皆子山(寺谷〜西尾根〜ヒノコ)//北山
2013.04.09


 
西尾根の左右に広がる草原は心地よいが
最後は谷に落ち込むので下らないことだ


2013.04.09 (火) 晴れ  哲

行き:JR京都駅7:55 = JR堅田駅8:50 − 平バス停
帰り:小出石公民館前15:48 − 地下鉄国際会館駅


コース:
平バス停〜寺谷口〜大岩〜東尾根出合〜△皆子山〜(西尾根)〜P926〜南支尾根分岐〜P889〜P819北ピーク(845m)から西へ下る〜標高820支尾根分岐を南へ〜電柱【モモイ248】〜ヒノコ分岐〜ひのこおおはし〜ミタニ峠取付き〜ミナニ峠〜林道出合〜三谷口〜小出石公民館前バス停

注意:
・皆子山への谷筋(皆子谷・ツボクリ谷・寺谷)は最近荒れてきて、道が消え注意を要するところがあります。初心者危険コースとなってきていますので初心者だけで進入しないようお願いします。
・山頂へは平から東尾根コースを利用すると安全に登れます。









 「今日は晴れ」という予報、道子は仕事なので哲郎一人で皆子山へ出かけることにする。今日は寺谷から取付いて、皆子山西尾根からヒノコへ下る道を探索することにする。

 JR堅田駅8:50発細川行きのバスに乗る。平バス停で5人降り、哲郎はバスの待合小屋で準備し最後に出発する。安曇川沿いの道を歩き始めると、いつもの犬が出迎えてくれる。前方に女性1人、さらにその前方に男性3人が歩いていて、平で降りた5人が皆、比良ではなく皆子山へ向かっている。「珍しいことだ!」と哲郎の独り言。

安曇川沿いを歩き始める 野草にはチョット早いが心地よい

 野草はまだ咲いていないので、芽吹きの始まった雑木の花を観察しながら歩いて行く。寺谷の取付き手前の橋で女性を追い越すが、山女ではなく山ガール姿なので「皆子山へ!」とびっくりしてしまう。

 男性グループに追いつき小休止していると、女性がやってきて3人の男性グループと話をしている。「比良?」と聞こえたので、この女性はコースを間違って男性グループを追ってきたようだ。

 彼らが説明しているので哲郎の出番はなかったが、小てつさんがいれば「きっと割り込んで行き詳しく説明するに違いない!」と思ってしまう哲郎。彼女は引き返して行くが、「戻っても1時間のロスになるし+比良に行くのに分岐を間違って・・・、大丈夫かいな!」と哲郎は心配する。

雑木の花を観察しながら歩いて行く 安曇川を渡って寺谷へ取りつく

 道子が怖いという水面より高い所にある橋を渡たる。下に水面に近い所にあった橋を見るが、大水で外れているようだ。久し振りの寺谷、彼らを追うように歩き始める。「取付き付近はあまり変わっていないようだ」、と言うより8年振りなのであまり覚えていないのかもしれない。

 最初は谷の中を歩いて行くが、足元に咲くミヤマカタバミを観察していると彼らに随分と遅れてしまう。谷の中に道はなく右に左に渡渉しながら歩けるところを歩くことになる。

最初は谷の中を歩いて行くが 右に左に渡渉しながら

 最初の谷分岐まで来る。谷は以前より荒れていて歩行に時間がかかるようだ。あちこちカメラを向けていると、とうとう先行グループの姿は見えなくなる。彼らは随分と健脚のようだ。

 ここからは渡渉を繰り返し左右の植林地を歩くようになる。前方に荒れた小屋が見えてくる。この小屋は10数年前から廃屋であったが、ボロボロになりながらでも崩れていない。

最初の谷分岐まで来る 前方に荒れた小屋が見えてくる

 谷は小さくなりV字の谷が続くが、この付近はまだ左右の登山道が残っていて植林地の中を歩く。小さな谷分岐のあとは大きな谷分岐、もう読めなくなった錆びた看板から右の谷を進む。谷の様子は覚えていないが、こんなオブジェは記憶に残っているものだ。

 一番記憶に残っているのは「大岩」、「大岩まだかいな〜!」と進んでいく。谷はだんだん荒れてきて、踏み跡が消えているところは谷沿いや谷の中を歩く。

谷は小さくなりV字の谷が続く 看板のある谷分岐は右をとる

 前方の植林地の中に大岩が見えてくる。標高820m付近で、ここまで来ると山頂は近い。大岩の後ろを通り抜けると谷の流れは細くなる。

植林地の中に大岩が見えてくる 谷の流れは細くなる

 最後は急な植林地をジグザグに登り、東尾根コースと皆子谷コースの分岐に出る。そのすぐ先が山頂で、「あ〜、やれやれ!」と山頂に着く。11時30分、予定より30分遅れてしまう。谷が荒れていたから?写真をたくさん撮ったから?哲郎の老化?・・・。

東尾根と皆子谷コースの分岐に出る 誰もいない山頂に着く

 先行グループは「山頂から折り返します」と言っていたが見当たらず、ツボクリ谷へでも予定を変更したのやら?。「昼食にしよう!」と山頂で比良山系を見ながらオニギリを食べる。

皆子山から武奈ケ岳〜蓬莱山

 15分の昼食休憩も終わり、西尾根を歩き始める。冬にシューハイクを楽しんだ雑木の尾根は、芽吹きはまだまだで冬枯れ状態、そんな雑木を見ながら西へ進んでいく。

 左手に草原が見えてきたら草原の右よりを鞍部に下り次のピークに登り返す。草原は茶色に染まっているが、これはシダが枯れているためだ。このピークから標高900〜930mの穏やかな尾根が続き小ピークのアップダウンを繰り返す。

冬枯れの西尾根を歩き始める 西尾根の左右には草原が多い

 広い草原は心地よさそうだが、尾根から左右に下って行くと皆子谷やツボクリ谷へ降りることになり、これらの谷は崖が多いので草原は下らないことだ。

 西尾根にはたくさんの支尾根の分岐があり、どれも同じように見えるので、ここは地形図の読図を楽しむことができる。ここにきたらGPSなんぞ使わず地形図だけで進んでみることだ。P926を過ぎ200mも進むと南への支尾根の分岐に着く。

 早速南へとり支尾根を歩き始める。細い雑木の尾根が続き、この尾根も小さなアップダウンを繰り返す。冬枯れの雑木の尾根が続く中、小ピークは目標となり現在位置が確認できるのが良い。次の目標は標高930mのピークだ。

南への支尾根の分岐に着く 冬枯れの雑木の尾根が続く中

 次は少し下って標高900mのピーク、次は地形図にあるP889だ。いつまでも冬枯れの雑木の尾根が続き、同じような写真しか取れない哲郎は撮るのをやめる。P889付近だけ何故か踏み跡が見える。P889は尾根が2分しているので南をとる。

 次の目標は標高845mのピークで、今日予定している下山ルートの分岐である。標高差50m下り小ピークを経て目的のピークに着く。

 このピークは四方に支尾根があるので、ピークを一周しこれから下る西の尾根を確認する。ピークの木々の間から南にナッチョ、南西に花背の鉄塔が見える。小休止後目的の支尾根を下り始める。ここに来てやっとタムシバの白い花を見る。

目的の支尾根を下り始める タムシバの花を見る

 支尾根を少し下ったところで支尾根は2分し、左の南への尾根をとるのだが南の尾根がはっきりしない。標高820m付近から西の尾根はハッキリ見えるが南の尾根が分かり難い。少し下って南の支尾根を確認して下って行く。

 急斜面を少し下ると細い尾根にアセビの木が続く。そこから数分下り標高750m付近から左手に植林地が見えてきて、標高700m付近から植林地の中を下ることになる。

細い尾根にアセビの木が続く 左手に植林地が見えてきて

 植林地を下って行くと左下に沢が見えてきて、標高640m付近まで来ると沢に接するようになる。最後まで支尾根を下る予定であったが、ここに来て目の前に右へ植林地の中へ下って行く作業道を見て、これを下ることにする。

 植林地の中をジグザグに下って行くとすぐに舗装道が見えてきて、大見川の橋のそばに降り立つ。目の前に電柱【モモイ248】を見る。(ここから登るときは電柱から10mも進入すると、すぐに作業道を見るのでそれをとる)。舗装道を南へとり、橋を渡ると200mでヒノコの分岐に着き左にとる。13時50分、ほぼ予定通りなのでミタニ峠へ向かうことにする。

沢に接するようになる 大見川の橋のそばに降り立つ
目の前に電柱【モモイ248】を見る ヒノコの分岐に着き

 「ヒノコも久しぶりだ」と哲郎、左手の建物から「ワンワン!!」と犬が吠える。犬がうるさいのは昔と同じようだ。すぐの「ひのこおおはし」を渡りミタニ峠の取付きに向かう。ぼんやり歩いていると、取付きを通り過ぎ、すぐに標識のある登山口まで引き返し古道を登り始める。

「ひのこおおはし」を渡り ミタニ峠への標識

 過去何度も通った古道だが、ここも久しぶりなので新鮮に感じる。古道という感じの道が続くが、谷沿いの道に変わると崩れていてロープのお世話になる。谷も細くなり、谷を渡ると数分でミタニ峠に着く。14時30分である。

 17時02分のバスを予定していたが「急げば15時台のバスに間に合うかも!」と急いで峠を下ることにする。

谷沿いの道に変わると崩れていて ミタニ峠に着く

 峠道を下って行くと谷筋に出合うが、ここから道は消えガレ場が続く。この付近は昔の面影はなく無残にも崩れている。ガレた谷の中を下って行くと右手の植林地にテープを見る。その横の植林地に作業道のような踏み跡を見て、それを歩きだす哲郎。これが間違いのもとで道は細く薄くなり、植林地が終わると、雑木の急斜面に変わる。

 そこでイワウチワを見つけ、危ないと思いながらデジカメにおさめる。もう斜面を巻いていくのは無理なようで、急斜面を下ることにする。「ポキ!」と掴んだ木が折れて滑り始める哲郎、慌てて次の木を掴み、事なきをえて「やれやれ!」と、慎重に斜面を下って行く。

 やっと谷まで降りてくると、三谷側の道も崩れている。「皆さんどこを歩いているのやら」と歩いて行くと林道終点に着く。

三谷側の峠道も崩れている 林道を30分で三谷口に着く

 道草を食ったので15時になってしまい「17時のバスにしよう!」と小休止する。ここでバスの時間を確認すると15時48分とあり「間に合うかも!」と、林道を走り始める哲郎。40Lのザックを背負って走り続けるのは無理で、歩いたり走ったり・・・・。

 「あの角で終わりや!」と走るが、それが外れ歩き出す。また「あそこまで!」と走り出す。これの繰り返しである。ゴーと言う音を聞き「国道が近い!」と喜ぶが、堰堤の音でがっかりする。

 それでも15時30分に三谷口に着き喜ぶ哲郎。発車10分前に公民館前バス停に着き、着替えと後始末をする。やって来たバスは哲郎一人を乗せて出発する。「明日は足が痛いだろうな〜」と言いつつ朝買っておいたワッフルをおいしそうに食べる哲郎、「やれやれ!」である。








その道は楽しい道であり
その通り道はみな平安である。


箴言 【 3:17 】
急斜面に咲くイワウチワ