綺麗だ。

 今日はそんなに気温が高くないのだが、やはり夏、汗をかいたので二人は谷に降り顔を洗いタオルを濡らして首に巻く。

オオマツヨイグサを見て ヤマアジサイが綺麗だ

 林道には濃いワダチが残っていて「造林が忙しいのかな」と思ったが、そうではなく「これは消防車の往来によるものだ!」とすぐに気付く。

 「今日は体がだるい!」と哲郎、「帰りは17時30分発の最終のバスにしよう!」とユックリ歩くことにする。ゲートまで来て橋の上で小休止、名残のジキタリスがまだまだ咲いている。いつも見かける橋の住人?いや大蛇は今日は姿を見せない。

林道には濃いワダチが残っていて ゲートまで来て橋の上で小休止

 林道に咲くジキタリスを見ながら歩き始める。凸凹道だった林道が昨年整備されていたので消防車も通ることができたようだ。トチノキの大木を過ぎると標高660mの谷分岐に着き「やれやれ」と小休止する。ここから山頂まで急勾配が続くので、谷に降り涼をとる。

ジキタリスを見ながら歩き始める トチノキの大木を過ぎると谷分岐

 コンクリートの橋の隅に蛇がアグラをかいているかのごとく休憩中、我々が出発する頃にやっと動きだし顔を隠す。林道の勾配はきつくなり足元がゴロゴロ石に変わり歩きにくい。「ふーふー」言いながら登って行きやっと滝に着き左へ折り返すように登って行く。

 林道分岐に出合い左へとる。最後のゴロゴロ石道を登りきると、やっと登りが終わりホッとする。11時30分、林道終点に着き岩を超えた小さな谷沿いで、いつものようにここで昼食とする。

ゴロゴロ石道は歩きにくい 林道終点に着き昼食とする

 オニギリを食べながら周囲の木々を見るが、どこも蒼々としていて「一体どこが燃えたのやろか?」と思ってしまう。足元には今まで見たことのないような踏み込まれた足跡が続き、消火に携わった人々の苦労が伺える。

 昼食後目の前の斜面を登って山頂に向かう。山頂への南尾根に乗り歩き始めると先を歩く道子が叫ぶ、「ここや!」と、前方に根元が焦げた木々と黒くなって広がる地面を見る。「これはひどい!」と、その黒く染まった中を山頂へと歩いて行くが山頂に近づくほどきつく燃えているようだ。

 尾根から左右の斜面を見下ろすと、10〜30mで延焼は止まっている。杉の根元だけ焦げ付いているので、下から尾根へ木が燃え広がったのではなく、尾根から地面の杉の落ち葉や杉の枯葉の堆積物が燃え広がったように見える。

黒く染まった中を山頂へと 山頂に近づくほどきつく燃えている

 杉の根元だけ燃えているが、耐えられなかった木は葉を茶色に染めていて、それが山頂に近づくほど多くみられる。小野村割岳山頂に着き小休止、山頂広場の切り株も燃えているが山頂から北の京大研究林側に延焼は見られず「やれやれ」の二人。

 哲郎はザックを置き東尾根の様子を見に行く。100mも下ると南への支尾根があるが、こちらの植林地も燃え広がっている。東尾根北側の雑木に延焼はないようだ。

 山頂から佐々里峠へ西尾根を下って行くと、こちらも延焼していて約100m、南側の杉林だけが燃えている。点在する古木も燃えていて残念である。報道では延焼面積は5000uとあったが、それ以上あるように思える。

山頂広場の切り株も燃えているが 古木も燃えていて残念である

 ここからは山火事を忘れて、ヤマボウシを楽しみながら佐々里峠へ歩くことにする。谷間に咲くヤマボウシが綺麗で、時々足を止め谷間を覗き込んではこれを楽しむ。P911を過ぎると山火事もすっかり忘れ、いつもの尾根を楽しむことになる。幸いにも涼しい風も吹いてきて、飛び交う虫も少なくて快適な歩きが続く。

谷間に咲くヤマボウシが綺麗で P911を西にとる

 南尾根分岐に来ると、1ケ月前あんなに茂っていたバイケイソウは葉が黄色く染まり精彩がない。それでも2本だけ蕾を付けている株を見る。尾根をどんどん西へ進んで行く。緑の雑木が続き、二人は尾根を楽しみながら黙々と歩く。トチノキの鞍部を一登りすると赤崎中尾根の分岐に着く。

ベニヤマボウシ 哲郎がエイリアンと呼ぶ木

 今日は最終バスに乗るので、そんなに急がなくてもいいのに、何故か速足で進んで行く。どうやら尾根の雑木に飽きてきたのかもしれない。

 大きな倒木を過ぎると尾根は南へ向き鞍部を登り返すと再び西へ向く。「あともう少しや!」「佐々里峠まで30分や!」と道子に言うが、ここから数回小さなアップダウンを繰り返し、夏場はこれがしんどい。

トチノキの鞍部 赤崎中尾根の分岐

 P840を下ると灰野道に出合い、左にとり佐々里峠へと向かう。佐々里峠に降り立つが、今日は駐車スペースに車を見ない。二人は車道をゆっくりと広河原へと下って行く。

P840を下ると灰の道に出合う 佐々里峠に降り立つ

 広河原に着くと、いつものようにオバナ谷の河原でユックリと涼をとりながら後始末をする。バスまで1時間・・・、ゆっくりと庄兵衛さんでビールを飲みながら時計が回るのをまつことになる・・・。








主は季節のために月を造られました。
太陽はその沈む所を知っています。


詩篇 【 104:19 】
カラスシキミの実